スバル:EJ18型エンジンの諸元と性能まとめ [水平対向4気筒 1820cc]

ここではスバルのBD2型・レガシィ [LX|1997/09モデル] に搭載されているEJ18型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

EJ18型の自然吸気エンジン諸元


BD2型 レガシィ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-BD2型
車名&グレードレガシィ
LX
エンジン型式EJ18
種類水平対向4気筒
排気量1820cc
内径×行程87.9mm×75.0mm
ボアストローク比0.85
単気筒容積455.1cc
圧縮比9.7
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力120PS/5600rpm
最大トルク16.7kgm/3600rpm

まず基本的な成り立ちとして、EJ18型エンジンはボア(内径)87.9mm、ストローク(行程)75.0mm、ボアストローク比0.85のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、EJ18型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1989/02から発売された初代レガシィ ツーリングワゴン [BF3型|1992/06]、最も新しい車種は1992/11から発売された初代インプレッサ スポーツワゴン [GF6型|1999/09]となっており、NA車は19車種、ターボ/SC車は0車種の全19車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
EJ18のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷83.9PS → 120PS
トルクの変遷16.7kgm → 15.3kgm
リッター馬力65.9PS/L
リッタートルク9.2kgm/L

今回の参考車両であるレガシィの水平対向4気筒1820cc、圧縮比9.7でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力120馬力を、5600回転のとき最大トルク16.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3600回転での馬力は83.9PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは15.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は65.9PS/L、トルクは9.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積455.1cc)あたりの馬力は30.0PS、トルクは4.2kgmです。

EJ18型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、EJ18型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはBD2型レガシィの120PS/16.7kgm、最も小さかったのはBF3型レガシィ ツーリングワゴンの110PS/15.2kgmとなっています。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
87.975.01820cc9.70.85
ボアアップによる排気量拡大
88.475.01841cc9.80.85
88.91862cc9.90.84
89.41883cc10.00.84
89.91904cc10.10.83
90.41925cc10.20.83
90.91947cc10.30.83
ストロークアップによる排気量拡大
87.976.01845cc9.80.86
77.01869cc9.90.88
78.01893cc10.00.89
79.01918cc10.20.90
80.01942cc10.30.91

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の87.9mmから0.5mm刻みで90.9mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の75.0mmから1mm刻みで80.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.85からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。EJ18型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.85から0.83に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

EJ18型エンジンのピストン径87.9mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが20件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
2AZ型
88.5mm
[+0.6mm]
1845cc
[+25cc]
日産
QR25型
89.0mm
[+1.1mm]
1866cc
[+46cc]
マツダ
PY型
89.0mm
[+1.1mm]
1866cc
[+46cc]
日産
QR20型
89.0mm
[+1.1mm]
1866cc
[+46cc]
日産
KA24型
89.0mm
[+1.1mm]
1866cc
[+46cc]
マツダ
L5型
89.0mm
[+1.1mm]
1866cc
[+46cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:ANH20W型エスティマ ハイブリッドに搭載される2AZ型2362ccの88.5mm、日産:WRP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQR25型2488ccの89.0mm、マツダ:GJ5FP型アテンザ ワゴンに搭載されるPY型2488ccの89.0mm、日産:TG10型ブルーバード シルフィに搭載されるQR20型1998ccの89.0mm、日産:JQGE25型ルネッサに搭載されるKA24型2388ccの89.0mm、マツダ:GH5FW型アテンザ スポーツワゴンに搭載されるL5型2488ccの89.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3600rpm
最高出力
5600rpm
75.0mm9.0m/s14.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.0m/s18km/h
4000rpm10.0m/s36km/h
6000rpm15.0m/s54km/h
8000rpm20.0m/s72km/h
10000rpm25.0m/s90km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが75.0mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは14.0m/sとなり、これは1秒間に14.0メートル(時速にすると50.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3600回転では9.0m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.2m/sとなっています。

参考までにストロークが75.0mmのEJ18型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.00m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8000回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


EJ18型エンジンを搭載する車種の例

全19車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりEJ18型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スバル
BD2
1997/09
レガシィ
LX
[E-BD2]
120PS
16.7kgm
12.2km/L
10.000kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

レガシィ
[LX]
1997/09モデル
車両型式E-BD2
最高出力120PS
最大トルク16.7kgm
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト10.000kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
スバル
BD2
1996/06
レガシィ
LX
[E-BD2]
120PS
16.7kgm
14.4km/L
9.500kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

レガシィ
[LX]
1996/06モデル
車両型式E-BD2
最高出力120PS
最大トルク16.7kgm
10-15モード燃費14.4km/L
パワーウェイト9.500kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
スバル
BD3
1997/09
レガシィ
LX
[E-BD3]
120PS
16.7kgm
11.4km/L
10.580kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
セダン
5人乗り

レガシィ
[LX]
1997/09モデル
車両型式E-BD3
最高出力120PS
最大トルク16.7kgm
10-15モード燃費11.4km/L
パワーウェイト10.580kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
EJ18型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全21車種

その他のEJ18型エンジン型式と代表的な車種

EJ18型
全2車種
いすゞ:アスカ [CX type-T]
最高出力110PS/最大トルク15.2kgm
1992/06モデル
いすゞ
EJ18型
全2車種
アスカ
[CX type-T]
110PS/15.2kgm

スバル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】