トヨタ:2AZ-FXE型エンジンの諸元と性能まとめ [直4+モーター 2362cc]

ここではトヨタのAHR20W型・エスティマ ハイブリッド [X|2009/12モデル] に搭載されている2AZ-FXE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

2AZ-FXE型の自然吸気エンジン諸元


AHR20W型 エスティマ ハイブリッド
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DAA-AHR20W型
車名&グレードエスティマ ハイブリッド
X
エンジン型式2AZ-FXE
種類直4+モーター
排気量2362cc
内径×行程88.5mm×96.0mm
ボアストローク比1.08
単気筒容積590.5cc
圧縮比12.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力150PS/6000rpm
最大トルク19.4kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、2AZ型エンジンはボア(内径)88.5mm、ストローク(行程)96.0mm、ボアストローク比1.08のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、2AZ-FXE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2001/06から発売された2代目エスティマ ハイブリッド [AHR10W型|2004/04]、最も新しい車種は2011/11から発売された2代目アルファード ハイブリッド [ATH20W型|2011/11]となっており、NA車は9車種、ターボ/SC車は0車種の全9車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
2AZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷108.3PS → 150PS
トルクの変遷19.4kgm → 17.9kgm
リッター馬力63.5PS/L
リッタートルク8.2kgm/L

今回の参考車両であるエスティマ ハイブリッドの直4+モーター2362cc、圧縮比12.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力150馬力を、6000回転のとき最大トルク19.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は108.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは17.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は63.5PS/L、トルクは8.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積590.5cc)あたりの馬力は37.5PS、トルクは4.8kgmです。

2AZ型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 2 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、2AZ-FXE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはAHR20W型エスティマ ハイブリッドの150PS/19.4kgm、最も小さかったのはATH10W型アルファード ハイブリッドの131PS/19.4kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
88.596.02362cc12.51.08
ボアアップによる排気量拡大
89.096.02389cc12.61.08
89.52416cc12.81.07
90.02443cc12.91.07
90.52470cc13.01.06
91.02497cc13.21.05
91.52525cc13.31.05
ストロークアップによる排気量拡大
88.597.02387cc12.61.10
98.02411cc12.81.11
99.02436cc12.91.12
100.02461cc13.01.13
101.02485cc13.11.14

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の88.5mmから0.5mm刻みで91.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の96.0mmから1mm刻みで101.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。2AZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.08から1.05に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

2AZ型エンジンのピストン径88.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スバル
EZ30型
89.2mm
[+0.7mm]
2400cc
[+38cc]
レクサス
2AR型
90.0mm
[+1.5mm]
2443cc
[+81cc]
マツダ
JE型
90.0mm
[+1.5mm]
2443cc
[+81cc]
ホンダ
C30A型
90.0mm
[+1.5mm]
2443cc
[+81cc]
ホンダ
C32A型
90.0mm
[+1.5mm]
2443cc
[+81cc]
ホンダ
J37A型
90.0mm
[+1.5mm]
2443cc
[+81cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、スバル:BLE型レガシィB4に搭載されるEZ30型2999ccの89.2mm、レクサス:AGH30W型クラウン ハイブリッドに搭載される2AR型2493ccの90.0mm、マツダ:HEEA型ルーチェに搭載されるJE型2954ccの90.0mm、ホンダ:NA1型NSXに搭載されるC30A型2977ccの90.0mm、ホンダ:KA8型レジェンド クーペに搭載されるC32A型3206ccの90.0mm、ホンダ:KB2型レジェンドに搭載されるJ37A型3664ccの90.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
96.0mm12.8m/s19.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.4m/s23km/h
4000rpm12.8m/s46km/h
6000rpm19.2m/s69km/h
8000rpm25.6m/s92km/h
10000rpm32.0m/s115km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが96.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは19.2m/sとなり、これは1秒間に19.2メートル(時速にすると69.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では12.8m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.8m/sとなっています。

参考までにストロークが96.0mmの2AZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6250回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


2AZ-FXE型エンジンを搭載する車種の例

全9車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより2AZ型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
AHR20W
2009/12
エスティマ ハイブリッド
X
[DAA-AHR20W]
150PS
19.4kgm
18.0km/L
12.87kg/PS
自然吸気
4WD/CVT
ミニバン
8人乗り

エスティマ ハイブリッド
[X]
2009/12モデル
車両型式DAA-AHR20W
最高出力150PS
最大トルク19.4kgm
JC08モード燃費18.0km/L
10-15モード燃費20.0km/L
パワーウェイト12.87kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員ミニバン/8人乗り
トヨタ
AZK10
2010/10
サイ
S LED-Edition
[DAA-AZK10]
150PS
19.1kgm
19.8km/L
10.47kg/PS
自然吸気
FF/CVT
セダン
5人乗り

サイ
[S LED-Edition]
2010/10モデル
車両型式DAA-AZK10
最高出力150PS
最大トルク19.1kgm
JC08モード燃費19.8km/L
10-15モード燃費23.0km/L
パワーウェイト10.47kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
トヨタ
ATH20W
2011/11
ヴェルファイア ハイブリッド
Hybrid-ZR
[DAA-ATH20W]
150PS
19.4kgm
16.2km/L
14.07kg/PS
自然吸気
4WD/CVT
ミニバン
7人乗り

ヴェルファイア ハイブリッド
[Hybrid-ZR]
2011/11モデル
車両型式DAA-ATH20W
最高出力150PS
最大トルク19.4kgm
JC08モード燃費16.2km/L
10-15モード燃費19.0km/L
パワーウェイト14.07kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り
2AZ型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全54車種

その他の2AZ型エンジン型式と代表的な車種

2AZ-FE型
全38車種
トヨタ:アルファード [240X]
最高出力170PS/最大トルク22.8kgm
2008/05モデル
トヨタ
2AZ-FE型
全38車種
アルファード
[240X]
170PS/22.8kgm
2AZ-FE型
全4車種
ダイハツ:アルティス [G-Four-Limited Edition]
最高出力167PS/最大トルク22.8kgm
2009/01モデル
ダイハツ
2AZ-FE型
全4車種
アルティス
[G-Four-Limited Edition]
167PS/22.8kgm
2AZ-FSE型
全2車種
トヨタ:アベンシス ワゴン [Qi]
最高出力163PS/最大トルク23.5kgm
2006/07モデル
トヨタ
2AZ-FSE型
全2車種
アベンシス ワゴン
[Qi]
163PS/23.5kgm
2AZ-FXE型
全1車種
レクサス:HS [HS250h]
最高出力150PS/最大トルク19.1kgm
2009/07モデル
レクサス
2AZ-FXE型
全1車種
HS
[HS250h]
150PS/19.1kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】