トヨタ:5E-FE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1496cc]

ここではトヨタのEL44型・サイノス [a|1994/09モデル] に搭載されている5E-FE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

5E-FE型の自然吸気エンジン諸元


EL44型 サイノス
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-EL44型
車名&グレードサイノス
a
エンジン型式5E-FE
種類直列4気筒
排気量1496cc
内径×行程74.0mm×87.0mm
ボアストローク比1.18
単気筒容積374.2cc
圧縮比9.4
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力100PS/6200rpm
最大トルク12.8kgm/3000rpm

まず基本的な成り立ちとして、5E型エンジンはボア(内径)74.0mm、ストローク(行程)87.0mm、ボアストローク比1.18のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、5E-FE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1990/09から発売された3代目カローラII [EL45型|1993/08]、最も新しい車種は1997/05から発売された初代ラウム [EXZ10型|2002/04]となっており、NA車は24車種、ターボ/SC車は0車種の全24車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
5Eのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷53.6PS → 100PS
トルクの変遷12.8kgm → 11.6kgm
リッター馬力66.8PS/L
リッタートルク8.6kgm/L

今回の参考車両であるサイノスの直列4気筒1496cc、圧縮比9.4でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6200回転のとき最高出力100馬力を、6200回転のとき最大トルク12.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3000回転での馬力は53.6PS、最高出力が発生する6200回転でのトルクは11.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は66.8PS/L、トルクは8.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.2cc)あたりの馬力は25.0PS、トルクは3.2kgmです。

5E型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 3 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、5E-FE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはEL44型サイノスの100PS/12.8kgm、最も小さかったのはEE104G型カローラワゴンの89PS/13.0kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.087.01496cc9.41.18
ボアアップによる排気量拡大
74.587.01517cc9.51.17
75.01537cc9.61.16
75.51558cc9.71.15
76.01579cc9.91.14
76.51599cc10.01.14
77.01620cc10.11.13
ストロークアップによる排気量拡大
74.088.01514cc9.51.19
89.01531cc9.61.20
90.01548cc9.71.22
91.01565cc9.81.23
92.01583cc9.91.24

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.0mmから0.5mm刻みで77.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の87.0mmから1mm刻みで92.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。5E型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.18から1.13に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

5E型エンジンのピストン径74.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが28件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6G71型
74.7mm
[+0.7mm]
1525cc
[+29cc]
トヨタ
1NZ型
75.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
トヨタ
1G型
75.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
ホンダ
D15B型
75.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
ホンダ
D16A型
75.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
スズキ
G16A型
75.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:F11A型ディアマンテに搭載される6G71型1998ccの74.7mm、トヨタ:NZE127型プリウスに搭載される1NZ型1496ccの75.0mm、トヨタ:GXE10型マークIIに搭載される1G型1988ccの75.0mm、ホンダ:EK3型シビックに搭載されるD15B型1493ccの75.0mm、ホンダ:EJ4型CR-Xデルソルに搭載されるD16A型1590ccの75.0mm、スズキ:GD31W型カルタス クレセントワゴンに搭載されるG16A型1590ccの75.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3000rpm
最高出力
6200rpm
87.0mm8.7m/s18.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.8m/s21km/h
4000rpm11.6m/s42km/h
6000rpm17.4m/s63km/h
8000rpm23.2m/s84km/h
10000rpm29.0m/s104km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが87.0mmのエンジンが最高出力を発生する6200回転での平均ピストンスピードは18.0m/sとなり、これは1秒間に18.0メートル(時速にすると64.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3000回転では8.7m/s、最高出力が発生する6200回転より500回転高い6700回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.4m/sとなっています。

参考までにストロークが87.0mmの5E型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.80m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6900回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


5E-FE型エンジンを搭載する車種の例

全24車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより5E型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
EL44
1994/09
サイノス
a
[E-EL44]
100PS
12.8kgm
17.2km/L
8.70kg/PS
自然吸気
FF/5MT
クーペ
4人乗り

サイノス
[a]
1994/09モデル
車両型式E-EL44
最高出力100PS
最大トルク12.8kgm
10-15モード燃費17.2km/L
パワーウェイト8.70kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
トヨタ
EL45
1993/08
カローラII
SR
[E-EL45]
100PS
12.8kgm
12.8km/L
10.20kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ハッチバック
5人乗り

カローラII
[SR]
1993/08モデル
車両型式E-EL45
最高出力100PS
最大トルク12.8kgm
10-15モード燃費12.8km/L
パワーウェイト10.20kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
EL45
1993/08
カローラII
SR
[E-EL45]
100PS
12.8kgm
14.6km/L
9.80kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
ハッチバック
5人乗り

カローラII
[SR]
1993/08モデル
車両型式E-EL45
最高出力100PS
最大トルク12.8kgm
10-15モード燃費14.6km/L
パワーウェイト9.80kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
5E型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全33車種

その他の5E型エンジン型式と代表的な車種

5E-FHE型
全9車種
トヨタ:サイノス [B]
最高出力115PS/最大トルク13.8kgm
1994/09モデル
トヨタ
5E-FHE型
全9車種
サイノス
[B]
115PS/13.8kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】