ローバー:F20Z1型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1997cc]

ここではローバーのRHF20型・600 [620SLi|1998/12モデル] に搭載されているF20Z1型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

F20Z1型の自然吸気エンジン諸元


RHF20型 600
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-RHF20型
車名&グレード600
620SLi
エンジン型式F20Z1
種類直列4気筒
排気量1997cc
内径×行程85.0mm×88.0mm
ボアストローク比1.03
単気筒容積499.3cc
圧縮比9.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力131PS/5400rpm
最大トルク18.1kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、F20A型エンジンはボア(内径)85.0mm、ストローク(行程)88.0mm、ボアストローク比1.03のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
F20Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷121.3PS → 131PS
トルクの変遷18.1kgm → 17.4kgm
リッター馬力65.6PS/L
リッタートルク9.1kgm/L

今回の参考車両である600の直列4気筒1997cc、圧縮比9.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5400回転のとき最高出力131馬力を、5400回転のとき最大トルク18.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は121.3PS、最高出力が発生する5400回転でのトルクは17.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は65.6PS/L、トルクは9.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.3cc)あたりの馬力は32.8PS、トルクは4.5kgmです。

F20A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 5 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
85.088.01997cc9.51.03
ボアアップによる排気量拡大
85.588.02021cc9.61.03
86.02045cc9.71.02
86.52068cc9.81.02
87.02092cc9.91.01
87.52117cc10.01.01
88.02141cc10.11.00
ストロークアップによる排気量拡大
85.089.02020cc9.61.05
90.02043cc9.71.06
91.02065cc9.81.07
92.02088cc9.91.08
93.02111cc10.01.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の85.0mmから0.5mm刻みで88.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の88.0mmから1mm刻みで93.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。F20A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.03から1.00に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

F20A型エンジンのピストン径85.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが58件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
SR20型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
トヨタ
3S型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
トヨタ
1JZ型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
日産
RB25型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
トヨタ
1AZ型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
トヨタ
2JZ型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:HP12型プリメーラに搭載されるSR20型1998ccの86.0mm、トヨタ:SXE10型ビスタ アルデオに搭載される3S型1998ccの86.0mm、トヨタ:JZS171型クラウンに搭載される1JZ型2491ccの86.0mm、日産:ER34型スカイライン セダンに搭載されるRB25型2498ccの86.0mm、トヨタ:AZR60G型ヴォクシーに搭載される1AZ型1998ccの86.0mm、トヨタ:JZS177型クラウン マジェスタに搭載される2JZ型2997ccの86.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
5400rpm
88.0mm14.1m/s15.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.7m/s42km/h
6000rpm17.6m/s63km/h
8000rpm23.5m/s85km/h
10000rpm29.3m/s105km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.0mmのエンジンが最高出力を発生する5400回転での平均ピストンスピードは15.8m/sとなり、これは1秒間に15.8メートル(時速にすると56.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では14.1m/s、最高出力が発生する5400回転より500回転高い5900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.3m/sとなっています。

参考までにストロークが88.0mmのF20A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6820回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


F20Z1型エンジンを搭載する車種の例

全1車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりF20A型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ローバー
RHF20
1998/12
600
620SLi
[E-RHF20]
131PS
18.1kgm
9.7km/L
10.23kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

600
[620SLi]
1998/12モデル
車両型式E-RHF20
最高出力131PS
最大トルク18.1kgm
10-15モード燃費9.7km/L
パワーウェイト10.23kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
F20A型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全12車種

その他のF20A型エンジン型式と代表的な車種

F20A型
全12車種
ホンダ:アコード クーペ [2.0Si]
最高出力150PS/最大トルク19.0kgm
1992/02モデル
ホンダ
F20A型
全12車種
アコード クーペ
[2.0Si]
150PS/19.0kgm

ローバー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】