トヨタ:1GZ-FE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型12気筒 4996cc]

ここではトヨタのGZG50型・センチュリー [BaseGrade|2004/04モデル] に搭載されている1GZ-FE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

1GZ-FE型の自然吸気エンジン諸元


GZG50型 センチュリー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式TA-GZG50型
車名&グレードセンチュリー
BaseGrade
エンジン型式1GZ-FE
種類V型12気筒
排気量4996cc
内径×行程81.0mm×80.8mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積416.3cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力280PS/5200rpm
最大トルク49.0kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、1GZ型エンジンはボア(内径)81.0mm、ストローク(行程)80.8mm、ボアストローク比1.00のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、1GZ-FE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1997/04から発売された2代目センチュリー [GZG50型|2004/04]、最も新しい車種は1997/04から発売された2代目センチュリー [GZG50型|2010/08]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
1GZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷273.6PS → 280PS
トルクの変遷49.0kgm → 38.6kgm
リッター馬力56.0PS/L
リッタートルク9.8kgm/L

今回の参考車両であるセンチュリーのV型12気筒4996cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5200回転のとき最高出力280馬力を、5200回転のとき最大トルク49.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は273.6PS、最高出力が発生する5200回転でのトルクは38.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は56.0PS/L、トルクは9.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積416.3cc)あたりの馬力は23.3PS、トルクは4.1kgmです。

1GZ型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 7 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
81.080.84996cc10.51.00
ボアアップによる排気量拡大
81.580.85058cc10.60.99
82.05120cc10.70.99
82.55183cc10.90.98
83.05246cc11.00.97
83.55309cc11.10.97
84.05373cc11.20.96
ストロークアップによる排気量拡大
81.081.85058cc10.61.01
82.85120cc10.71.02
83.85182cc10.91.03
84.85244cc11.01.05
85.85305cc11.11.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の81.0mmから0.5mm刻みで84.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の80.8mmから1mm刻みで85.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。1GZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.96に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

1GZ型エンジンのピストン径81.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが24件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
GY型
81.6mm
[+0.6mm]
5070cc
[+74cc]
トヨタ
2ZZ型
82.0mm
[+1.0mm]
5120cc
[+124cc]
ホンダ
G20A型
82.0mm
[+1.0mm]
5120cc
[+124cc]
ホンダ
C20A型
82.0mm
[+1.0mm]
5120cc
[+124cc]
トヨタ
4S型
82.5mm
[+1.5mm]
5183cc
[+187cc]
日産
SR18型
82.5mm
[+1.5mm]
5183cc
[+187cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:LW5W型MPVに搭載されるGY型2494ccの81.6mm、トヨタ:ZZE123型カローラ ランクスに搭載される2ZZ型1795ccの82.0mm、ホンダ:CC3型ビガーに搭載されるG20A型1996ccの82.0mm、ホンダ:KA5型レジェンドに搭載されるC20A型1996ccの82.0mm、トヨタ:SV30型カムリに搭載される4S型1838ccの82.5mm、日産:HN15型ファミリアワゴンに搭載されるSR18型1838ccの82.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 5000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 5000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 5000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 5000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [5000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [5000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
5200rpm
80.8mm10.8m/s14.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19km/h
4000rpm10.8m/s39km/h
6000rpm16.2m/s58km/h
8000rpm21.5m/s77km/h
10000rpm26.9m/s97km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが80.8mmのエンジンが最高出力を発生する5200回転での平均ピストンスピードは14.0m/sとなり、これは1秒間に14.0メートル(時速にすると50.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では10.8m/s、最高出力が発生する5200回転より500回転高い5700回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.4m/sとなっています。

参考までにストロークが80.8mmの1GZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.38m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7430回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


1GZ-FE型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
GZG50
2004/04
センチュリー
BaseGrade
[TA-GZG50]
280PS
49.0kgm
7.2km/L
7.11kg/PS
自然吸気
FR/4AT
セダン
5人乗り

センチュリー
[BaseGrade]
2004/04モデル
車両型式TA-GZG50
最高出力280PS
最大トルク49.0kgm
10-15モード燃費7.2km/L
パワーウェイト7.11kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
トヨタ
GZG50
2010/08
センチュリー
Column-Shift
[DBA-GZG50]
280PS
46.9kgm
7.6km/L
7.39kg/PS
自然吸気
FR/6AT
セダン
5人乗り

センチュリー
[Column-Shift]
2010/08モデル
車両型式DBA-GZG50
最高出力280PS
最大トルク46.9kgm
JC08モード燃費7.6km/L
10-15モード燃費7.8km/L
パワーウェイト7.39kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

その他の1GZ型エンジン型式と代表的な車種

1GZ-FNE型
全1車種
トヨタ:センチュリー [CNG Column-Shift]
最高出力258PS/最大トルク41.3kgm
2004/04モデル
トヨタ
1GZ-FNE型
全1車種
センチュリー
[CNG Column-Shift]
258PS/41.3kgm

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】