トヨタ:1KZ-TE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2982cc]

ここではトヨタのKZN185型・ハイラックスサーフ [SSR-X|1998/08モデル] に搭載されている1KZ-TE型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

1KZ-TE型のターボエンジン諸元


KZN185型 ハイラックスサーフ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式KH-KZN185W型
車名&グレードハイラックスサーフ
SSR-X
エンジン型式1KZ-TE
種類直列4気筒
排気量2982cc
内径×行程96.0mm×103.0mm
ボアストローク比1.07
単気筒容積745.5cc
圧縮比21.0
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力145PS/3600rpm
最大トルク35.0kgm/2000rpm

まず基本的な成り立ちとして、1KZ型エンジンはボア(内径)96.0mm、ストローク(行程)103.0mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、1KZ-TE型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、1989/05から発売された2代目ハイラックスサーフ [KZN130G型|1994/08]、最も新しい車種は1989/08から発売された4代目ハイエースワゴン [KZH120G型|2004/04]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は21車種の全21車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
1KZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷97.7PS → 145PS
トルクの変遷35.0kgm → 28.9kgm
リッター馬力48.6PS/L
リッタートルク11.7kgm/L

今回の参考車両であるハイラックスサーフの直列4気筒2982cc、圧縮比21.0でディーゼル仕様のターボエンジンは、3600回転のとき最高出力145馬力を、3600回転のとき最大トルク35.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は97.7PS、最高出力が発生する3600回転でのトルクは28.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は48.6PS/L、トルクは11.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積745.5cc)あたりの馬力は36.2PS、トルクは8.8kgmです。

1KZ型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 3 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、1KZ-TE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはKZN185W型ハイラックスサーフの145PS/35.0kgm、最も小さかったのはKZH120G型ハイエースワゴンの130PS/33.8kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
96.0103.02982cc21.01.07
ボアアップによる排気量拡大
96.5103.03013cc21.21.07
97.03045cc21.41.06
97.53076cc21.61.06
98.03108cc21.81.05
98.53139cc22.01.05
99.03171cc22.31.04
ストロークアップによる排気量拡大
96.0104.03011cc21.21.08
105.03040cc21.41.09
106.03069cc21.61.10
107.03098cc21.81.11
108.03127cc22.01.12

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の96.0mmから0.5mm刻みで99.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の103.0mmから1mm刻みで108.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。1KZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.04に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

1KZ型エンジンのピストン径96.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが2件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スバル
EJ22型
96.9mm
[+0.9mm]
3038cc
[+56cc]
三菱
4M41型
98.5mm
[+2.5mm]
3139cc
[+157cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、スバル:GC8改型インプレッサに搭載されるEJ22型2212ccの96.9mm、三菱:V98W型パジェロに搭載される4M41型3200ccの98.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2000rpm
最高出力
3600rpm
103.0mm6.9m/s12.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.9m/s25km/h
4000rpm13.7m/s49km/h
6000rpm20.6m/s74km/h
8000rpm27.5m/s99km/h
10000rpm34.3m/s123km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが103.0mmのエンジンが最高出力を発生する3600回転での平均ピストンスピードは12.4m/sとなり、これは1秒間に12.4メートル(時速にすると44.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では6.9m/s、最高出力が発生する3600回転より500回転高い4100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.1m/sとなっています。

参考までにストロークが103.0mmの1KZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)5830回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


1KZ-TE型エンジンを搭載する車種の例

全21車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより1KZ型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
KZN185
1998/08
ハイラックスサーフ
SSR-X
[KH-KZN185W]
145PS
35.0kgm
-
12.69kg/PS
ターボ
4WD/4AT
SUV
5人乗り

ハイラックスサーフ
[SSR-X]
1998/08モデル
車両型式KH-KZN185W
最高出力145PS
最大トルク35.0kgm
パワーウェイト12.69kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
トヨタ
KZN185
1998/08
ハイラックスサーフ
SSR-X
[KH-KZN185W]
145PS
35.0kgm
-
12.55kg/PS
ターボ
4WD/5MT
SUV
5人乗り

ハイラックスサーフ
[SSR-X]
1998/08モデル
車両型式KH-KZN185W
最高出力145PS
最大トルク35.0kgm
パワーウェイト12.55kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
トヨタ
KCH10W
2000/04
グランドハイエース
G X-edition
[KH-KCH10W]
140PS
35.0kgm
9.5km/L
14.57kg/PS
ターボ
FR/4AT
ミニバン
8人乗り

グランドハイエース
[G X-edition]
2000/04モデル
車両型式KH-KCH10W
最高出力140PS
最大トルク35.0kgm
10-15モード燃費9.5km/L
パワーウェイト14.57kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/8人乗り
1KZ型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全21車種

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】