トヨタ:2Y-U型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1812cc]

ここではトヨタのYR20G型・タウンエース ワゴン [Super-Extra|1988/05モデル] に搭載されている2Y-U型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

2Y-U型の自然吸気エンジン諸元


YR20G型 タウンエース ワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-YR20G型
車名&グレードタウンエース ワゴン
Super-Extra
エンジン型式2Y-U
種類直列4気筒
排気量1812cc
内径×行程86.0mm×78.0mm
ボアストローク比0.91
単気筒容積453.1cc
圧縮比8.8
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力79PS/5000rpm
最大トルク14.3kgm/3200rpm

まず基本的な成り立ちとして、2Y型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)78.0mm、ボアストローク比0.91のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、2Y-U型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1982/11から発売された2代目タウンエース ワゴン [YR20G型|1988/05]、最も新しい車種は1985/09から発売された3代目ライトエース [YM30G型|1990/08]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
2Yのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷63.9PS → 79PS
トルクの変遷14.3kgm → 11.3kgm
リッター馬力43.60PS/L
リッタートルク7.9kgm/L

今回の参考車両であるタウンエース ワゴンの直列4気筒1812cc、圧縮比8.8でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5000回転のとき最高出力79馬力を、5000回転のとき最大トルク14.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3200回転での馬力は63.9PS、最高出力が発生する5000回転でのトルクは11.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は43.60PS/L、トルクは7.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積453.1cc)あたりの馬力は19.8PS、トルクは3.6kgmです。

2Y型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 1 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.078.01812cc8.80.91
ボアアップによる排気量拡大
86.578.01833cc8.90.90
87.01855cc9.00.90
87.51876cc9.10.89
88.01898cc9.20.89
88.51919cc9.30.88
89.01941cc9.30.88
ストロークアップによる排気量拡大
86.079.01836cc8.90.92
80.01859cc9.00.93
81.01882cc9.10.94
82.01905cc9.20.95
83.01928cc9.30.97

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで89.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の78.0mmから1mm刻みで83.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.91からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。2Y型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.91から0.88に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

2Y型エンジンのピストン径86.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが39件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
VG30型
87.0mm
[+1.0mm]
1855cc
[+43cc]
ホンダ
K24A型
87.0mm
[+1.0mm]
1855cc
[+43cc]
トヨタ
5S型
87.0mm
[+1.0mm]
1855cc
[+43cc]
ホンダ
H22A型
87.0mm
[+1.0mm]
1855cc
[+43cc]
ホンダ
K24W型
87.0mm
[+1.0mm]
1855cc
[+43cc]
ホンダ
H23A型
87.0mm
[+1.0mm]
1855cc
[+43cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:Z32型マキシマに搭載されるVG30型2960ccの87.0mm、ホンダ:CW2型アコード ツアラーに搭載されるK24A型2354ccの87.0mm、トヨタ:SXV25N型ハリアーに搭載される5S型2163ccの87.0mm、ホンダ:CL1型アコードに搭載されるH22A型2156ccの87.0mm、ホンダ:RC1型オデッセイに搭載されるK24W型2356ccの87.0mm、ホンダ:CH9型アコード ワゴンに搭載されるH23A型2258ccの87.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3200rpm
最高出力
5000rpm
78.0mm8.3m/s13.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.4m/s37km/h
6000rpm15.6m/s56km/h
8000rpm20.8m/s75km/h
10000rpm26.0m/s94km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが78.0mmのエンジンが最高出力を発生する5000回転での平均ピストンスピードは13.0m/sとなり、これは1秒間に13.0メートル(時速にすると46.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3200回転では8.3m/s、最高出力が発生する5000回転より500回転高い5500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.3m/sとなっています。

参考までにストロークが78.0mmの2Y型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.20m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7690回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


2Y-U型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
YR20G
1988/05
タウンエース ワゴン
Super-Extra
[E-YR20G]
79PS
14.3kgm
8.9km/L
16.582kg/PS
自然吸気
FR/4AT
1BOX
8人乗り
車両型式:E-YR20G

タウンエース ワゴン
[Super-Extra]
1988/05モデル
最高出力79PS
最大トルク14.3kgm
10-15モード燃費8.9km/L
吸気方式自然吸気
車体構成8人乗り1BOX
FR/4AT
トヨタ
YM30G
1990/08
ライトエース
GXL
[E-YM30G]
79PS
14.3kgm
10.2km/L
15.443kg/PS
自然吸気
FR/4AT
1BOX
8人乗り
車両型式:E-YM30G

ライトエース
[GXL]
1990/08モデル
最高出力79PS
最大トルク14.3kgm
10-15モード燃費10.2km/L
吸気方式自然吸気
車体構成8人乗り1BOX
FR/4AT
トヨタ
YM30G
1990/08
ライトエース
GXL
[E-YM30G]
79PS
14.3kgm
11.6km/L
15.443kg/PS
自然吸気
FR/5MT
1BOX
8人乗り
車両型式:E-YM30G

ライトエース
[GXL]
1990/08モデル
最高出力79PS
最大トルク14.3kgm
10-15モード燃費11.6km/L
吸気方式自然吸気
車体構成8人乗り1BOX
FR/5MT
トヨタ
YR20G
1988/05
タウンエース ワゴン
Super-Extra
[E-YR20G]
79PS
14.3kgm
10.2km/L
16.456kg/PS
自然吸気
FR/5MT
1BOX
8人乗り
車両型式:E-YR20G

タウンエース ワゴン
[Super-Extra]
1988/05モデル
最高出力79PS
最大トルク14.3kgm
10-15モード燃費10.2km/L
吸気方式自然吸気
車体構成8人乗り1BOX
FR/5MT

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】