トヨタ:8NR-FTS型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1196cc]

ここではトヨタのNRE185型・オーリス [120T|2015/04モデル] に搭載されている8NR-FTS型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

8NR-FTS型のターボエンジン諸元


NRE185型 オーリス
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-NRE185H型
車名&グレードオーリス
120T
エンジン型式8NR-FTS
種類直列4気筒
排気量1196cc
内径×行程71.5mm×74.5mm
ボアストローク比1.04
単気筒容積299.1cc
圧縮比10.0
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力116PS/5200-5600rpm
最大トルク18.9kgm/1500-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、8NR型エンジンはボア(内径)71.5mm、ストローク(行程)74.5mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、8NR-FTS型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2012/08から発売された2代目オーリス [NRE185H型|2015/04]、最も新しい車種は2019/09から発売された12代目カローラ ツーリング [NRE210W型|2019/09]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は9車種の全9車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
8NRのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷39.6PS → 116PS
トルクの変遷18.9kgm → 14.8kgm
リッター馬力97.0PS/L
リッタートルク15.8kgm/L

今回の参考車両であるオーリスの直列4気筒1196cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5200-5600回転のとき最高出力116馬力を、5200-5600回転のとき最大トルク18.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1500回転での馬力は39.6PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは14.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は97.0PS/L、トルクは15.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積299.1cc)あたりの馬力は29.0PS、トルクは4.7kgmです。

8NR型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
71.574.51196cc10.01.04
ボアアップによる排気量拡大
72.074.51213cc10.11.03
72.51230cc10.31.03
73.01247cc10.41.02
73.51264cc10.51.01
74.01282cc10.61.01
74.51299cc10.81.00
ストロークアップによる排気量拡大
71.575.51213cc10.11.06
76.51229cc10.21.07
77.51245cc10.41.08
78.51261cc10.51.10
79.51277cc10.61.11

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の71.5mmから0.5mm刻みで74.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の74.5mmから1mm刻みで79.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。8NR型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.00に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

8NR型エンジンのピストン径71.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが10件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1NR型
72.5mm
[+1.0mm]
1230cc
[+34cc]
ホンダ
L15B型
73.0mm
[+1.5mm]
1247cc
[+51cc]
ホンダ
LEA型
73.0mm
[+1.5mm]
1247cc
[+51cc]
スズキ
K10C型
73.0mm
[+1.5mm]
1247cc
[+51cc]
トヨタ
3E型
73.0mm
[+1.5mm]
1247cc
[+51cc]
スズキ
K14C型
73.0mm
[+1.5mm]
1247cc
[+51cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:NSP140型スペイドに搭載される1NR型1329ccの72.5mm、ホンダ:RW1型CR-Vに搭載されるL15B型1496ccの73.0mm、ホンダ:ZF2型CR-Zに搭載されるLEA型1496ccの73.0mm、スズキ:WB42S型バレーノに搭載されるK10C型996ccの73.0mm、トヨタ:EL31型カローラIIに搭載される3E型1456ccの73.0mm、スズキ:ZC33S型スイフト スポーツに搭載されるK14C型1371ccの73.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1200ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1200ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1200ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1200ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1200ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1200ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1500rpm
最高出力
5600rpm
74.5mm3.7m/s13.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.0m/s18km/h
4000rpm9.9m/s36km/h
6000rpm14.9m/s54km/h
8000rpm19.9m/s72km/h
10000rpm24.8m/s89km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが74.5mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは13.9m/sとなり、これは1秒間に13.9メートル(時速にすると50.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1500回転では3.7m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.1m/sとなっています。

参考までにストロークが74.5mmの8NR型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8050回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


8NR-FTS型エンジンを搭載する車種の例

全9車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
NRE185
2015/04
オーリス
120T
[DBA-NRE185H]
116PS
18.9kgm
19.4km/L
11.21kg/PS
ターボ
FF/CVT
ハッチバック
5人乗り

オーリス
[120T]
2015/04モデル
車両型式DBA-NRE185H
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
JC08モード燃費19.4km/L
パワーウェイト11.21kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
NRE210
2018/08
カローラ スポーツ
G-X
[3BA-NRE210H]
116PS
18.9kgm
15.8km/L
11.21kg/PS
ターボ
FF/6MT
ハッチバック
5人乗り

カローラ スポーツ
[G-X]
2018/08モデル
車両型式3BA-NRE210H
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
WLTCモード燃費15.8km/L
JC08モード燃費16.4km/L
パワーウェイト11.21kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
NGX50
2016/12
C-HR
S-T
[DBA-NGX50]
116PS
18.9kgm
15.4km/L
12.67kg/PS
ターボ
4WD/CVT
SUV
5人乗り

C-HR
[S-T]
2016/12モデル
車両型式DBA-NGX50
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
WLTCモード燃費15.8km/L
JC08モード燃費15.4km/L
パワーウェイト12.67kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
トヨタ
NRE210
2018/06
カローラ スポーツ
G-X
[3BA-NRE210H]
116PS
18.9kgm
16.4km/L
11.29kg/PS
ターボ
FF/CVT
ハッチバック
5人乗り

カローラ スポーツ
[G-X]
2018/06モデル
車両型式3BA-NRE210H
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
WLTCモード燃費16.4km/L
JC08モード燃費19.6km/L
パワーウェイト11.29kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
NGX10
2018/05
C-HR
S-T
[DBA-NGX10]
116PS
18.9kgm
16.4km/L
12.07kg/PS
ターボ
FF/CVT
SUV
5人乗り

C-HR
[S-T]
2018/05モデル
車両型式DBA-NGX10
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
WLTCモード燃費16.4km/L
JC08モード燃費16.4km/L
パワーウェイト12.07kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
トヨタ
NRE214
2018/06
カローラ スポーツ
G
[3BA-NRE214H]
116PS
18.9kgm
15.2km/L
11.81kg/PS
ターボ
4WD/CVT
ハッチバック
5人乗り

カローラ スポーツ
[G]
2018/06モデル
車両型式3BA-NRE214H
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
WLTCモード燃費15.2km/L
JC08モード燃費17.2km/L
パワーウェイト11.81kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
NRE210
2019/09
カローラ ツーリング
WxB
[3BA-NRE210W]
116PS
18.9kgm
15.8km/L
11.38kg/PS
ターボ
FF/6MT
ワゴン
5人乗り

カローラ ツーリング
[WxB]
2019/09モデル
車両型式3BA-NRE210W
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
WLTCモード燃費15.8km/L
JC08モード燃費17.2km/L
パワーウェイト11.38kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
トヨタ
NRE210
2019/09
カローラ セダン
WxB
[3BA-NRE210]
116PS
18.9kgm
15.8km/L
11.21kg/PS
ターボ
FF/6MT
セダン
5人乗り

カローラ セダン
[WxB]
2019/09モデル
車両型式3BA-NRE210
最高出力116PS
最大トルク18.9kgm
WLTCモード燃費15.8km/L
JC08モード燃費17.2km/L
パワーウェイト11.21kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

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