スバル:EJ20型NAエンジンの諸元と性能まとめ [水平対向4気筒 1994cc]

ここではスバルのBL5型・レガシィB4 [2.0R|2006/05モデル] に搭載されているEJ20型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

EJ20型の自然吸気エンジン諸元


BL5型 レガシィB4
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式TA-BL5型
車名&グレードレガシィB4
2.0R
エンジン型式EJ20
種類水平対向4気筒
排気量1994cc
内径×行程92.0mm×75.0mm
ボアストローク比0.81
単気筒容積498.6cc
圧縮比11.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力190PS/7100rpm
最大トルク20.0kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、EJ20型エンジンはボア(内径)92.0mm、ストローク(行程)75.0mm、ボアストローク比0.81のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、EJ20型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1989/02から発売された初代レガシィ [BCA型|1990/05]、最も新しい車種は2008/06から発売された初代エクシーガ [YA4型|2011/06]となっており、65車種のNA車が登録されています。

関連ページ
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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
EJ20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷122.8PS → 190PS
トルクの変遷20.0kgm → 19.2kgm
リッター馬力95.3PS/L
リッタートルク10.0kgm/L

今回の参考車両であるレガシィB4の水平対向4気筒1994cc、圧縮比11.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7100回転のとき最高出力190馬力を、7100回転のとき最大トルク20.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は122.8PS、最高出力が発生する7100回転でのトルクは19.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は95.3PS/L、トルクは10.0kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積498.6cc)あたりの馬力は47.5PS、トルクは5.0kgmです。

EJ20型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 9 ]、換算トルクが[ 7 ]の「かなりの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、EJ20型の自然吸気エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはBL5型レガシィB4の190PS/20.0kgm、最も小さかったのはBG5型レガシィ ツーリングワゴンの135PS/18.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
92.075.01994cc11.50.81
ボアアップによる排気量拡大
92.575.02016cc11.60.81
93.02038cc11.70.81
93.52060cc11.80.80
94.02082cc11.90.80
94.52104cc12.10.79
95.02126cc12.20.79
ストロークアップによる排気量拡大
92.076.02021cc11.60.83
77.02047cc11.80.84
78.02074cc11.90.85
79.02101cc12.10.86
80.02127cc12.20.87

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の92.0mmから0.5mm刻みで95.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の75.0mmから1mm刻みで80.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.81からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。EJ20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.81から0.79に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

EJ20型エンジンのピストン径92.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが24件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
VQ30型
93.0mm
[+1.0mm]
2038cc
[+44cc]
三菱
6G74型
93.0mm
[+1.0mm]
2038cc
[+44cc]
日産
VH41型
93.0mm
[+1.0mm]
2038cc
[+44cc]
日産
VH45型
93.0mm
[+1.0mm]
2038cc
[+44cc]
日産
VK45型
93.0mm
[+1.0mm]
2038cc
[+44cc]
ホンダ
C32B型
93.0mm
[+1.0mm]
2038cc
[+44cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:HV35型プレサージュに搭載されるVQ30型2987ccの93.0mm、三菱:S27A型デボネアに搭載される6G74型3496ccの93.0mm、日産:FGY33型シーマに搭載されるVH41型4130ccの93.0mm、日産:HG50型インフィニティQ45に搭載されるVH45型4494ccの93.0mm、日産:GY50型フーガに搭載されるVK45型4494ccの93.0mm、ホンダ:NA2型NSXに搭載されるC32B型3179ccの93.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
7100rpm
75.0mm11.0m/s17.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.0m/s18km/h
4000rpm10.0m/s36km/h
6000rpm15.0m/s54km/h
8000rpm20.0m/s72km/h
10000rpm25.0m/s90km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが75.0mmのエンジンが最高出力を発生する7100回転での平均ピストンスピードは17.8m/sとなり、これは1秒間に17.8メートル(時速にすると64.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では11.0m/s、最高出力が発生する7100回転より500回転高い7600回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.0m/sとなっています。

参考までにストロークが75.0mmのEJ20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.00m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8000回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


EJ20型NAエンジンを搭載する車種の例

全65車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりEJ20型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スバル
BL5
2006/05
レガシィB4
2.0R
[TA-BL5]
190PS
20.0kgm
13.4km/L
7.158kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
セダン
5人乗り

レガシィB4
[2.0R]
2006/05モデル
車両型式TA-BL5
最高出力190PS
最大トルク20.0kgm
10-15モード燃費13.4km/L
パワーウェイト7.158kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
スバル
BP5
2007/05
レガシィ ツーリングワゴン
2.0R Spec-B
[ABA-BP5]
190PS
20.0kgm
13.4km/L
7.320kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
ワゴン
5人乗り

レガシィ ツーリングワゴン
[2.0R Spec-B]
2007/05モデル
車両型式ABA-BP5
最高出力190PS
最大トルク20.0kgm
10-15モード燃費13.4km/L
パワーウェイト7.320kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
スバル
BP5
2007/05
レガシィ ツーリングワゴン
2.0R Spec-B
[ABA-BP5]
180PS
20.0kgm
13.0km/L
7.833kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ワゴン
5人乗り

レガシィ ツーリングワゴン
[2.0R Spec-B]
2007/05モデル
車両型式ABA-BP5
最高出力180PS
最大トルク20.0kgm
10-15モード燃費13.0km/L
パワーウェイト7.833kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
EJ20型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全155車種

その他のEJ20型エンジン型式と代表的な車種

EJ20型
全4車種
いすゞ:アスカ [CX type-Z]
最高出力140PS/最大トルク18.0kgm
1992/06モデル
いすゞ
EJ20型
全4車種
アスカ
[CX type-Z]
140PS/18.0kgm

スバル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】