トヨタ:1NZ-FXP型エンジンの諸元と性能まとめ [直4+モーター 1496cc]

ここではトヨタのNTP10型・ジャパンタクシー [和(なごみ)|2017/11モデル] に搭載されている1NZ-FXP型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

1NZ-FXP型の自然吸気エンジン諸元


NTP10型 ジャパンタクシー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DAA-NTP10型
車名&グレードジャパンタクシー
和(なごみ)
エンジン型式1NZ-FXP
種類直4+モーター
排気量1496cc
内径×行程75.0mm×84.7mm
ボアストローク比1.13
単気筒容積374.2cc
吸気方式自然吸気
使用燃料100
最高出力73PS/4800rpm
最大トルク11.3kgm/2800-4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、1NZ型エンジンはボア(内径)75.0mm、ストローク(行程)84.7mm、ボアストローク比1.13のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
1NZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷44.2PS → 73PS
トルクの変遷11.3kgm → 10.9kgm
リッター馬力48.8PS/L
リッタートルク7.5kgm/L

今回の参考車両であるジャパンタクシーの直4+モーター1496ccで100仕様の自然吸気エンジンは、4800回転のとき最高出力73馬力を、4800回転のとき最大トルク11.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2800回転での馬力は44.2PS、最高出力が発生する4800回転でのトルクは10.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は48.8PS/L、トルクは7.5kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.2cc)あたりの馬力は18.2PS、トルクは2.8kgmです。

1NZ型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 1 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
75.084.71496cc-1.13
ボアアップによる排気量拡大
75.584.71517cc-1.12
76.01537cc-1.11
76.51557cc-1.11
77.01578cc-1.10
77.51598cc-1.09
78.01619cc-1.09
ストロークアップによる排気量拡大
75.085.71514cc-1.14
86.71532cc-1.16
87.71550cc-1.17
88.71567cc-1.18
89.71585cc-1.20

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の75.0mmから0.5mm刻みで78.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の84.7mmから1mm刻みで89.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。1NZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.13から1.09に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

1NZ型エンジンのピストン径75.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが28件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ダイハツ
HD型
76.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
ダイハツ
HE型
76.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
トヨタ
HC型
76.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
日産
GA16型
76.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
日産
VQ20型
76.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]
ダイハツ
CB型
76.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+41cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ダイハツ:G311G型パイザーに搭載されるHD型1589ccの76.0mm、ダイハツ:G213S型シャレード ソシアルに搭載されるHE型1498ccの76.0mm、トヨタ:J100G型テリオスに搭載されるHC型1295ccの76.0mm、日産:EN15型パルサーに搭載されるGA16型1596ccの76.0mm、日産:A33型セフィーロに搭載されるVQ20型1995ccの76.0mm、ダイハツ:G100S型シャレードに搭載されるCB型993ccの76.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2800rpm
最高出力
4800rpm
84.7mm7.9m/s13.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.6m/s20km/h
4000rpm11.3m/s41km/h
6000rpm16.9m/s61km/h
8000rpm22.6m/s81km/h
10000rpm28.2m/s102km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが84.7mmのエンジンが最高出力を発生する4800回転での平均ピストンスピードは13.6m/sとなり、これは1秒間に13.6メートル(時速にすると49.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2800回転では7.9m/s、最高出力が発生する4800回転より500回転高い5300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.0m/sとなっています。

参考までにストロークが84.7mmの1NZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7080回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


1NZ-FXP型エンジンを搭載する車種の例

全1車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより1NZ型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
NTP10
2017/11
ジャパンタクシー
和(なごみ)
[DAA-NTP10]
73PS
11.3kgm
19.4km/L
19.04kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ミニバン
5人乗り

ジャパンタクシー
[和(なごみ)]
2017/11モデル
車両型式DAA-NTP10
最高出力73PS
最大トルク11.3kgm
JC08モード燃費19.4km/L
パワーウェイト19.04kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ミニバン/5人乗り
1NZ型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全113車種

その他の1NZ型エンジン型式と代表的な車種

1NZ-FE型
全77車種
トヨタ:WiLL VS [1NZ-FE 1.5VVT-i 2WD]
最高出力110PS/最大トルク14.6kgm
2002/12モデル
トヨタ
1NZ-FE型
全77車種
WiLL VS
[1NZ-FE 1.5VVT-i 2WD]
110PS/14.6kgm
1NZ-FXE型
全17車種
トヨタ:プリウス [S]
最高出力77PS/最大トルク11.7kgm
2008/09モデル
トヨタ
1NZ-FXE型
全17車種
プリウス
[S]
77PS/11.7kgm
1NZ-FE型
全14車種
光岡:ヌエラ6-02ワゴン [15LX]
最高出力110PS/最大トルク14.3kgm
2010/07モデル
光岡
1NZ-FE型
全14車種
ヌエラ6-02ワゴン
[15LX]
110PS/14.3kgm
1NZ-FXE型
全2車種
光岡:リューギ [Hybrid]
最高出力74PS/最大トルク11.3kgm
2014/06モデル
光岡
1NZ-FXE型
全2車種
リューギ
[Hybrid]
74PS/11.3kgm
1NZ-FE型
全2車種
スバル:トレジア [1.5i type-Euro]
最高出力109PS/最大トルク14.1kgm
2010/11モデル
スバル
1NZ-FE型
全2車種
トレジア
[1.5i type-Euro]
109PS/14.1kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】