スズキ:M15A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1490cc]

ここではスズキのHT81S型・スイフト スポーツ [Sport|2004/04モデル] に搭載されているM15A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

M15A型の自然吸気エンジン諸元


HT81S型 スイフト スポーツ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式TA-HT81S型
車名&グレードスイフト スポーツ
Sport
エンジン型式M15A
種類直列4気筒
排気量1490cc
内径×行程78.0mm×78.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積372.7cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力115PS/6400rpm
最大トルク14.6kgm/4100rpm

まず基本的な成り立ちとして、M15A型エンジンはボア(内径)78.0mm、ストローク(行程)78.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、M15A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2001/01から発売された初代エリオ [RB21S型|2003/01]、最も新しい車種は2006/07から発売された初代SX4 [YB11S型|2009/05]となっており、NA車は10車種、ターボ/SC車は0車種の全10車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
M15Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷83.6PS → 115PS
トルクの変遷14.6kgm → 12.9kgm
リッター馬力77.2PS/L
リッタートルク9.8kgm/L

今回の参考車両であるスイフト スポーツの直列4気筒1490cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6400回転のとき最高出力115馬力を、6400回転のとき最大トルク14.6kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4100回転での馬力は83.6PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは12.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は77.2PS/L、トルクは9.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積372.7cc)あたりの馬力は28.8PS、トルクは3.6kgmです。

M15A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、M15A型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはHT81S型スイフト スポーツの115PS/14.6kgm、最も小さかったのはZC21S型スイフトの110PS/14.6kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
78.078.01490cc11.01.00
ボアアップによる排気量拡大
78.578.01510cc11.10.99
79.01529cc11.20.99
79.51549cc11.40.98
80.01568cc11.50.97
80.51588cc11.60.97
81.01608cc11.80.96
ストロークアップによる排気量拡大
78.079.01510cc11.11.01
80.01529cc11.21.03
81.01548cc11.41.04
82.01567cc11.51.05
83.01586cc11.61.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の78.0mmから0.5mm刻みで81.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の78.0mmから1mm刻みで83.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。M15A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.96に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

M15A型エンジンのピストン径78.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが32件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
5A型
78.7mm
[+0.7mm]
1518cc
[+28cc]
スバル
FB16型
78.8mm
[+0.8mm]
1522cc
[+32cc]
トヨタ
1ZZ型
79.0mm
[+1.0mm]
1529cc
[+39cc]
日産
MRA8型
79.7mm
[+1.7mm]
1556cc
[+66cc]
日産
QG18型
80.0mm
[+2.0mm]
1568cc
[+78cc]
いすゞ
4XE1型
80.0mm
[+2.0mm]
1568cc
[+78cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:AE91型カローラ レビンに搭載される5A型1498ccの78.7mm、スバル:VM4型レヴォーグに搭載されるFB16型1599ccの78.8mm、トヨタ:ZZT230型セリカに搭載される1ZZ型1794ccの79.0mm、日産:TB17型シルフィに搭載されるMRA8型1798ccの79.7mm、日産:QP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQG18型1769ccの80.0mm、いすゞ:JT191S型ジェミニに搭載される4XE1型1588ccの80.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4100rpm
最高出力
6400rpm
78.0mm10.7m/s16.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.4m/s37km/h
6000rpm15.6m/s56km/h
8000rpm20.8m/s75km/h
10000rpm26.0m/s94km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが78.0mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは16.6m/sとなり、これは1秒間に16.6メートル(時速にすると59.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4100回転では10.7m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.9m/sとなっています。

参考までにストロークが78.0mmのM15A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.20m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7690回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


M15A型エンジンを搭載する車種の例

全10車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりM15A型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スズキ
HT81S
2004/04
スイフト スポーツ
Sport
[TA-HT81S]
115PS
14.6kgm
16.0km/L
8.090kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

スイフト スポーツ
[Sport]
2004/04モデル
車両型式TA-HT81S
最高出力115PS
最大トルク14.6kgm
10-15モード燃費16.0km/L
パワーウェイト8.090kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
スズキ
YB11S
2009/05
SX4
1.5XG
[DBA-YB11S]
111PS
14.8kgm
15.6km/L
11.261kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
SUV
5人乗り

SX4
[1.5XG]
2009/05モデル
車両型式DBA-YB11S
最高出力111PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費15.6km/L
パワーウェイト11.261kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
スズキ
YA11S
2009/05
SX4
1.5G
[DBA-YA11S]
111PS
14.8kgm
16.4km/L
10.721kg/PS
自然吸気
FF/4AT
SUV
5人乗り

SX4
[1.5G]
2009/05モデル
車両型式DBA-YA11S
最高出力111PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費16.4km/L
パワーウェイト10.721kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
M15A型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全12車種

その他のM15A型エンジン型式と代表的な車種

M15A-FKS型
全3車種
トヨタ:ヤリス [X]
最高出力120PS/最大トルク14.8kgm
2020/02モデル
トヨタ
M15A-FKS型
全3車種
ヤリス
[X]
120PS/14.8kgm
M15A型
全2車種
シボレー:クルーズ [1.5LT]
最高出力110PS/最大トルク14.6kgm
2005/04モデル
シボレー
M15A型
全2車種
クルーズ
[1.5LT]
110PS/14.6kgm
M15A-FXE型
全2車種
トヨタ:ヤリス [Hybrid-X]
最高出力91PS/最大トルク12.2kgm
2020/02モデル
トヨタ
M15A-FXE型
全2車種
ヤリス
[Hybrid-X]
91PS/12.2kgm

スズキ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】