スバル:FA20型ターボエンジンの諸元と性能まとめ [水平対向4気筒 1998cc]

ここではスバルのVMG型・レヴォーグ [2.0GT-S EyeSight|2014/06モデル] に搭載されているFA20型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

FA20型のターボエンジン諸元


VMG型 レヴォーグ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-VMG型
車名&グレードレヴォーグ
2.0GT-S EyeSight
エンジン型式FA20
種類水平対向4気筒
排気量1998cc
内径×行程86.0mm×86.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積499.5cc
圧縮比10.6
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力300PS/5600rpm
最大トルク40.8kgm/2000-4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、FA20型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、FA20型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2009/05から発売された5代目レガシィ ツーリングワゴン [BRG型|2012/09]、最も新しい車種は2014/08から発売された初代WRX S4 [VAG型|2020/07]となっており、10車種のターボ/SC車が登録されています。

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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
FA20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷113.9PS → 300PS
トルクの変遷40.8kgm → 38.4kgm
リッター馬力150.15PS/L
リッタートルク20.4kgm/L

今回の参考車両であるレヴォーグの水平対向4気筒1998cc、圧縮比10.6でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5600回転のとき最高出力300馬力を、5600回転のとき最大トルク40.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は113.9PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは38.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は150.15PS/L、トルクは20.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの馬力は75.0PS、トルクは10.2kgmです。

FA20型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、FA20型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはVMG型レヴォーグの300PS/40.8kgm、最も小さかったのはSJG型フォレスターの280PS/35.7kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.086.01998cc10.61.00
ボアアップによる排気量拡大
86.586.02021cc10.70.99
87.02045cc10.80.99
87.52068cc10.90.98
88.02092cc11.10.98
88.52116cc11.20.97
89.02140cc11.30.97
ストロークアップによる排気量拡大
86.087.02021cc10.71.01
88.02045cc10.81.02
89.02068cc10.91.03
90.02091cc11.11.05
91.02114cc11.21.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで89.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。FA20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

FA20型エンジンのピストン径86.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが8件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
VG30型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
RB-X GT2型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
マツダ
L3型
87.5mm
[+1.5mm]
2068cc
[+70cc]
トヨタ
G16E型
87.5mm
[+1.5mm]
2068cc
[+70cc]
レクサス
T24A型
87.5mm
[+1.5mm]
2068cc
[+70cc]
いすゞ
4ZC1型
88.0mm
[+2.0mm]
2092cc
[+94cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:GCZ32型フェアレディZに搭載されるVG30型2960ccの87.0mm、日産:BCNR33型スカイラインGT-Rに搭載されるRB-X GT2型2771ccの87.0mm、マツダ:GG3P型マツダスピード アテンザに搭載されるL3型2260ccの87.5mm、トヨタ:GZEA14H型GRカローラに搭載されるG16E型1618ccの87.5mm、レクサス:TAZA25型ヴェルファイアに搭載されるT24A型2393ccの87.5mm、いすゞ:JR120型ピアッツァに搭載される4ZC1型1994ccの88.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2000rpm
最高出力
5600rpm
86.0mm5.7m/s16.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは16.1m/sとなり、これは1秒間に16.1メートル(時速にすると58.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では5.7m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.5m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのFA20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


FA20型ターボエンジンを搭載する車種の例

全10車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりFA20型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スバル
VMG
2014/06
レヴォーグ
2.0GT-S EyeSight
[DBA-VMG]
300PS
40.8kgm
13.2km/L
5.200kg/PS
ターボ
4WD/CVT
ワゴン
5人乗り
車両型式:DBA-VMG

レヴォーグ
[2.0GT-S EyeSight]
2014/06モデル
最高出力300PS
最大トルク40.8kgm
JC08モード燃費13.2km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りワゴン
4WD/CVT
スバル
VAG
2014/08
WRX S4
2.0GT EyeSight
[DBA-VAG]
300PS
40.8kgm
13.2km/L
5.133kg/PS
ターボ
4WD/CVT
セダン
5人乗り
車両型式:DBA-VAG

WRX S4
[2.0GT EyeSight]
2014/08モデル
最高出力300PS
最大トルク40.8kgm
JC08モード燃費13.2km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りセダン
4WD/CVT
スバル
BRG
2012/09
レガシィ ツーリングワゴン
2.0GT-DIT EyeSight
[DBA-BRG]
300PS
40.8kgm
12.4km/L
5.333kg/PS
ターボ
4WD/CVT
ワゴン
5人乗り
車両型式:DBA-BRG

レガシィ ツーリングワゴン
[2.0GT-DIT EyeSight]
2012/09モデル
最高出力300PS
最大トルク40.8kgm
JC08モード燃費12.4km/L
10-15モード燃費13.2km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りワゴン
4WD/CVT
FA20型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全24車種

その他のFA20型エンジン型式と代表的な車種

FA20型
全7車種
トヨタ:86 ハチロク [GT]
最高出力200PS/最大トルク20.9kgm
2012/04モデル
トヨタ
FA20型
全7車種
86 ハチロク
[GT]
200PS/20.9kgm
FA20-GR型
全1車種
トヨタ:86 ハチロク [GRMN]
最高出力219PS/最大トルク22.1kgm
2016/02モデル
トヨタ
FA20-GR型
全1車種
86 ハチロク
[GRMN]
219PS/22.1kgm

スバル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】