スバル:EF12型エンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 1189cc]

ここではスバルのKA8型・ジャスティ [Myme-II|1992/09モデル] に搭載されているEF12型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

EF12型の自然吸気エンジン諸元


KA8型 ジャスティ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-KA8型
車名&グレードジャスティ
Myme-II
エンジン型式EF12
種類直列3気筒
排気量1189cc
内径×行程78.0mm×83.0mm
ボアストローク比1.06
単気筒容積396.6cc
圧縮比9.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力73PS/6000rpm
最大トルク10.0kgm/3600rpm

まず基本的な成り立ちとして、EF12型エンジンはボア(内径)78.0mm、ストローク(行程)83.0mm、ボアストローク比1.06のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、EF12型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1983から発売された初代ドミンゴ [KJ8型|1992/09]、最も新しい車種は1994/06から発売された2代目ドミンゴ [FA8型|1996/09]となっており、NA車は12車種、ターボ/SC車は0車種の全12車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
EF12のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷50.3PS → 73PS
トルクの変遷10.0kgm → 8.7kgm
リッター馬力61.4PS/L
リッタートルク8.4kgm/L

今回の参考車両であるジャスティの直列3気筒1189cc、圧縮比9.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力73馬力を、6000回転のとき最大トルク10.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3600回転での馬力は50.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは8.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は61.4PS/L、トルクは8.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積396.6cc)あたりの馬力は24.3PS、トルクは3.3kgmです。

EF12型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 3 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、EF12型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはKA8型ジャスティの73PS/10.0kgm、最も小さかったのはKJ8型ドミンゴの52PS/9.7kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
78.083.01189cc9.51.06
ボアアップによる排気量拡大
78.583.01205cc9.61.06
79.01220cc9.71.05
79.51236cc9.81.04
80.01252cc9.91.04
80.51267cc10.01.03
81.01283cc10.21.02
ストロークアップによる排気量拡大
78.084.01204cc9.61.08
85.01218cc9.71.09
86.01233cc9.81.10
87.01247cc9.91.12
88.01261cc10.01.13

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の78.0mmから0.5mm刻みで81.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の83.0mmから1mm刻みで88.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。EF12型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.06から1.02に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

EF12型エンジンのピストン径78.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが32件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
5A型
78.7mm
[+0.7mm]
1211cc
[+22cc]
スバル
FB16型
78.8mm
[+0.8mm]
1214cc
[+25cc]
トヨタ
1ZZ型
79.0mm
[+1.0mm]
1220cc
[+31cc]
日産
MRA8型
79.7mm
[+1.7mm]
1242cc
[+53cc]
日産
QG18型
80.0mm
[+2.0mm]
1252cc
[+63cc]
いすゞ
4XE1型
80.0mm
[+2.0mm]
1252cc
[+63cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:AE91型カローラ レビンに搭載される5A型1498ccの78.7mm、スバル:GT3型XVに搭載されるFB16型1599ccの78.8mm、トヨタ:ZZT230型セリカに搭載される1ZZ型1794ccの79.0mm、日産:TB17型シルフィに搭載されるMRA8型1798ccの79.7mm、日産:QP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQG18型1769ccの80.0mm、いすゞ:JT191S型ジェミニに搭載される4XE1型1588ccの80.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1200ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1200ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1200ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1200ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1200ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1200ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3600rpm
最高出力
6000rpm
83.0mm10.0m/s16.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm11.1m/s40km/h
6000rpm16.6m/s60km/h
8000rpm22.1m/s80km/h
10000rpm27.7m/s100km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが83.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは16.6m/sとなり、これは1秒間に16.6メートル(時速にすると59.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3600回転では10.0m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.0m/sとなっています。

参考までにストロークが83.0mmのEF12型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7230回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


EF12型エンジンを搭載する車種の例

全12車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりEF12型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
スバル
KA8
1992/09
ジャスティ
Myme-II
[E-KA8]
73PS
10.0kgm
15.0km/L
11.10kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
ハッチバック
5人乗り

ジャスティ
[Myme-II]
1992/09モデル
車両型式E-KA8
最高出力73PS
最大トルク10.0kgm
10-15モード燃費15.0km/L
パワーウェイト11.10kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
スバル
KA7
1992/09
ジャスティ
Myme
[E-KA7]
73PS
10.0kgm
16.0km/L
10.55kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ジャスティ
[Myme]
1992/09モデル
車両型式E-KA7
最高出力73PS
最大トルク10.0kgm
10-15モード燃費16.0km/L
パワーウェイト10.55kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
スバル
KA7
1992/09
ジャスティ
Myme
[E-KA7]
73PS
10.0kgm
15.6km/L
10.82kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ハッチバック
5人乗り

ジャスティ
[Myme]
1992/09モデル
車両型式E-KA7
最高出力73PS
最大トルク10.0kgm
10-15モード燃費15.6km/L
パワーウェイト10.82kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
EF12型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全12車種

スバル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】