ボルボ:B420型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1968cc]

ここではボルボのFB420型・V60 [Polestar|2016/08モデル] に搭載されているB420型のターボ+スーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

B420型のターボ+スーパーチャージャーエンジン諸元


FB420型 V60
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-FB420型
車名&グレードV60
Polestar
エンジン型式B420
種類直列4気筒
排気量1968cc
内径×行程82.0mm×93.2mm
ボアストローク比1.14
単気筒容積492.2cc
圧縮比8.6
吸気方式ターボ+スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力367PS/6000rpm
最大トルク47.9kgm/3100-5100rpm

まず基本的な成り立ちとして、B420型エンジンはボア(内径)82.0mm、ストローク(行程)93.2mm、ボアストローク比1.14のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、B420型のターボ+スーパーチャージャーエンジンを搭載する最も古い車種は、2009/06から発売された初代XC60 [DB420XC型|2014/02]、最も新しい車種は2018/09から発売された2代目V60 クロスカントリー [ZB420型|2019/04]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は29車種の全29車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
B420のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷207.3PS → 367PS
トルクの変遷47.9kgm → 43.8kgm
リッター馬力186.5PS/L
リッタートルク24.3kgm/L

今回の参考車両であるV60の直列4気筒1968cc、圧縮比8.6でハイオクガソリン仕様のターボ+スーパーチャージャーエンジンは、6000回転のとき最高出力367馬力を、6000回転のとき最大トルク47.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3100回転での馬力は207.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは43.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は186.5PS/L、トルクは24.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積492.2cc)あたりの馬力は91.8PS、トルクは12.0kgmです。

B420型ターボ+スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、B420型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはFB420型V60の367PS/47.9kgm、最も小さかったのはXB420XC型XC40の190PS/30.6kgmとなっています。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.093.21968cc8.61.14
ボアアップによる排気量拡大
82.593.21993cc8.71.13
83.02017cc8.81.12
83.52041cc8.91.12
84.02066cc9.01.11
84.52091cc9.11.10
85.02115cc9.21.10
ストロークアップによる排気量拡大
82.094.21990cc8.71.15
95.22011cc8.81.16
96.22032cc8.81.17
97.22053cc8.91.19
98.22074cc9.01.20

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.0mmから0.5mm刻みで85.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の93.2mmから1mm刻みで98.2mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。B420型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.14から1.10に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

B420型エンジンのピストン径82.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが13件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4D68型
82.7mm
[+0.7mm]
2002cc
[+34cc]
日産
m274型
83.0mm
[+1.0mm]
2017cc
[+49cc]
マツダ
BP型
83.0mm
[+1.0mm]
2017cc
[+49cc]
トヨタ
7M型
83.0mm
[+1.0mm]
2017cc
[+49cc]
日産
CA18型
83.0mm
[+1.0mm]
2017cc
[+49cc]
日産
274930型
83.0mm
[+1.0mm]
2017cc
[+49cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:N28WG型RVRに搭載される4D68型1998ccの82.7mm、日産:YV37型スカイラインに搭載されるm274型1991ccの83.0mm、マツダ:NB8C型ロードスターに搭載されるBP型1839ccの83.0mm、トヨタ:MZ20型ソアラに搭載される7M型2954ccの83.0mm、日産:S13型シルビアに搭載されるCA18型1809ccの83.0mm、日産:ZV37型スカイラインに搭載される274930型1991ccの83.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3100rpm
最高出力
6000rpm
93.2mm9.6m/s18.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.2m/s22km/h
4000rpm12.4m/s45km/h
6000rpm18.6m/s67km/h
8000rpm24.9m/s90km/h
10000rpm31.1m/s112km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが93.2mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは18.6m/sとなり、これは1秒間に18.6メートル(時速にすると67.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3100回転では9.6m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.2m/sとなっています。

参考までにストロークが93.2mmのB420型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.23m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6440回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


B420型エンジンを搭載する車種の例

全29車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりB420型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ボルボ
FB420
2016/08
V60
Polestar
[DBA-FB420]
367PS
47.9kgm
11.2km/L
4.88kg/PS
TB+SC
4WD/8AT
ワゴン
5人乗り

V60
[Polestar]
2016/08モデル
車両型式DBA-FB420
最高出力367PS
最大トルク47.9kgm
JC08モード燃費11.2km/L
パワーウェイト4.88kg/PS
吸気方式TB+SC
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
ボルボ
FB420
2016/08
S60
Polestar
[DBA-FB420]
367PS
47.9kgm
12.2km/L
4.71kg/PS
TB+SC
4WD/8AT
セダン
5人乗り

S60
[Polestar]
2016/08モデル
車両型式DBA-FB420
最高出力367PS
最大トルク47.9kgm
JC08モード燃費12.2km/L
パワーウェイト4.71kg/PS
吸気方式TB+SC
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
ボルボ
LB420X
2016/01
XC90
T8 Twin-Engine AWD Inscription
[DLA-LB420XCP]
320PS
40.8kgm
15.3km/L
7.25kg/PS
TB+SC
4WD/8AT
SUV
7人乗り

XC90
[T8 Twin-Engine AWD Inscription]
2016/01モデル
車両型式DLA-LB420XCP
最高出力320PS
最大トルク40.8kgm
JC08モード燃費15.3km/L
パワーウェイト7.25kg/PS
吸気方式TB+SC
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員SUV/7人乗り
B420型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全29車種

ボルボ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】