トヨタ:3L型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2779cc]

ここではトヨタのLH107G型・ハイエースワゴン [Super-Custom|1992/05モデル] に搭載されている3L型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

3L型の自然吸気エンジン諸元


LH107G型 ハイエースワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式Q-LH107G型
車名&グレードハイエースワゴン
Super-Custom
エンジン型式3L
種類直列4気筒
排気量2779cc
内径×行程96.0mm×96.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積694.8cc
圧縮比22.2
吸気方式自然吸気
使用燃料ディーゼル
最高出力91PS/4000rpm
最大トルク19.2kgm/2400rpm

まず基本的な成り立ちとして、3L型エンジンはボア(内径)96.0mm、ストローク(行程)96.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、3L型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1989/05から発売された2代目ハイラックスサーフ [LN131V型|1991/08]、最も新しい車種は1989/08から発売された4代目ハイエースワゴン [LH107G型|1992/05]となっており、NA車は3車種、ターボ/SC車は0車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
3Lのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷64.3PS → 91PS
トルクの変遷19.2kgm → 16.3kgm
リッター馬力32.7PS/L
リッタートルク6.9kgm/L

今回の参考車両であるハイエースワゴンの直列4気筒2779cc、圧縮比22.2でディーゼル仕様の自然吸気エンジンは、4000回転のとき最高出力91馬力を、4000回転のとき最大トルク19.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2400回転での馬力は64.3PS、最高出力が発生する4000回転でのトルクは16.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は32.7PS/L、トルクは6.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積694.8cc)あたりの馬力は22.8PS、トルクは4.8kgmです。

3L型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 1 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
96.096.02779cc22.21.00
ボアアップによる排気量拡大
96.596.02808cc22.40.99
97.02838cc22.60.99
97.52867cc22.90.98
98.02896cc23.10.98
98.52926cc23.30.97
99.02956cc23.50.97
ストロークアップによる排気量拡大
96.097.02808cc22.41.01
98.02837cc22.61.02
99.02866cc22.91.03
100.02895cc23.11.04
101.02924cc23.31.05

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の96.0mmから0.5mm刻みで99.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の96.0mmから1mm刻みで101.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。3L型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

3L型エンジンのピストン径96.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが2件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スバル
EJ22型
96.9mm
[+0.9mm]
2832cc
[+53cc]
スバル
EG33型
96.9mm
[+0.9mm]
2832cc
[+53cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、スバル:BG7型レガシィ ツーリングワゴンに搭載されるEJ22型2212ccの96.9mm、スバル:CXD型アルシオーネSVXに搭載されるEG33型3318ccの96.9mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2400rpm
最高出力
4000rpm
96.0mm7.7m/s12.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.4m/s23km/h
4000rpm12.8m/s46km/h
6000rpm19.2m/s69km/h
8000rpm25.6m/s92km/h
10000rpm32.0m/s115km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが96.0mmのエンジンが最高出力を発生する4000回転での平均ピストンスピードは12.8m/sとなり、これは1秒間に12.8メートル(時速にすると46.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2400回転では7.7m/s、最高出力が発生する4000回転より500回転高い4500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.4m/sとなっています。

参考までにストロークが96.0mmの3L型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6250回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


3L型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
LH107G
1992/05
ハイエースワゴン
Super-Custom
[Q-LH107G]
91PS
19.2kgm
-
20.989kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
1BOX
8人乗り

ハイエースワゴン
[Super-Custom]
1992/05モデル
車両型式Q-LH107G
最高出力91PS
最大トルク19.2kgm
パワーウェイト20.989kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員1BOX/8人乗り
トヨタ
LN131V
1991/08
ハイラックスサーフ
SR Normal-Body
[S-LN131V]
91PS
19.2kgm
-
19.230kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
SUV
5人乗り

ハイラックスサーフ
[SR Normal-Body]
1991/08モデル
車両型式S-LN131V
最高出力91PS
最大トルク19.2kgm
パワーウェイト19.230kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
トヨタ
LH107G
1992/05
ハイエースワゴン
Super-Custom
[Q-LH107G]
91PS
19.2kgm
-
21.100kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
1BOX
8人乗り

ハイエースワゴン
[Super-Custom]
1992/05モデル
車両型式Q-LH107G
最高出力91PS
最大トルク19.2kgm
パワーウェイト21.100kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員1BOX/8人乗り

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】