スバル:KF-DET型エンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 658cc]

ここではスバルのS331N型・ディアスワゴン [RS|2009/09モデル] に搭載されているKF-DET型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

KF-DET型のターボエンジン諸元


S331N型 ディアスワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-S331N型
車名&グレードディアスワゴン
RS
エンジン型式KF-DET
種類直列3気筒
排気量658cc
内径×行程63.0mm×70.4mm
ボアストローク比1.12
単気筒容積219.4cc
圧縮比9.0
吸気方式ターボ
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力64PS/5700rpm
最大トルク10.5kgm/2800rpm

まず基本的な成り立ちとして、KF型エンジンはボア(内径)63.0mm、ストローク(行程)70.4mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてKF-DET型のターボエンジンを搭載している車種は、2009/09から発売された7代目ディアスワゴン [S331N型|2009/09]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は2車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
KFのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷41.0PS → 64PS
トルクの変遷10.5kgm → 8.0kgm
リッター馬力97.3PS/L
リッタートルク16.0kgm/L

今回の参考車両であるディアスワゴンの直列3気筒658cc、圧縮比9.0でレギュラーガソリン仕様のターボエンジンは、5700回転のとき最高出力64馬力を、5700回転のとき最大トルク10.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2800回転での馬力は41.0PS、最高出力が発生する5700回転でのトルクは8.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は97.3PS/L、トルクは16.0kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積219.4cc)あたりの馬力は21.3PS、トルクは3.5kgmです。

KF型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
63.070.4658cc9.01.12
ボアアップによる排気量拡大
63.570.4669cc9.11.11
64.0679cc9.21.10
64.5690cc9.41.09
65.0701cc9.51.08
65.5712cc9.61.07
66.0723cc9.81.07
ストロークアップによる排気量拡大
63.071.4668cc9.11.13
72.4677cc9.21.15
73.4686cc9.41.17
74.4696cc9.51.18
75.4705cc9.61.20

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の63.0mmから0.5mm刻みで66.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の70.4mmから1mm刻みで75.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。KF型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.07に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

KF型エンジンのピストン径63.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが8件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
R06A型
64.0mm
[+1.0mm]
679cc
[+21cc]
ホンダ
S07A型
64.0mm
[+1.0mm]
679cc
[+21cc]
日産
3G83型
65.0mm
[+2.0mm]
701cc
[+43cc]
マツダ
F6A型
65.0mm
[+2.0mm]
701cc
[+43cc]
スズキ
F6B型
65.0mm
[+2.0mm]
701cc
[+43cc]
日産
3B20型
65.4mm
[+2.4mm]
709cc
[+51cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:MG33S型モコに搭載されるR06A型658ccの64.0mm、ホンダ:JF1型N-BOXに搭載されるS07A型658ccの64.0mm、日産:H92W型オッティに搭載される3G83型657ccの65.0mm、マツダ:CZ21S型セルボ モードに搭載されるF6A型657ccの65.0mm、スズキ:CP32S,CP31S型セルボ モードに搭載されるF6B型658ccの65.0mm、日産:HA1W型デイズ ルークスに搭載される3B20型659ccの65.4mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2800rpm
最高出力
5700rpm
70.4mm6.6m/s13.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.7m/s17km/h
4000rpm9.4m/s34km/h
6000rpm14.1m/s51km/h
8000rpm18.8m/s68km/h
10000rpm23.5m/s85km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが70.4mmのエンジンが最高出力を発生する5700回転での平均ピストンスピードは13.4m/sとなり、これは1秒間に13.4メートル(時速にすると48.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2800回転では6.6m/s、最高出力が発生する5700回転より500回転高い6200回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.5m/sとなっています。

参考までにストロークが70.4mmのKF型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.70m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8520回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


KF-DET型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりKF型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スバル
S331N
2009/09
ディアスワゴン
RS
[ABA-S331N]
64PS
10.5kgm
14.8km/L
15.78kg/PS
ターボ
4WD/4AT
軽1BOX
4人乗り

ディアスワゴン
[RS]
2009/09モデル
車両型式ABA-S331N
最高出力64PS
最大トルク10.5kgm
10-15モード燃費14.8km/L
パワーウェイト15.78kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員軽1BOX/4人乗り
スバル
S321N
2009/09
ディアスワゴン
RS
[ABA-S321N]
64PS
10.5kgm
15.2km/L
15.16kg/PS
ターボ
MR/4AT
軽1BOX
4人乗り

ディアスワゴン
[RS]
2009/09モデル
車両型式ABA-S321N
最高出力64PS
最大トルク10.5kgm
10-15モード燃費15.2km/L
パワーウェイト15.16kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機MR/4AT
車体形状&乗車定員軽1BOX/4人乗り
KF型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全192車種

その他のKF型エンジン型式と代表的な車種

KF型
全84車種
ダイハツ:タント [Custom-RS]
最高出力64PS/最大トルク10.5kgm
2011/06モデル
ダイハツ
KF型
全84車種
タント
[Custom-RS]
64PS/10.5kgm
KF型
全38車種
スバル:プレオ [F-Special]
最高出力58PS/最大トルク6.6kgm
2011/07モデル
スバル
KF型
全38車種
プレオ
[F-Special]
58PS/6.6kgm
KF型
全31車種
トヨタ:ピクシス スペース [Custom-RS]
最高出力64PS/最大トルク10.5kgm
2011/09モデル
トヨタ
KF型
全31車種
ピクシス スペース
[Custom-RS]
64PS/10.5kgm
KF-VE型
全20車種
ダイハツ:エッセ [D]
最高出力58PS/最大トルク6.6kgm
2010/04モデル
ダイハツ
KF-VE型
全20車種
エッセ
[D]
58PS/6.6kgm
KF-DET型
全16車種
ダイハツ:ソニカ [RS]
最高出力64PS/最大トルク10.5kgm
2007/08モデル
ダイハツ
KF-DET型
全16車種
ソニカ
[RS]
64PS/10.5kgm
KF-VE型
全1車種
スバル:ルクラ [L]
最高出力58PS/最大トルク6.6kgm
2010/04モデル
スバル
KF-VE型
全1車種
ルクラ
[L]
58PS/6.6kgm

スバル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】