トヨタ:K3-VE2型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1297cc]

ここではトヨタのM111A型・デュエット [1.3S|2004/04モデル] に搭載されているK3-VE2型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

K3-VE2型の自然吸気エンジン諸元


M111A型 デュエット
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式LA-M111A型
車名&グレードデュエット
1.3S
エンジン型式K3-VE2
種類直列4気筒
排気量1297cc
内径×行程72.0mm×79.7mm
ボアストローク比1.11
単気筒容積324.5cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力110PS/7000rpm
最大トルク12.8kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、K3型エンジンはボア(内径)72.0mm、ストローク(行程)79.7mm、ボアストローク比1.11のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてK3-VE2型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1998/09から発売された初代デュエット [M111A型|2004/04]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
K3のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷78.6PS → 110PS
トルクの変遷12.8kgm → 11.3kgm
リッター馬力84.8PS/L
リッタートルク9.9kgm/L

今回の参考車両であるデュエットの直列4気筒1297cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7000回転のとき最高出力110馬力を、7000回転のとき最大トルク12.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は78.6PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは11.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は84.8PS/L、トルクは9.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積324.5cc)あたりの馬力は27.5PS、トルクは3.2kgmです。

K3型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 7 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
72.0mm79.7mm1297cc11.01.11
ボアアップによる排気量拡大
72.5mm79.7mm1316cc11.11.10
73.0mm1334cc11.31.09
73.5mm1353cc11.41.08
74.0mm1371cc11.61.08
74.5mm1390cc11.71.07
75.0mm1408cc11.81.06
ストロークアップによる排気量拡大
72.0mm80.7mm1314cc11.11.12
81.7mm1331cc11.21.13
82.7mm1347cc11.41.15
83.7mm1363cc11.51.16
84.7mm1379cc11.61.18

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の72.0mmから0.5mm刻みで75.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の79.7mmから1mm刻みで84.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。K3型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.11から1.06に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

K3型エンジンのピストン径72.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが57件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6A10型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
スズキ
K12C型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
三菱
K12C型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
三菱
K12B型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
スズキ
K12B型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
トヨタ
2E型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
7000rpm
79.7mm11.7m/s18.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.3m/s19km/h
4000rpm10.6m/s38km/h
6000rpm15.9m/s57km/h
8000rpm21.3m/s77km/h
10000rpm26.6m/s96km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが79.7mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは18.6m/sとなり、これは1秒間に18.6メートル(時速にすると67.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では11.7m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.9m/sとなっています。

参考までにストロークが79.7mmのK3型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.33m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7530回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


K3-VE2型エンジンを搭載する車種の例

全4車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりK3型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
M111A
2004/04
デュエット
1.3S
[LA-M111A]
110PS
12.8kgm
18.2km/L
8.18kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
ハッチバック
5人乗り

デュエット
[1.3S]
2004/04モデル
車両型式LA-M111A
最高出力110PS
最大トルク12.8kgm
10-15モード燃費18.2km/L
パワーウェイト8.18kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
M101A
2004/04
デュエット
1.3S
[LA-M101A]
110PS
12.8kgm
20.0km/L
7.73kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

デュエット
[1.3S]
2004/04モデル
車両型式LA-M101A
最高出力110PS
最大トルク12.8kgm
10-15モード燃費20.0km/L
パワーウェイト7.73kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
M101A
2004/04
デュエット
1.3S
[LA-M101A]
110PS
12.8kgm
18.0km/L
7.91kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

デュエット
[1.3S]
2004/04モデル
車両型式LA-M101A
最高出力110PS
最大トルク12.8kgm
10-15モード燃費18.0km/L
パワーウェイト7.91kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
K3型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全51車種

その他のK3型エンジン型式と代表的な車種

K3-VE型
全21車種
ダイハツ:アトレー7 [L High-Roof]
最高出力92PS/最大トルク12.7kgm|2004/04モデル
K3-VE型
全21車種
ダイハツ:アトレー7
[L High-Roof]
92PS/12.7kgm|2004/04
K3-VE型
全16車種
トヨタ:スパーキー [G]
最高出力92PS/最大トルク12.7kgm|2002/06モデル
K3-VE型
全16車種
トヨタ:スパーキー
[G]
92PS/12.7kgm|2002/06
K3-VE2型
全4車種
ダイハツ:ストーリア [Touring]
最高出力110PS/最大トルク12.8kgm|2004/04モデル
K3-VE2型
全4車種
ダイハツ:ストーリア
[Touring]
110PS/12.8kgm|2004/04
K3-VET型
全3車種
ダイハツ:YRV [Turbo-X]
最高出力140PS/最大トルク18.0kgm|2004/04モデル
K3-VET型
全3車種
ダイハツ:YRV
[Turbo-X]
140PS/18.0kgm|2004/04
K3-VE型
全2車種
スバル:デックス [1.3i-S]
最高出力92PS/最大トルク12.5kgm|2010/07モデル
K3-VE型
全2車種
スバル:デックス
[1.3i-S]
92PS/12.5kgm|2010/07
K3-VET型
全1車種
トヨタ:キャミ [Q Turbo Aero-Version]
最高出力140PS/最大トルク18.0kgm|2004/04モデル
K3-VET型
全1車種
トヨタ:キャミ
[Q Turbo Aero-Version]
140PS/18.0kgm|2004/04