トヨタ:3SZ-VE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1495cc]

ここではトヨタのM502E型・パッソ セッテ [X|2008/12モデル] に搭載されている3SZ-VE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

3SZ-VE型の自然吸気エンジン諸元


M502E型 パッソ セッテ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式CBA-M502E型
車名&グレードパッソ セッテ
X
エンジン型式3SZ-VE
種類直列4気筒
排気量1495cc
内径×行程72.0mm×91.8mm
ボアストローク比1.27
単気筒容積373.8cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力109PS/6000rpm
最大トルク14.4kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、3SZ型エンジンはボア(内径)72.0mm、ストローク(行程)91.8mm、ボアストローク比1.27のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、3SZ-VE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2008/12から発売された初代パッソ セッテ [M502E型|2008/12]、最も新しい車種は2006/01から発売された初代ラッシュ [J210E型|2010/07]となっており、NA車は6車種、ターボ/SC車は0車種の全6車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
3SZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷88.5PS → 109PS
トルクの変遷14.4kgm → 13.0kgm
リッター馬力72.9PS/L
リッタートルク9.6kgm/L

今回の参考車両であるパッソ セッテの直列4気筒1495cc、圧縮比10.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力109馬力を、6000回転のとき最大トルク14.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は88.5PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは13.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は72.9PS/L、トルクは9.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積373.8cc)あたりの馬力は27.2PS、トルクは3.6kgmです。

3SZ型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
72.091.81495cc10.01.27
ボアアップによる排気量拡大
72.591.81516cc10.11.27
73.01537cc10.31.26
73.51558cc10.41.25
74.01579cc10.51.24
74.51601cc10.61.23
75.01622cc10.81.22
ストロークアップによる排気量拡大
72.092.81511cc10.11.29
93.81528cc10.21.30
94.81544cc10.31.32
95.81560cc10.41.33
96.81576cc10.51.34

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の72.0mmから0.5mm刻みで75.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の91.8mmから1mm刻みで96.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。3SZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.27から1.22に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

3SZ型エンジンのピストン径72.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが42件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
L15B型
73.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+42cc]
ホンダ
L15A型
73.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+42cc]
三菱
K12C型
73.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+42cc]
三菱
K12B型
73.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+42cc]
ホンダ
LEB型
73.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+42cc]
ホンダ
LEA型
73.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+42cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:FR5型ジェイドに搭載されるL15B型1496ccの73.0mm、ホンダ:GB3型フリードに搭載されるL15A型1496ccの73.0mm、三菱:MB36S型デリカD:2に搭載されるK12C型1242ccの73.0mm、三菱:ZC71S型デリカD:2に搭載されるK12B型1242ccの73.0mm、ホンダ:FR4型ジェイドに搭載されるLEB型1496ccの73.0mm、ホンダ:GP3型フリード ハイブリッドに搭載されるLEA型1496ccの73.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
6000rpm
91.8mm13.5m/s18.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.1m/s22km/h
4000rpm12.2m/s44km/h
6000rpm18.4m/s66km/h
8000rpm24.5m/s88km/h
10000rpm30.6m/s110km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが91.8mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは18.4m/sとなり、これは1秒間に18.4メートル(時速にすると66.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では13.5m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.9m/sとなっています。

参考までにストロークが91.8mmの3SZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.12m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6540回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


3SZ-VE型エンジンを搭載する車種の例

全6車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより3SZ型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
M502E
2008/12
パッソ セッテ
X
[CBA-M502E]
109PS
14.4kgm
15.6km/L
10.73kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ミニバン
7人乗り

パッソ セッテ
[X]
2008/12モデル
車両型式CBA-M502E
最高出力109PS
最大トルク14.4kgm
10-15モード燃費15.6km/L
パワーウェイト10.73kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り
トヨタ
M512E
2008/12
パッソ セッテ
S
[CBA-M512E]
109PS
14.4kgm
14.6km/L
11.38kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ミニバン
7人乗り

パッソ セッテ
[S]
2008/12モデル
車両型式CBA-M512E
最高出力109PS
最大トルク14.4kgm
10-15モード燃費14.6km/L
パワーウェイト11.38kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り
トヨタ
J210E
2010/07
ラッシュ
X
[ABA-J210E]
109PS
14.4kgm
15.4km/L
10.92kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
SUV
5人乗り

ラッシュ
[X]
2010/07モデル
車両型式ABA-J210E
最高出力109PS
最大トルク14.4kgm
10-15モード燃費15.4km/L
パワーウェイト10.92kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
3SZ型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全12車種

その他の3SZ型エンジン型式と代表的な車種

3SZ-VE型
全6車種
ダイハツ:ブーン ルミナス [CL]
最高出力109PS/最大トルク14.4kgm
2008/12モデル
ダイハツ
3SZ-VE型
全6車種
ブーン ルミナス
[CL]
109PS/14.4kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】