スズキ:K15B型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1460cc]

ここではスズキのJB74W型・ジムニー シエラ [JL|2018/07モデル] に搭載されているK15B型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

K15B型の自然吸気エンジン諸元


JB74W型 ジムニー シエラ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式3BA-JB74W型
車名&グレードジムニー シエラ
JL
エンジン型式K15B
種類直列4気筒
排気量1460cc
内径×行程74.0mm×84.9mm
ボアストローク比1.15
単気筒容積365.1cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力102PS/6000rpm
最大トルク13.3kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、K15B型エンジンはボア(内径)74.0mm、ストローク(行程)84.9mm、ボアストローク比1.15のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてK15B型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、2018/07から発売された4代目ジムニー シエラ [JB74W型|2018/07]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
K15Bのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷74.3PS → 102PS
トルクの変遷13.3kgm → 12.2kgm
リッター馬力69.9PS/L
リッタートルク9.1kgm/L

今回の参考車両であるジムニー シエラの直列4気筒1460cc、圧縮比10.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力102馬力を、6000回転のとき最大トルク13.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は74.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは12.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は69.9PS/L、トルクは9.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積365.1cc)あたりの馬力は25.5PS、トルクは3.3kgmです。

K15B型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.084.91460cc10.01.15
ボアアップによる排気量拡大
74.584.91480cc10.11.14
75.01500cc10.21.13
75.51520cc10.41.12
76.01541cc10.51.12
76.51561cc10.61.11
77.01581cc10.71.10
ストロークアップによる排気量拡大
74.085.91478cc10.11.16
86.91495cc10.21.17
87.91512cc10.31.19
88.91529cc10.41.20
89.91547cc10.51.21

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.0mmから0.5mm刻みで77.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の84.9mmから1mm刻みで89.9mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。K15B型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.15から1.10に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

K15B型エンジンのピストン径74.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが28件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6G71型
74.7mm
[+0.7mm]
1488cc
[+28cc]
トヨタ
1NZ型
75.0mm
[+1.0mm]
1500cc
[+40cc]
トヨタ
1G型
75.0mm
[+1.0mm]
1500cc
[+40cc]
ホンダ
D15B型
75.0mm
[+1.0mm]
1500cc
[+40cc]
ホンダ
D16A型
75.0mm
[+1.0mm]
1500cc
[+40cc]
ホンダ
ZC型
75.0mm
[+1.0mm]
1500cc
[+40cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:F11A型ディアマンテに搭載される6G71型1998ccの74.7mm、トヨタ:NZE127型プリウスに搭載される1NZ型1496ccの75.0mm、トヨタ:GXE10型マークIIに搭載される1G型1988ccの75.0mm、ホンダ:EK3型シビックに搭載されるD15B型1493ccの75.0mm、ホンダ:EJ4型CR-Xデルソルに搭載されるD16A型1590ccの75.0mm、ホンダ:MA4型ドマーニに搭載されるZC型1590ccの75.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
84.9mm11.3m/s17.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.3m/s41km/h
6000rpm17.0m/s61km/h
8000rpm22.6m/s81km/h
10000rpm28.3m/s102km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが84.9mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.0m/sとなり、これは1秒間に17.0メートル(時速にすると61.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では11.3m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.4m/sとなっています。

参考までにストロークが84.9mmのK15B型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7070回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


K15B型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スズキ
JB74W
2018/07
ジムニー シエラ
JL
[3BA-JB74W]
102PS
13.3kgm
15.0km/L
10.49kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
SUV
4人乗り

ジムニー シエラ
[JL]
2018/07モデル
車両型式3BA-JB74W
最高出力102PS
最大トルク13.3kgm
WLTCモード燃費15.0km/L
パワーウェイト10.49kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員SUV/4人乗り
スズキ
JB74W
2018/07
ジムニー シエラ
JL
[3BA-JB74W]
102PS
13.3kgm
13.6km/L
10.69kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
SUV
4人乗り

ジムニー シエラ
[JL]
2018/07モデル
車両型式3BA-JB74W
最高出力102PS
最大トルク13.3kgm
WLTCモード燃費13.6km/L
パワーウェイト10.69kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/4人乗り

スズキ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】