ボルボ:B4154T型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1497cc]

ここではボルボのMB4154型・V40 [T3|2015/08モデル] に搭載されているB4154T型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

B4154T型のターボエンジン諸元


MB4154型 V40
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-MB4154T型
車名&グレードV40
T3
エンジン型式B4154T
種類直列4気筒
排気量1497cc
内径×行程82.0mm×70.9mm
ボアストローク比0.86
単気筒容積374.4cc
圧縮比10.5
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力152PS/5000rpm
最大トルク25.5kgm/1700-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、B4154T型エンジンはボア(内径)82.0mm、ストローク(行程)70.9mm、ボアストローク比0.86のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、B4154T型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2013/02から発売された2代目V40 [MB4154T型|2015/08]、最も新しい車種は2011/03から発売された2代目S60 [FB4154T型|2016/02]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は4車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
B4154Tのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷60.5PS → 152PS
トルクの変遷25.5kgm → 21.8kgm
リッター馬力101.5PS/L
リッタートルク17.0kgm/L

今回の参考車両であるV40の直列4気筒1497cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5000回転のとき最高出力152馬力を、5000回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1700回転での馬力は60.5PS、最高出力が発生する5000回転でのトルクは21.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は101.5PS/L、トルクは17.0kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.4cc)あたりの馬力は38.0PS、トルクは6.4kgmです。

B4154T型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 7 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.070.91497cc10.50.86
ボアアップによる排気量拡大
82.570.91516cc10.60.86
83.01534cc10.70.85
83.51553cc10.80.85
84.01572cc11.00.84
84.51590cc11.10.84
85.01609cc11.20.83
ストロークアップによる排気量拡大
82.071.91519cc10.60.88
72.91540cc10.80.89
73.91561cc10.90.90
74.91582cc11.10.91
75.91603cc11.20.93

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.0mmから0.5mm刻みで85.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の70.9mmから1mm刻みで75.9mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.86からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。B4154T型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.86から0.83に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

B4154T型エンジンのピストン径82.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが13件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4D68型
82.7mm
[+0.7mm]
1523cc
[+26cc]
日産
m274型
83.0mm
[+1.0mm]
1534cc
[+37cc]
マツダ
BP型
83.0mm
[+1.0mm]
1534cc
[+37cc]
トヨタ
7M型
83.0mm
[+1.0mm]
1534cc
[+37cc]
日産
CA18型
83.0mm
[+1.0mm]
1534cc
[+37cc]
日産
274930型
83.0mm
[+1.0mm]
1534cc
[+37cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:N28WG型RVRに搭載される4D68型1998ccの82.7mm、日産:YV37型スカイラインに搭載されるm274型1991ccの83.0mm、マツダ:NB8C型ロードスターに搭載されるBP型1839ccの83.0mm、トヨタ:MZ20型ソアラに搭載される7M型2954ccの83.0mm、日産:S13型シルビアに搭載されるCA18型1809ccの83.0mm、日産:ZV37型スカイラインに搭載される274930型1991ccの83.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1700rpm
最高出力
5000rpm
70.9mm4.0m/s11.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.7m/s17km/h
4000rpm9.5m/s34km/h
6000rpm14.2m/s51km/h
8000rpm18.9m/s68km/h
10000rpm23.6m/s85km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが70.9mmのエンジンが最高出力を発生する5000回転での平均ピストンスピードは11.8m/sとなり、これは1秒間に11.8メートル(時速にすると42.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1700回転では4.0m/s、最高出力が発生する5000回転より500回転高い5500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は13.0m/sとなっています。

参考までにストロークが70.9mmのB4154T型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.73m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8460回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


B4154T型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ボルボ
MB4154
2015/08
V40
CrossCountry T3
[DBA-MB4154T]
152PS
25.5kgm
16.0km/L
9.803kg/PS
ターボ
FF/6AT
ハッチバック
5人乗り

V40
[CrossCountry T3]
2015/08モデル
車両型式DBA-MB4154T
最高出力152PS
最大トルク25.5kgm
JC08モード燃費16.0km/L
パワーウェイト9.803kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
ボルボ
FB4154
2016/02
S60
T3-SE
[DBA-FB4154T]
152PS
25.5kgm
16.5km/L
10.390kg/PS
ターボ
FF/6AT
セダン
5人乗り

S60
[T3-SE]
2016/02モデル
車両型式DBA-FB4154T
最高出力152PS
最大トルク25.5kgm
JC08モード燃費16.5km/L
パワーウェイト10.390kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
ボルボ
FB4154
2016/02
V60
T3-SE
[DBA-FB4154T]
152PS
25.5kgm
16.5km/L
10.790kg/PS
ターボ
FF/6AT
ワゴン
5人乗り

V60
[T3-SE]
2016/02モデル
車両型式DBA-FB4154T
最高出力152PS
最大トルク25.5kgm
JC08モード燃費16.5km/L
パワーウェイト10.790kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り

ボルボ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】