トヨタ:G16E-GTS型エンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 1618cc]

ここではトヨタのGXPA16型・GRMN ヤリス [BaseGrade|2022/04モデル] に搭載されているG16E-GTS型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

G16E-GTS型のターボエンジン諸元


GXPA16型 GRMN ヤリス
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式4BA-GXPA16型
車名&グレードGRMN ヤリス
BaseGrade
エンジン型式G16E-GTS
種類直列3気筒
排気量1618cc
内径×行程87.5mm×89.7mm
ボアストローク比1.02
単気筒容積539.4cc
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力272PS/6500rpm
最大トルク39.8kgm/3200-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、G16E型エンジンはボア(内径)87.5mm、ストローク(行程)89.7mm、ボアストローク比1.02のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、G16E-GTS型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2020/09から発売された4代目GRヤリス [GXPA16型|2020/09]、最も新しい車種は2020/02から発売された4代目GRMN ヤリス [GXPA16型|2022/04]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は4車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
G16Eのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷177.8PS → 272PS
トルクの変遷39.8kgm → 30.0kgm
リッター馬力168.10PS/L
リッタートルク24.6kgm/L

今回の参考車両であるGRMN ヤリスの直列3気筒1618ccでハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、6500回転のとき最高出力272馬力を、6500回転のとき最大トルク39.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3200回転での馬力は177.8PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは30.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は168.10PS/L、トルクは24.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積539.4cc)あたりの馬力は90.7PS、トルクは13.3kgmです。

G16E型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
87.589.71618cc-1.02
ボアアップによる排気量拡大
88.089.71637cc-1.02
88.51655cc-1.01
89.01674cc-1.01
89.51693cc-1.00
90.01712cc-1.00
90.51731cc-0.99
ストロークアップによる排気量拡大
87.590.71636cc-1.04
91.71654cc-1.05
92.71672cc-1.06
93.71690cc-1.07
94.71708cc-1.08

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の87.5mmから0.5mm刻みで90.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の89.7mmから1mm刻みで94.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。G16E型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.02から0.99に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

G16E型エンジンのピストン径87.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが2件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
PY型
89.0mm
[+1.5mm]
1674cc
[+56cc]
日産
YD25型
89.0mm
[+1.5mm]
1674cc
[+56cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:KF5P型CX-5に搭載されるPY型2488ccの89.0mm、日産:VNC24型セレナに搭載されるYD25型2488ccの89.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3200rpm
最高出力
6500rpm
89.7mm9.6m/s19.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s22km/h
4000rpm12.0m/s43km/h
6000rpm17.9m/s64km/h
8000rpm23.9m/s86km/h
10000rpm29.9m/s108km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.7mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは19.4m/sとなり、これは1秒間に19.4メートル(時速にすると69.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3200回転では9.6m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.9m/sとなっています。

参考までにストロークが89.7mmのG16E型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.97m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6690回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


G16E-GTS型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
GXPA16
2020/09
GRヤリス
RC
[4BA-GXPA16]
272PS
37.7kgm
13.6km/L
4.596kg/PS
ターボ
4WD/6MT
ハッチバック
4人乗り
車両型式:4BA-GXPA16

GRヤリス
[RC]
2020/09モデル
最高出力272PS
最大トルク37.7kgm
WLTCモード燃費13.6km/L
吸気方式ターボ
車体構成4人乗りハッチバック
4WD/6MT
トヨタ
GXPA16
2022/04
GRMN ヤリス
BaseGrade
[4BA-GXPA16]
272PS
39.8kgm
-
4.596kg/PS
ターボ
4WD/6MT
ハッチバック
2人乗り
車両型式:4BA-GXPA16

GRMN ヤリス
[BaseGrade]
2022/04モデル
最高出力272PS
最大トルク39.8kgm
WLTCモード燃費13.6km/L
吸気方式ターボ
車体構成2人乗りハッチバック
4WD/6MT

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】