トヨタ:4E-FE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1331cc]

ここではトヨタのEL41型・カローラII [Windy|1993/08モデル] に搭載されている4E-FE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4E-FE型の自然吸気エンジン諸元


EL41型 カローラII
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-EL41型
車名&グレードカローラII
Windy
エンジン型式4E-FE
種類直列4気筒
排気量1331cc
内径×行程74.0mm×77.4mm
ボアストローク比1.05
単気筒容積332.9cc
圧縮比9.6
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力97PS/6400rpm
最大トルク11.5kgm/5200rpm

まず基本的な成り立ちとして、4E型エンジンはボア(内径)74.0mm、ストローク(行程)77.4mm、ボアストローク比1.05のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4E-FE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1990/09から発売された3代目カローラII [EL41型|1993/08]、最も新しい車種は1996/01から発売された5代目スターレット [EP91型|1998/10]となっており、NA車は30車種、ターボ/SC車は0車種の全30車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4Eのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷83.5PS → 97PS
トルクの変遷11.5kgm → 10.9kgm
リッター馬力72.9PS/L
リッタートルク8.6kgm/L

今回の参考車両であるカローラIIの直列4気筒1331cc、圧縮比9.6でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6400回転のとき最高出力97馬力を、6400回転のとき最大トルク11.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5200回転での馬力は83.5PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは10.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は72.9PS/L、トルクは8.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積332.9cc)あたりの馬力は24.2PS、トルクは2.9kgmです。

4E型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 3 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、4E-FE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはEL41型カローラIIの97PS/11.5kgm、最も小さかったのはEP95型スターレットの82PS/11.8kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.077.41331cc9.61.05
ボアアップによる排気量拡大
74.577.41350cc9.71.04
75.01368cc9.81.03
75.51386cc10.01.03
76.01404cc10.11.02
76.51423cc10.21.01
77.01442cc10.31.01
ストロークアップによる排気量拡大
74.078.41349cc9.71.06
79.41366cc9.81.07
80.41383cc9.91.09
81.41400cc10.01.10
82.41418cc10.11.11

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.0mmから0.5mm刻みで77.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.4mmから1mm刻みで82.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。4E型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.05から1.01に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4E型エンジンのピストン径74.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが28件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6G71型
74.7mm
[+0.7mm]
1357cc
[+26cc]
トヨタ
1NZ型
75.0mm
[+1.0mm]
1368cc
[+37cc]
トヨタ
1G型
75.0mm
[+1.0mm]
1368cc
[+37cc]
ホンダ
D15B型
75.0mm
[+1.0mm]
1368cc
[+37cc]
ホンダ
D16A型
75.0mm
[+1.0mm]
1368cc
[+37cc]
スズキ
G16A型
75.0mm
[+1.0mm]
1368cc
[+37cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:F11A型ディアマンテに搭載される6G71型1998ccの74.7mm、トヨタ:NZE127型プリウスに搭載される1NZ型1496ccの75.0mm、トヨタ:GXE10型マークIIに搭載される1G型1988ccの75.0mm、ホンダ:EK3型シビックに搭載されるD15B型1493ccの75.0mm、ホンダ:EJ4型CR-Xデルソルに搭載されるD16A型1590ccの75.0mm、スズキ:GD31W型カルタス クレセントワゴンに搭載されるG16A型1590ccの75.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5200rpm
最高出力
6400rpm
77.4mm13.4m/s16.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.5m/s56km/h
8000rpm20.6m/s74km/h
10000rpm25.8m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.4mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは16.5m/sとなり、これは1秒間に16.5メートル(時速にすると59.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5200回転では13.4m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.8m/sとなっています。

参考までにストロークが77.4mmの4E型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7750回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4E-FE型エンジンを搭載する車種の例

全30車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより4E型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
EL41
1993/08
カローラII
Windy
[E-EL41]
97PS
11.5kgm
17.4km/L
8.56kg/PS
自然吸気
FF/4MT
ハッチバック
5人乗り

カローラII
[Windy]
1993/08モデル
車両型式E-EL41
最高出力97PS
最大トルク11.5kgm
10-15モード燃費17.4km/L
パワーウェイト8.56kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
EL41
1993/08
カローラII
Windy
[E-EL41]
97PS
11.5kgm
14.6km/L
8.76kg/PS
自然吸気
FF/3AT
ハッチバック
5人乗り

カローラII
[Windy]
1993/08モデル
車両型式E-EL41
最高出力97PS
最大トルク11.5kgm
10-15モード燃費14.6km/L
パワーウェイト8.76kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/3AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
EP91
1997/12
スターレット
Reflet
[E-EP91]
85PS
12.0kgm
19.8km/L
9.88kg/PS
自然吸気
FF/4MT
ハッチバック
5人乗り

スターレット
[Reflet]
1997/12モデル
車両型式E-EP91
最高出力85PS
最大トルク12.0kgm
10-15モード燃費19.8km/L
パワーウェイト9.88kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
4E型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全34車種

その他の4E型エンジン型式と代表的な車種

4E-FTE型
全4車種
トヨタ:スターレット [GT]
最高出力135PS/最大トルク16.0kgm
1994/05モデル
トヨタ
4E-FTE型
全4車種
スターレット
[GT]
135PS/16.0kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】