VW:CTH型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1389cc]

ここではVWの5NCTH型・ティグアン [TSI R-Line|2013/09モデル] に搭載されているCTH型のターボ+スーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

CTH型のターボ+スーパーチャージャーエンジン諸元


5NCTH型 ティグアン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-5NCTH型
車名&グレードティグアン
TSI R-Line
エンジン型式CTH
種類直列4気筒
排気量1389cc
内径×行程76.5mm×75.6mm
ボアストローク比0.99
単気筒容積347.5cc
圧縮比10.0
吸気方式ターボ+スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力160PS/5800rpm
最大トルク24.5kgm/1500-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、CTH型エンジンはボア(内径)76.5mm、ストローク(行程)75.6mm、ボアストローク比0.99のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、CTH型のターボ+スーパーチャージャーエンジンを搭載する最も古い車種は、2004/04から発売された初代ゴルフ トゥーラン [1TCTHW型|2012/11]、最も新しい車種は2008/09から発売された初代ティグアン [5NCTH型|2013/09]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は3車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
CTHのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷51.3PS → 160PS
トルクの変遷24.5kgm → 19.8kgm
リッター馬力115.2PS/L
リッタートルク17.6kgm/L

今回の参考車両であるティグアンの直列4気筒1389cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のターボ+スーパーチャージャーエンジンは、5800回転のとき最高出力160馬力を、5800回転のとき最大トルク24.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1500回転での馬力は51.3PS、最高出力が発生する5800回転でのトルクは19.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は115.2PS/L、トルクは17.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積347.5cc)あたりの馬力は40.0PS、トルクは6.1kgmです。

CTH型ターボ+スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 8 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、CTH型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのは5NCTH型ティグアンの160PS/24.5kgm、最も小さかったのは1TCTHW型ゴルフ トゥーランの140PS/22.4kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
76.575.61389cc10.00.99
ボアアップによる排気量拡大
77.075.61408cc10.10.98
77.51426cc10.20.98
78.01445cc10.40.97
78.51464cc10.50.96
79.01482cc10.60.96
79.51501cc10.70.95
ストロークアップによる排気量拡大
76.576.61408cc10.11.00
77.61427cc10.21.01
78.61445cc10.41.03
79.61463cc10.51.04
80.61482cc10.61.05

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の76.5mmから0.5mm刻みで79.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の75.6mmから1mm刻みで80.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.99からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。CTH型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.99から0.95に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

CTH型エンジンのピストン径76.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが7件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
RB20型
78.0mm
[+1.5mm]
1445cc
[+56cc]
日産
HR12型
78.0mm
[+1.5mm]
1445cc
[+56cc]
日産
VG20型
78.0mm
[+1.5mm]
1445cc
[+56cc]
三菱
6A12型
78.4mm
[+1.9mm]
1460cc
[+71cc]
スバル
FB16型
78.8mm
[+2.3mm]
1475cc
[+86cc]
マツダ
S8型
79.0mm
[+2.5mm]
1482cc
[+93cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:CA31改型セフィーロに搭載されるRB20型1998ccの78.0mm、日産:E12型ノートに搭載されるHR12型1198ccの78.0mm、日産:GF31型レパードに搭載されるVG20型1998ccの78.0mm、三菱:DE3A型FTOに搭載される6A12型1998ccの78.4mm、スバル:GT3型XVに搭載されるFB16型1599ccの78.8mm、マツダ:BP8P型MAZDA3 セダンに搭載されるS8型1756ccの79.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1500rpm
最高出力
5800rpm
75.6mm3.8m/s14.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.0m/s18km/h
4000rpm10.1m/s36km/h
6000rpm15.1m/s54km/h
8000rpm20.2m/s73km/h
10000rpm25.2m/s91km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが75.6mmのエンジンが最高出力を発生する5800回転での平均ピストンスピードは14.6m/sとなり、これは1秒間に14.6メートル(時速にすると52.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1500回転では3.8m/s、最高出力が発生する5800回転より500回転高い6300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.9m/sとなっています。

参考までにストロークが75.6mmのCTH型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.05m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7940回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


CTH型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
VW
5NCTH
2013/09
ティグアン
TSI R-Line
[DBA-5NCTH]
160PS
24.5kgm
14.6km/L
9.63kg/PS
TB+SC
FF/6AT
SUV
5人乗り

ティグアン
[TSI R-Line]
2013/09モデル
車両型式DBA-5NCTH
最高出力160PS
最大トルク24.5kgm
JC08モード燃費14.6km/L
パワーウェイト9.63kg/PS
吸気方式TB+SC
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
VW
5NCTH
2012/11
ティグアン
TSI Blue-Motion-Tech
[DBA-5NCTH]
150PS
24.5kgm
14.6km/L
10.27kg/PS
TB+SC
FF/6AT
SUV
5人乗り

ティグアン
[TSI Blue-Motion-Tech]
2012/11モデル
車両型式DBA-5NCTH
最高出力150PS
最大トルク24.5kgm
JC08モード燃費14.6km/L
パワーウェイト10.27kg/PS
吸気方式TB+SC
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
VW
1TCTHW
2012/11
ゴルフ トゥーラン
Cross-Touran
[DBA-1TCTHW]
140PS
22.4kgm
14.0km/L
11.29kg/PS
TB+SC
FF/7AT
ミニバン
7人乗り

ゴルフ トゥーラン
[Cross-Touran]
2012/11モデル
車両型式DBA-1TCTHW
最高出力140PS
最大トルク22.4kgm
JC08モード燃費14.0km/L
パワーウェイト11.29kg/PS
吸気方式TB+SC
駆動方式&変速機FF/7AT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り

VW製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】