トヨタ:2TZ-FZE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2438cc]

ここではトヨタのTCR20W型・エスティマ [V|1998/01モデル] に搭載されている2TZ-FZE型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

2TZ-FZE型のスーパーチャージャーエンジン諸元


TCR20W型 エスティマ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-TCR20W型
車名&グレードエスティマ
V
エンジン型式2TZ-FZE
種類直列4気筒
排気量2438cc
内径×行程95.0mm×86.0mm
ボアストローク比0.91
単気筒容積609.6cc
圧縮比8.9
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力160PS/5000rpm
最大トルク26.3kgm/3600rpm

まず基本的な成り立ちとして、2TZ型エンジンはボア(内径)95.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比0.91のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて2TZ-FZE型のスーパーチャージャーエンジンを搭載している車種は、1990/05から発売された初代エスティマ [TCR20W型|1998/01]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は2車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
2TZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷132.2PS → 160PS
トルクの変遷26.3kgm → 22.9kgm
リッター馬力65.6PS/L
リッタートルク10.8kgm/L

今回の参考車両であるエスティマの直列4気筒2438cc、圧縮比8.9でレギュラーガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、5000回転のとき最高出力160馬力を、5000回転のとき最大トルク26.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3600回転での馬力は132.2PS、最高出力が発生する5000回転でのトルクは22.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は65.6PS/L、トルクは10.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積609.6cc)あたりの馬力は40.0PS、トルクは6.6kgmです。

2TZ型スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 3 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
95.086.02438cc8.90.91
ボアアップによる排気量拡大
95.586.02464cc9.00.90
96.02490cc9.10.90
96.52516cc9.10.89
97.02542cc9.20.89
97.52568cc9.30.88
98.02595cc9.40.88
ストロークアップによる排気量拡大
95.087.02467cc9.00.92
88.02495cc9.10.93
89.02523cc9.20.94
90.02552cc9.30.95
91.02580cc9.40.96

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の95.0mmから0.5mm刻みで98.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.91からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。2TZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.91から0.88に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

2TZ型エンジンのピストン径95.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが6件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1KZ型
96.0mm
[+1.0mm]
2490cc
[+52cc]
日産
ZD30型
96.0mm
[+1.0mm]
2490cc
[+52cc]
トヨタ
1KD型
96.0mm
[+1.0mm]
2490cc
[+52cc]
日産
TD27型
96.0mm
[+1.0mm]
2490cc
[+52cc]
日産
TD42型
96.0mm
[+1.0mm]
2490cc
[+52cc]
スバル
EJ22型
96.9mm
[+1.9mm]
2537cc
[+99cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:KZN185W型ハイラックスサーフに搭載される1KZ型2982ccの96.0mm、日産:WTY61型サファリに搭載されるZD30型2953ccの96.0mm、トヨタ:KDJ120W型ランドクルーザー プラドに搭載される1KD型2982ccの96.0mm、日産:R20型ミストラルに搭載されるTD27型2663ccの96.0mm、日産:WRGY61型サファリに搭載されるTD42型4169ccの96.0mm、スバル:GC8改型インプレッサに搭載されるEJ22型2212ccの96.9mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3600rpm
最高出力
5000rpm
86.0mm10.3m/s14.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する5000回転での平均ピストンスピードは14.3m/sとなり、これは1秒間に14.3メートル(時速にすると51.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3600回転では10.3m/s、最高出力が発生する5000回転より500回転高い5500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.8m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmの2TZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


2TZ-FZE型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
TCR20W
1998/01
エスティマ
V
[GF-TCR20W]
160PS
26.3kgm
7.6km/L
11.250kg/PS
SC
4WD/4AT
ミニバン
8人乗り

エスティマ
[V]
1998/01モデル
車両型式GF-TCR20W
最高出力160PS
最大トルク26.3kgm
10-15モード燃費7.6km/L
パワーウェイト11.250kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/8人乗り
トヨタ
TCR10W
1998/01
エスティマ
V
[GF-TCR10W]
160PS
26.3kgm
8.4km/L
10.690kg/PS
SC
MR/4AT
ミニバン
8人乗り

エスティマ
[V]
1998/01モデル
車両型式GF-TCR10W
最高出力160PS
最大トルク26.3kgm
10-15モード燃費8.4km/L
パワーウェイト10.690kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機MR/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/8人乗り

その他の2TZ型エンジン型式と代表的な車種

2TZ-FE型
全6車種
トヨタ:エスティマ エミーナ&ルシーダ [X]
最高出力135PS/最大トルク21.0kgm
1995/01モデル
トヨタ
2TZ-FE型
全6車種
エスティマ エミーナ&ルシーダ
[X]
135PS/21.0kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】