トヨタ:1GR-FE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 3955cc]

ここではトヨタのGSJ15W型・FJクルーザー [BaseGrade|2010/12モデル] に搭載されている1GR-FE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

1GR-FE型の自然吸気エンジン諸元


GSJ15W型 FJクルーザー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式CBA-GSJ15W型
車名&グレードFJクルーザー
BaseGrade
エンジン型式1GR-FE
種類V型6気筒
排気量3955cc
内径×行程94.0mm×95.0mm
ボアストローク比1.01
単気筒容積659.3cc
圧縮比10.4
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力276PS/5600rpm
最大トルク38.8kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、1GR型エンジンはボア(内径)94.0mm、ストローク(行程)95.0mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、1GR-FE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2002/11から発売された4代目ハイラックスサーフ [GRN215W型|2005/08]、最も新しい車種は2010/12から発売された初代FJクルーザー [GSJ15W型|2010/12]となっており、NA車は6車種、ターボ/SC車は0車種の全6車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
1GRのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷238.3PS → 276PS
トルクの変遷38.8kgm → 35.3kgm
リッター馬力69.8PS/L
リッタートルク9.8kgm/L

今回の参考車両であるFJクルーザーのV型6気筒3955cc、圧縮比10.4でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力276馬力を、5600回転のとき最大トルク38.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は238.3PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは35.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は69.8PS/L、トルクは9.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積659.3cc)あたりの馬力は46.0PS、トルクは6.5kgmです。

1GR型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 7 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、1GR-FE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはGSJ15W型FJクルーザーの276PS/38.8kgm、最も小さかったのはGRN215W型ハイラックスサーフの249PS/38.8kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
94.095.03955cc10.41.01
ボアアップによる排気量拡大
94.595.03998cc10.51.01
95.04040cc10.61.00
95.54083cc10.70.99
96.04126cc10.80.99
96.54169cc10.90.98
97.04212cc11.00.98
ストロークアップによる排気量拡大
94.096.03997cc10.51.02
97.04039cc10.61.03
98.04080cc10.71.04
99.04122cc10.81.05
100.04164cc10.91.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の94.0mmから0.5mm刻みで97.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の95.0mmから1mm刻みで100.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。1GR型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.98に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

1GR型エンジンのピストン径94.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
2TR型
95.0mm
[+1.0mm]
4040cc
[+85cc]
トヨタ
2TZ型
95.0mm
[+1.0mm]
4040cc
[+85cc]
トヨタ
3RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
4040cc
[+85cc]
三菱
6G75型
95.0mm
[+1.0mm]
4040cc
[+85cc]
トヨタ
2RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
4040cc
[+85cc]
日産
VQ35型
95.5mm
[+1.5mm]
4083cc
[+128cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:TRJ150W型ランドクルーザー プラドに搭載される2TR型2693ccの95.0mm、トヨタ:TCR20G型エスティマ エミーナ&ルシーダに搭載される2TZ型2438ccの95.0mm、トヨタ:RZN185W型ハイラックスサーフに搭載される3RZ型2693ccの95.0mm、三菱:V97W型パジェロに搭載される6G75型3827ccの95.0mm、トヨタ:RZH101G型ハイエースワゴンに搭載される2RZ型2438ccの95.0mm、日産:M35型ディグニティに搭載されるVQ35型3498ccの95.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 4000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 4000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 4000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 4000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [4000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [4000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
5600rpm
95.0mm13.9m/s17.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.3m/s23km/h
4000rpm12.7m/s46km/h
6000rpm19.0m/s68km/h
8000rpm25.3m/s91km/h
10000rpm31.7m/s114km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが95.0mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは17.7m/sとなり、これは1秒間に17.7メートル(時速にすると63.7km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では13.9m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.3m/sとなっています。

参考までにストロークが95.0mmの1GR型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.35m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6320回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


1GR-FE型エンジンを搭載する車種の例

全6車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
トヨタ
GSJ15W
2010/12
FJクルーザー
BaseGrade
[CBA-GSJ15W]
276PS
38.8kgm
8.4km/L
7.03kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
SUV
5人乗り

FJクルーザー
[BaseGrade]
2010/12モデル
車両型式CBA-GSJ15W
最高出力276PS
最大トルク38.8kgm
10-15モード燃費8.4km/L
パワーウェイト7.03kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
トヨタ
GRJ150
2009/09
ランドクルーザー プラド
TX 7人乗り
[CBA-GRJ150W]
276PS
38.8kgm
8.2km/L
7.68kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
SUV
7人乗り

ランドクルーザー プラド
[TX 7人乗り]
2009/09モデル
車両型式CBA-GRJ150W
最高出力276PS
最大トルク38.8kgm
10-15モード燃費8.2km/L
パワーウェイト7.68kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員SUV/7人乗り
トヨタ
GRJ151
2009/09
ランドクルーザー プラド
TZ-G 7人乗り
[CBA-GRJ151W]
276PS
38.8kgm
8.2km/L
7.90kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
SUV
7人乗り

ランドクルーザー プラド
[TZ-G 7人乗り]
2009/09モデル
車両型式CBA-GRJ151W
最高出力276PS
最大トルク38.8kgm
10-15モード燃費8.2km/L
パワーウェイト7.90kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員SUV/7人乗り
トヨタ
GRN215
2005/08
ハイラックスサーフ
SSR-G
[CBA-GRN215W]
249PS
38.8kgm
8.3km/L
7.75kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
SUV
5人乗り

ハイラックスサーフ
[SSR-G]
2005/08モデル
車両型式CBA-GRN215W
最高出力249PS
最大トルク38.8kgm
10-15モード燃費8.3km/L
パワーウェイト7.75kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
トヨタ
GRJ120
2005/08
ランドクルーザー プラド
TX 8人乗り 1GR
[CBA-GRJ120W]
249PS
38.8kgm
8.1km/L
7.99kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
SUV
8人乗り

ランドクルーザー プラド
[TX 8人乗り 1GR]
2005/08モデル
車両型式CBA-GRJ120W
最高出力249PS
最大トルク38.8kgm
10-15モード燃費8.1km/L
パワーウェイト7.99kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員SUV/8人乗り
トヨタ
GRJ121
2005/08
ランドクルーザー プラド
TZ 8人乗り 1GR
[CBA-GRJ121W]
249PS
38.8kgm
8.1km/L
8.07kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
SUV
8人乗り

ランドクルーザー プラド
[TZ 8人乗り 1GR]
2005/08モデル
車両型式CBA-GRJ121W
最高出力249PS
最大トルク38.8kgm
10-15モード燃費8.1km/L
パワーウェイト8.07kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員SUV/8人乗り

トヨタ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】