スズキ:J18A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1839cc]

ここではスズキのGC41W型・カルタス クレセントワゴン [XT|1997/06モデル] に搭載されているJ18A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

J18A型の自然吸気エンジン諸元


GC41W型 カルタス クレセントワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-GC41W型
車名&グレードカルタス クレセントワゴン
XT
エンジン型式J18A
種類直列4気筒
排気量1839cc
内径×行程84.0mm×83.0mm
ボアストローク比0.99
単気筒容積460.0cc
圧縮比9.8
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力135PS/6500rpm
最大トルク16.0kgm/3000rpm

まず基本的な成り立ちとして、J18A型エンジンはボア(内径)84.0mm、ストローク(行程)83.0mm、ボアストローク比0.99のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、J18A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1996/02から発売された3代目カルタス クレセントワゴン [GC41W型|1997/06]、最も新しい車種は1998/05から発売された3代目カルタス ワゴン [GC41W型|2000/05]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
J18Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷67.0PS → 135PS
トルクの変遷16.0kgm → 14.9kgm
リッター馬力73.41PS/L
リッタートルク8.7kgm/L

今回の参考車両であるカルタス クレセントワゴンの直列4気筒1839cc、圧縮比9.8でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6500回転のとき最高出力135馬力を、6500回転のとき最大トルク16.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3000回転での馬力は67.0PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは14.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は73.41PS/L、トルクは8.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積460.0cc)あたりの馬力は33.8PS、トルクは4.0kgmです。

J18A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

【PR】エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.083.01839cc9.80.99
ボアアップによる排気量拡大
84.583.01862cc9.90.98
85.01884cc10.00.98
85.51906cc10.10.97
86.01928cc10.20.97
86.51951cc10.30.96
87.01974cc10.40.95
ストロークアップによる排気量拡大
84.084.01862cc9.91.00
85.01884cc10.01.01
86.01906cc10.11.02
87.01928cc10.21.04
88.01951cc10.31.05

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.0mmから0.5mm刻みで87.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の83.0mmから1mm刻みで88.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.99からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。J18A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.99から0.95に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

J18A型エンジンのピストン径84.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが58件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
YF型
84.8mm
[+0.8mm]
1875cc
[+36cc]
三菱
4G63型
85.0mm
[+1.0mm]
1884cc
[+45cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+1.0mm]
1884cc
[+45cc]
日産
RD28型
85.0mm
[+1.0mm]
1884cc
[+45cc]
スバル
EJ15型
85.0mm
[+1.0mm]
1884cc
[+45cc]
ホンダ
F20B型
85.0mm
[+1.0mm]
1884cc
[+45cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:EPEW型トリビュートに搭載されるYF型1988ccの84.8mm、三菱:CT9A型ランサー エボリューションIXに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:M35型プラウディアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、日産:UY32型ローレルに搭載されるRD28型2825ccの85.0mm、スバル:GG2型インプレッサ スポーツワゴンに搭載されるEJ15型1493ccの85.0mm、ホンダ:CJ3型トルネオ SiR-Tに搭載されるF20B型1997ccの85.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3000rpm
最高出力
6500rpm
83.0mm8.3m/s18.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm11.1m/s40km/h
6000rpm16.6m/s60km/h
8000rpm22.1m/s80km/h
10000rpm27.7m/s100km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが83.0mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは18.0m/sとなり、これは1秒間に18.0メートル(時速にすると64.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3000回転では8.3m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.4m/sとなっています。

参考までにストロークが83.0mmのJ18A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7230回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


J18A型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スズキ
GC41W
1997/06
カルタス クレセントワゴン
XT
[E-GC41W]
135PS
16.0kgm
11.6km/L
8.074kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ワゴン
5人乗り
車両型式:E-GC41W

カルタス クレセントワゴン
[XT]
1997/06モデル
最高出力135PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費11.6km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りワゴン
FF/4AT
スズキ
GC41W
2000/05
カルタス ワゴン
1.8TZ
[GF-GC41W]
135PS
16.0kgm
11.6km/L
8.296kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ワゴン
5人乗り
車両型式:GF-GC41W

カルタス ワゴン
[1.8TZ]
2000/05モデル
最高出力135PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費11.6km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りワゴン
FF/4AT
スズキ
GC41W
1997/06
カルタス クレセントワゴン
XT
[E-GC41W]
135PS
16.0kgm
14.0km/L
7.926kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ワゴン
5人乗り
車両型式:E-GC41W

カルタス クレセントワゴン
[XT]
1997/06モデル
最高出力135PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費14.0km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りワゴン
FF/5MT
スズキ
GC41W
2000/05
カルタス ワゴン
1.8TZ
[GF-GC41W]
135PS
16.0kgm
14.0km/L
8.148kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ワゴン
5人乗り
車両型式:GF-GC41W

カルタス ワゴン
[1.8TZ]
2000/05モデル
最高出力135PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費14.0km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りワゴン
FF/5MT

スズキ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】