スズキ:G13A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1324cc]

ここではスズキのAA53S型・カルタス [MR|1986/06モデル] に搭載されているG13A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

G13A型の自然吸気エンジン諸元


AA53S型 カルタス
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-AA53S型
車名&グレードカルタス
MR
エンジン型式G13A
種類直列4気筒
排気量1324cc
内径×行程74.0mm×77.0mm
ボアストローク比1.04
単気筒容積331.2cc
圧縮比9.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力70PS/5500rpm
最大トルク10.2kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、G13A型エンジンはボア(内径)74.0mm、ストローク(行程)77.0mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてG13A型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1983/10から発売された初代カルタス [AA53S型|1986/06]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
G13Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷49.8PS → 70PS
トルクの変遷10.2kgm → 9.1kgm
リッター馬力52.87PS/L
リッタートルク7.7kgm/L

今回の参考車両であるカルタスの直列4気筒1324cc、圧縮比9.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5500回転のとき最高出力70馬力を、5500回転のとき最大トルク10.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は49.8PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは9.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は52.87PS/L、トルクは7.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積331.2cc)あたりの馬力は17.5PS、トルクは2.5kgmです。

G13A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 1 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

【PR】エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.077.01324cc9.51.04
ボアアップによる排気量拡大
74.577.01343cc9.61.03
75.01361cc9.71.03
75.51379cc9.81.02
76.01397cc9.91.01
76.51416cc10.11.01
77.01434cc10.21.00
ストロークアップによる排気量拡大
74.078.01342cc9.61.05
79.01359cc9.71.07
80.01376cc9.81.08
81.01393cc9.91.09
82.01411cc10.11.11

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.0mmから0.5mm刻みで77.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.0mmから1mm刻みで82.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。G13A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.00に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

G13A型エンジンのピストン径74.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが30件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6G71型
74.7mm
[+0.7mm]
1350cc
[+26cc]
トヨタ
1NZ型
75.0mm
[+1.0mm]
1361cc
[+37cc]
トヨタ
1G型
75.0mm
[+1.0mm]
1361cc
[+37cc]
ホンダ
D15B型
75.0mm
[+1.0mm]
1361cc
[+37cc]
ホンダ
D16A型
75.0mm
[+1.0mm]
1361cc
[+37cc]
スズキ
G16A型
75.0mm
[+1.0mm]
1361cc
[+37cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:F11A型ディアマンテに搭載される6G71型1998ccの74.7mm、トヨタ:NZE127型プリウスに搭載される1NZ型1496ccの75.0mm、トヨタ:GXE10型マークIIに搭載される1G型1988ccの75.0mm、ホンダ:EK3型シビックに搭載されるD15B型1493ccの75.0mm、ホンダ:EJ4型CR-X デルソルに搭載されるD16A型1590ccの75.0mm、スズキ:GD31S型カルタスに搭載されるG16A型1590ccの75.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
5500rpm
77.0mm9.0m/s14.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.1m/s18km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.4m/s55km/h
8000rpm20.5m/s74km/h
10000rpm25.7m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.0mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは14.1m/sとなり、これは1秒間に14.1メートル(時速にすると50.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では9.0m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.4m/sとなっています。

参考までにストロークが77.0mmのG13A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7790回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


G13A型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スズキ
AA53S
1986/06
カルタス
MR
[E-AA53S]
70PS
10.2kgm
20.0km/L
9.857kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り
車両型式:E-AA53S

カルタス
[MR]
1986/06モデル
最高出力70PS
最大トルク10.2kgm
10-15モード燃費20.0km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りハッチバック
FF/5MT
スズキ
AB53S
1986/06
カルタス
MR
[E-AB53S]
70PS
10.2kgm
18.8km/L
10.286kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り
車両型式:E-AB53S

カルタス
[MR]
1986/06モデル
最高出力70PS
最大トルク10.2kgm
10-15モード燃費18.8km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りハッチバック
FF/5MT

スズキ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】