スバル:FB16型NAエンジンの諸元と性能まとめ [水平対向4気筒 1599cc]

ここではスバルのGT3型・XV [1.6i EyeSight|2017/04モデル] に搭載されているFB16型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

FB16型の自然吸気エンジン諸元


GT3型 XV
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-GT3型
車名&グレードXV
1.6i EyeSight
エンジン型式FB16
種類水平対向4気筒
排気量1599cc
内径×行程78.8mm×82.0mm
ボアストローク比1.04
単気筒容積399.9cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力116PS/6200rpm
最大トルク15.1kgm/3600rpm

まず基本的な成り立ちとして、FB16型エンジンはボア(内径)78.8mm、ストローク(行程)82.0mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、FB16型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2011/12から発売された4代目インプレッサG4 [GJ3型|2011/12]、最も新しい車種は2017/04から発売された3代目XV [GT3型|2017/04]となっており、12車種のNA車が登録されています。

関連ページ
スバル:FB16型 ターボ/SCエンジン 諸元と性能まとめ

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
FB16のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷75.9PS → 116PS
トルクの変遷15.1kgm → 13.4kgm
リッター馬力72.5PS/L
リッタートルク9.4kgm/L

今回の参考車両であるXVの水平対向4気筒1599cc、圧縮比11.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6200回転のとき最高出力116馬力を、6200回転のとき最大トルク15.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3600回転での馬力は75.9PS、最高出力が発生する6200回転でのトルクは13.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は72.5PS/L、トルクは9.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.9cc)あたりの馬力は29.0PS、トルクは3.8kgmです。

FB16型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、FB16型の自然吸気エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはGT3型XVの116PS/15.1kgm、最も小さかったのはGJ3型インプレッサG4の115PS/15.1kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
78.882.01599cc11.01.04
ボアアップによる排気量拡大
79.382.01620cc11.11.03
79.81640cc11.21.03
80.31661cc11.41.02
80.81682cc11.51.01
81.31703cc11.71.01
81.81724cc11.81.00
ストロークアップによる排気量拡大
78.883.01619cc11.11.05
84.01639cc11.21.07
85.01658cc11.41.08
86.01678cc11.51.09
87.01697cc11.61.10

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の78.8mmから0.5mm刻みで81.8mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の82.0mmから1mm刻みで87.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。FB16型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.00に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

FB16型エンジンのピストン径78.8mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが33件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
MRA8型
79.7mm
[+0.9mm]
1636cc
[+37cc]
日産
QG18型
80.0mm
[+1.2mm]
1649cc
[+50cc]
いすゞ
4XE1型
80.0mm
[+1.2mm]
1649cc
[+50cc]
いすゞ
4XF1型
80.0mm
[+1.2mm]
1649cc
[+50cc]
レクサス
2ZR型
80.5mm
[+1.7mm]
1669cc
[+70cc]
トヨタ
3ZR型
80.5mm
[+1.7mm]
1669cc
[+70cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:TB17型シルフィに搭載されるMRA8型1798ccの79.7mm、日産:QP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQG18型1769ccの80.0mm、いすゞ:JT191S型ジェミニに搭載される4XE1型1588ccの80.0mm、いすゞ:JT221F型ピアッツァに搭載される4XF1型1809ccの80.0mm、レクサス:ZSP110型ヴォクシーに搭載される2ZR型1797ccの80.5mm、トヨタ:ZRR70W型ヴォクシーに搭載される3ZR型1986ccの80.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3600rpm
最高出力
6200rpm
82.0mm9.8m/s16.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm10.9m/s39km/h
6000rpm16.4m/s59km/h
8000rpm21.9m/s79km/h
10000rpm27.3m/s98km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが82.0mmのエンジンが最高出力を発生する6200回転での平均ピストンスピードは16.9m/sとなり、これは1秒間に16.9メートル(時速にすると60.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3600回転では9.8m/s、最高出力が発生する6200回転より500回転高い6700回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.3m/sとなっています。

参考までにストロークが82.0mmのFB16型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.45m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7320回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


FB16型NAエンジンを搭載する車種の例

全12車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりFB16型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スバル
GT3
2017/04
XV
1.6i EyeSight
[DBA-GT3]
116PS
15.1kgm
16.2km/L
12.155kg/PS
自然吸気
4WD/CVT
SUV
5人乗り

XV
[1.6i EyeSight]
2017/04モデル
車両型式DBA-GT3
最高出力116PS
最大トルク15.1kgm
JC08モード燃費16.2km/L
パワーウェイト12.155kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
スバル
GK2
2016/12
インプレッサ スポーツ
1.6i-L EyeSight
[DBA-GK2]
116PS
15.1kgm
18.2km/L
11.207kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ワゴン
5人乗り

インプレッサ スポーツ
[1.6i-L EyeSight]
2016/12モデル
車両型式DBA-GK2
最高出力116PS
最大トルク15.1kgm
JC08モード燃費18.2km/L
パワーウェイト11.207kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
スバル
GK2
2016/12
インプレッサG4
1.6i-L EyeSight
[DBA-GK2]
116PS
15.1kgm
18.2km/L
11.210kg/PS
自然吸気
FF/CVT
セダン
5人乗り

インプレッサG4
[1.6i-L EyeSight]
2016/12モデル
車両型式DBA-GK2
最高出力116PS
最大トルク15.1kgm
JC08モード燃費18.2km/L
パワーウェイト11.210kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
FB16型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全14車種

スバル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】