ローバー:16K型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1588cc]

ここではローバーのXW16型・クーペ [BaseGrade|1996/08モデル] に搭載されている16K型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

16K型の自然吸気エンジン諸元


XW16型 クーペ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-XW16型
車名&グレードクーペ
BaseGrade
エンジン型式16K
種類直列4気筒
排気量1588cc
内径×行程80.0mm×79.0mm
ボアストローク比0.99
単気筒容積397.1cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力111PS/6000rpm
最大トルク14.8kgm/3000rpm

まず基本的な成り立ちとして、16K型エンジンはボア(内径)80.0mm、ストローク(行程)79.0mm、ボアストローク比0.99のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、16K型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1996/08から発売された初代クーペ [XW16型|1996/08]、最も新しい車種は1996/09から発売された初代カブリオレ [XW16K型|1997/04]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
16Kのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷62.0PS → 111PS
トルクの変遷14.8kgm → 13.3kgm
リッター馬力69.9PS/L
リッタートルク9.3kgm/L

今回の参考車両であるクーペの直列4気筒1588cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力111馬力を、6000回転のとき最大トルク14.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3000回転での馬力は62.0PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは13.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は69.9PS/L、トルクは9.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積397.1cc)あたりの馬力は27.8PS、トルクは3.7kgmです。

16K型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
80.079.01588cc10.50.99
ボアアップによる排気量拡大
80.579.01608cc10.60.98
81.01628cc10.70.98
81.51648cc10.90.97
82.01669cc11.00.96
82.51689cc11.10.96
83.01710cc11.20.95
ストロークアップによる排気量拡大
80.080.01608cc10.61.00
81.01629cc10.71.01
82.01649cc10.91.02
83.01669cc11.01.04
84.01689cc11.11.05

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の80.0mmから0.5mm刻みで83.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の79.0mmから1mm刻みで84.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.99からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。16K型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.99から0.95に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

16K型エンジンのピストン径80.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが37件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G37型
80.6mm
[+0.6mm]
1612cc
[+24cc]
三菱
G37B型
80.6mm
[+0.6mm]
1612cc
[+24cc]
三菱
G62B型
80.6mm
[+0.6mm]
1612cc
[+24cc]
トヨタ
4A型
81.0mm
[+1.0mm]
1628cc
[+40cc]
三菱
4G93型
81.0mm
[+1.0mm]
1628cc
[+40cc]
三菱
4G92型
81.0mm
[+1.0mm]
1628cc
[+40cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:E37A型エテルナサヴァに搭載される4G37型1755ccの80.6mm、三菱:E12A型エテルナシグマに搭載されるG37B型1755ccの80.6mm、三菱:E13A型エテルナシグマに搭載されるG62B型1795ccの80.6mm、トヨタ:AE111型カローラ レビンに搭載される4A型1587ccの81.0mm、三菱:CD5W型リベロに搭載される4G93型1834ccの81.0mm、三菱:CA4A型ミラージュに搭載される4G92型1597ccの81.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3000rpm
最高出力
6000rpm
79.0mm7.9m/s15.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.3m/s19km/h
4000rpm10.5m/s38km/h
6000rpm15.8m/s57km/h
8000rpm21.1m/s76km/h
10000rpm26.3m/s95km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが79.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.8m/sとなり、これは1秒間に15.8メートル(時速にすると56.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3000回転では7.9m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.1m/sとなっています。

参考までにストロークが79.0mmの16K型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.25m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7590回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


16K型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ローバー
XW16
1996/08
クーペ
BaseGrade
[E-XW16]
111PS
14.8kgm
-
10.27kg/PS
自然吸気
FF/CVT
クーペ
4人乗り

クーペ
[BaseGrade]
1996/08モデル
車両型式E-XW16
最高出力111PS
最大トルク14.8kgm
パワーウェイト10.27kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
ローバー
XW16K
1997/04
カブリオレ
BaseGrade
[E-XW16K]
111PS
14.8kgm
-
10.54kg/PS
自然吸気
FF/CVT
オープンカー
4人乗り

カブリオレ
[BaseGrade]
1997/04モデル
車両型式E-XW16K
最高出力111PS
最大トルク14.8kgm
パワーウェイト10.54kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員オープンカー/4人乗り
ローバー
XW16W
1997/04
トゥアラー
BaseGrade
[E-XW16W]
111PS
14.8kgm
-
10.45kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ワゴン
5人乗り

トゥアラー
[BaseGrade]
1997/04モデル
車両型式E-XW16W
最高出力111PS
最大トルク14.8kgm
パワーウェイト10.45kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
ローバー
RF16
1997/04
200
200Si
[E-RF16]
111PS
14.8kgm
10.2km/L
9.37kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ハッチバック
5人乗り

200
[200Si]
1997/04モデル
車両型式E-RF16
最高出力111PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費10.2km/L
パワーウェイト9.37kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り

ローバー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】