トヨタ:T2型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2392cc]

ここではトヨタのTJG00型・キャバリエ [2.4Z|1999/11モデル] に搭載されているT2型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

T2型の自然吸気エンジン諸元


TJG00型 キャバリエ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-TJG00型
車名&グレードキャバリエ
2.4Z
エンジン型式T2
種類直列4気筒
排気量2392cc
内径×行程90.0mm×94.0mm
ボアストローク比1.04
単気筒容積598.0cc
圧縮比9.7
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力150PS/5600rpm
最大トルク21.4kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、T2型エンジンはボア(内径)90.0mm、ストローク(行程)94.0mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてT2型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1996/01から発売された初代キャバリエ [TJG00型|1999/11]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
T2のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷131.4PS → 150PS
トルクの変遷21.4kgm → 19.2kgm
リッター馬力62.7PS/L
リッタートルク8.9kgm/L

今回の参考車両であるキャバリエの直列4気筒2392cc、圧縮比9.7でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力150馬力を、5600回転のとき最大トルク21.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は131.4PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは19.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は62.7PS/L、トルクは8.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積598.0cc)あたりの馬力は37.5PS、トルクは5.3kgmです。

T2型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 4 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
90.094.02392cc9.71.04
ボアアップによる排気量拡大
90.594.02419cc9.81.04
91.02445cc9.91.03
91.52472cc10.01.03
92.02499cc10.11.02
92.52527cc10.21.02
93.02554cc10.31.01
ストロークアップによる排気量拡大
90.095.02417cc9.81.06
96.02443cc9.91.07
97.02468cc10.01.08
98.02494cc10.11.09
99.02519cc10.21.10

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の90.0mmから0.5mm刻みで93.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の94.0mmから1mm刻みで99.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。T2型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.01に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

T2型エンジンのピストン径90.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが19件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
3UZ型
91.0mm
[+1.0mm]
2445cc
[+53cc]
三菱
6G72型
91.1mm
[+1.1mm]
2451cc
[+59cc]
日産
VG33型
91.5mm
[+1.5mm]
2472cc
[+80cc]
スバル
EJ20型
92.0mm
[+2.0mm]
2499cc
[+107cc]
トヨタ
2L型
92.0mm
[+2.0mm]
2499cc
[+107cc]
スズキ
J24B型
92.0mm
[+2.0mm]
2499cc
[+107cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:UZZ40型ソアラに搭載される3UZ型4292ccの91.0mm、三菱:Z16A型GTOに搭載される6G72型2972ccの91.1mm、日産:ALWE50型キャラバンエルグランドに搭載されるVG33型3274ccの91.5mm、スバル:BCM型アスカに搭載されるEJ20型1994ccの92.0mm、トヨタ:LH100G型ハイエースワゴンに搭載される2L型2446ccの92.0mm、スズキ:RF91S型キザシに搭載されるJ24B型2393ccの92.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
5600rpm
94.0mm13.8m/s17.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.3m/s23km/h
4000rpm12.5m/s45km/h
6000rpm18.8m/s68km/h
8000rpm25.1m/s90km/h
10000rpm31.3m/s113km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが94.0mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは17.5m/sとなり、これは1秒間に17.5メートル(時速にすると63.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では13.8m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.1m/sとなっています。

参考までにストロークが94.0mmのT2型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.25m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6380回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


T2型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
TJG00
1999/11
キャバリエ
2.4G
[E-TJG00]
150PS
21.4kgm
9.8km/L
8.670kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

キャバリエ
[2.4G]
1999/11モデル
車両型式E-TJG00
最高出力150PS
最大トルク21.4kgm
10-15モード燃費9.8km/L
パワーウェイト8.670kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】