トヨタ:K3-VE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1297cc]

ここではトヨタのS231E型・スパーキー [G|2002/06モデル] に搭載されているK3-VE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

K3-VE型の自然吸気エンジン諸元


S231E型 スパーキー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式LA-S231E型
車名&グレードスパーキー
G
エンジン型式K3-VE
種類直列4気筒
排気量1297cc
内径×行程72.0mm×79.7mm
ボアストローク比1.11
単気筒容積324.5cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力92PS/6000rpm
最大トルク12.7kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、K3型エンジンはボア(内径)72.0mm、ストローク(行程)79.7mm、ボアストローク比1.11のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、K3-VE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2000/09から発売された初代スパーキー [S231E型|2002/06]、最も新しい車種は2005/12から発売された2代目bB [QNC25型|2010/07]となっており、NA車は16車種、ターボ/SC車は0車種の全16車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
K3のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷78.0PS → 92PS
トルクの変遷12.7kgm → 11.0kgm
リッター馬力70.9PS/L
リッタートルク9.8kgm/L

今回の参考車両であるスパーキーの直列4気筒1297cc、圧縮比10.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力92馬力を、6000回転のとき最大トルク12.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は78.0PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは11.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.9PS/L、トルクは9.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積324.5cc)あたりの馬力は23.0PS、トルクは3.2kgmです。

K3型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、K3-VE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはS231E型スパーキーの92PS/12.7kgm、最も小さかったのはJ102E型キャミの90PS/12.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
72.079.71297cc10.01.11
ボアアップによる排気量拡大
72.579.71316cc10.11.10
73.01334cc10.31.09
73.51353cc10.41.08
74.01371cc10.51.08
74.51390cc10.61.07
75.01408cc10.81.06
ストロークアップによる排気量拡大
72.080.71314cc10.11.12
81.71331cc10.21.13
82.71347cc10.31.15
83.71363cc10.41.16
84.71379cc10.61.18

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の72.0mmから0.5mm刻みで75.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の79.7mmから1mm刻みで84.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。K3型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.11から1.06に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

K3型エンジンのピストン径72.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが42件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
L15B型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
ホンダ
L15A型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
三菱
K12C型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
ホンダ
LEB型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
三菱
K12B型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]
ホンダ
LEA型
73.0mm
[+1.0mm]
1334cc
[+37cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:GK5型フィットに搭載されるL15B型1496ccの73.0mm、ホンダ:GE8型フィットに搭載されるL15A型1496ccの73.0mm、三菱:MB36S型デリカD:2に搭載されるK12C型1242ccの73.0mm、ホンダ:RU3型ヴェゼルに搭載されるLEB型1496ccの73.0mm、三菱:ZC72S型デリカD:2に搭載されるK12B型1242ccの73.0mm、ホンダ:ZF2型CR-Zに搭載されるLEA型1496ccの73.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
6000rpm
79.7mm11.7m/s15.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.3m/s19km/h
4000rpm10.6m/s38km/h
6000rpm15.9m/s57km/h
8000rpm21.3m/s77km/h
10000rpm26.6m/s96km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが79.7mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.9m/sとなり、これは1秒間に15.9メートル(時速にすると57.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では11.7m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.3m/sとなっています。

参考までにストロークが79.7mmのK3型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.33m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7530回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


K3-VE型エンジンを搭載する車種の例

全16車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりK3型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
S231E
2002/06
スパーキー
G
[LA-S231E]
92PS
12.7kgm
14.6km/L
12.61kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
1BOX
7人乗り

スパーキー
[G]
2002/06モデル
車両型式LA-S231E
最高出力92PS
最大トルク12.7kgm
10-15モード燃費14.6km/L
パワーウェイト12.61kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員1BOX/7人乗り
トヨタ
QNC10
2006/12
パッソ
Racy
[DBA-QNC10]
92PS
12.5kgm
18.0km/L
10.22kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

パッソ
[Racy]
2006/12モデル
車両型式DBA-QNC10
最高出力92PS
最大トルク12.5kgm
10-15モード燃費18.0km/L
パワーウェイト10.22kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
QNC25
2010/07
bB
Z Aero-Package
[CBA-QNC25]
92PS
12.5kgm
15.2km/L
12.17kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ミニバン
5人乗り

bB
[Z Aero-Package]
2010/07モデル
車両型式CBA-QNC25
最高出力92PS
最大トルク12.5kgm
10-15モード燃費15.2km/L
パワーウェイト12.17kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/5人乗り
K3型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全51車種

その他のK3型エンジン型式と代表的な車種

K3-VE型
全21車種
ダイハツ:アトレー7 [L High-Roof]
最高出力92PS/最大トルク12.7kgm
2004/04モデル
ダイハツ
K3-VE型
全21車種
アトレー7
[L High-Roof]
92PS/12.7kgm
K3-VE2型
全4車種
ダイハツ:ストーリア [Touring]
最高出力110PS/最大トルク12.8kgm
2004/04モデル
ダイハツ
K3-VE2型
全4車種
ストーリア
[Touring]
110PS/12.8kgm
K3-VE2型
全4車種
トヨタ:デュエット [1.3S]
最高出力110PS/最大トルク12.8kgm
2004/04モデル
トヨタ
K3-VE2型
全4車種
デュエット
[1.3S]
110PS/12.8kgm
K3-VET型
全3車種
ダイハツ:YRV [Turbo-X]
最高出力140PS/最大トルク18.0kgm
2004/04モデル
ダイハツ
K3-VET型
全3車種
YRV
[Turbo-X]
140PS/18.0kgm
K3-VE型
全2車種
スバル:デックス [1.3i-S]
最高出力92PS/最大トルク12.5kgm
2010/07モデル
スバル
K3-VE型
全2車種
デックス
[1.3i-S]
92PS/12.5kgm
K3-VET型
全1車種
トヨタ:キャミ [Q Turbo Aero-Version]
最高出力140PS/最大トルク18.0kgm
2004/04モデル
トヨタ
K3-VET型
全1車種
キャミ
[Q Turbo Aero-Version]
140PS/18.0kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】