トヨタ:1SZ-FE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 997cc]

ここではトヨタのSCP10型・ヴィッツ [B ECO-Package|2001/12モデル] に搭載されている1SZ-FE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

1SZ-FE型の自然吸気エンジン諸元


SCP10型 ヴィッツ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式TA-SCP10型
車名&グレードヴィッツ
B ECO-Package
エンジン型式1SZ-FE
種類直列4気筒
排気量997cc
内径×行程69.0mm×66.7mm
ボアストローク比0.97
単気筒容積249.4cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力70PS/6000rpm
最大トルク9.7kgm/4100rpm

まず基本的な成り立ちとして、1SZ型エンジンはボア(内径)69.0mm、ストローク(行程)66.7mm、ボアストローク比0.97のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、1SZ-FE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1999/01から発売された初代ヴィッツ [SCP10型|2001/12]、最も新しい車種は1999/01から発売された初代ヴィッツ [SCP10型|2004/04]となっており、NA車は5車種、ターボ/SC車は0車種の全5車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
1SZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷55.5PS → 70PS
トルクの変遷9.7kgm → 8.4kgm
リッター馬力70.2PS/L
リッタートルク9.7kgm/L

今回の参考車両であるヴィッツの直列4気筒997cc、圧縮比10.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力70馬力を、6000回転のとき最大トルク9.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4100回転での馬力は55.5PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは8.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.2PS/L、トルクは9.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積249.4cc)あたりの馬力は17.5PS、トルクは2.4kgmです。

1SZ型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
69.066.7997cc10.00.97
ボアアップによる排気量拡大
69.566.71012cc10.10.96
70.01027cc10.30.95
70.51041cc10.40.95
71.01056cc10.50.94
71.51071cc10.70.93
72.01086cc10.80.93
ストロークアップによる排気量拡大
69.067.71013cc10.10.98
68.71028cc10.31.00
69.71042cc10.41.01
70.71057cc10.51.02
71.71072cc10.71.04

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の69.0mmから0.5mm刻みで72.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の66.7mmから1mm刻みで71.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.97からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。1SZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.97から0.93に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

1SZ型エンジンのピストン径69.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが17件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1KR型
71.0mm
[+2.0mm]
1056cc
[+59cc]
ホンダ
P07A型
71.0mm
[+2.0mm]
1056cc
[+59cc]
三菱
4G13型
71.0mm
[+2.0mm]
1056cc
[+59cc]
日産
CG13型
71.0mm
[+2.0mm]
1056cc
[+59cc]
マツダ
B3型
71.0mm
[+2.0mm]
1056cc
[+59cc]
日産
CG10型
71.0mm
[+2.0mm]
1056cc
[+59cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:M900F型ブーンに搭載される1KR型996ccの71.0mm、ホンダ:JB5型ライフに搭載されるP07A型658ccの71.0mm、三菱:CJ1A型ミラージュに搭載される4G13型1298ccの71.0mm、日産:Z10型キューブに搭載されるCG13型1274ccの71.0mm、マツダ:DW3W型ファミリアに搭載されるB3型1323ccの71.0mm、日産:K11型マーチに搭載されるCG10型997ccの71.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4100rpm
最高出力
6000rpm
66.7mm9.1m/s13.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.4m/s16km/h
4000rpm8.9m/s32km/h
6000rpm13.3m/s48km/h
8000rpm17.8m/s64km/h
10000rpm22.2m/s80km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが66.7mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは13.3m/sとなり、これは1秒間に13.3メートル(時速にすると47.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4100回転では9.1m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.5m/sとなっています。

参考までにストロークが66.7mmの1SZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.45m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)9000回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


1SZ-FE型エンジンを搭載する車種の例

全5車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
SCP10
2004/04
ヴィッツ
B
[CBA-SCP10]
70PS
9.5kgm
21.5km/L
12.143kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ヴィッツ
[B]
2004/04モデル
車両型式CBA-SCP10
最高出力70PS
最大トルク9.5kgm
10-15モード燃費21.5km/L
パワーウェイト12.143kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
SCP10
2001/12
ヴィッツ
B ECO-Package
[TA-SCP10]
70PS
9.7kgm
24.0km/L
11.714kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ヴィッツ
[B ECO-Package]
2001/12モデル
車両型式TA-SCP10
最高出力70PS
最大トルク9.7kgm
10-15モード燃費24.0km/L
パワーウェイト11.714kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
SCP10
2001/12
ヴィッツ
B
[CBA-SCP10]
70PS
9.5kgm
19.6km/L
12.429kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

ヴィッツ
[B]
2001/12モデル
車両型式CBA-SCP10
最高出力70PS
最大トルク9.5kgm
10-15モード燃費19.6km/L
パワーウェイト12.429kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
トヨタ
SCP11
2004/04
プラッツ
1.0F
[CBA-SCP11]
70PS
9.5kgm
21.5km/L
12.571kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

プラッツ
[1.0F]
2004/04モデル
車両型式CBA-SCP11
最高出力70PS
最大トルク9.5kgm
10-15モード燃費21.5km/L
パワーウェイト12.571kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
トヨタ
SCP11
2004/04
プラッツ
1.0F
[CBA-SCP11]
70PS
9.5kgm
19.6km/L
12.860kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

プラッツ
[1.0F]
2004/04モデル
車両型式CBA-SCP11
最高出力70PS
最大トルク9.5kgm
10-15モード燃費19.6km/L
パワーウェイト12.860kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】