ロールスロイス:L410MT型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒 6747cc]

ここではロールスロイス・パークウォード [BaseGrade|1998/03モデル] に搭載されているL410MT型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

L410MT型のターボエンジン諸元


パークウォード
主要諸元と走行性能まとめ
車名&グレードパークウォード
BaseGrade
エンジン型式L410MT
種類V型8気筒
排気量6747cc
内径×行程104.1mm×99.1mm
ボアストローク比0.95
単気筒容積843.4cc
圧縮比8.0
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力305PS/4000rpm
最大トルク61.2kgm/2000rpm

まず基本的な成り立ちとして、L410MT型エンジンはボア(内径)104.1mm、ストローク(行程)99.1mm、ボアストローク比0.95のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにてL410MT型のターボエンジンを搭載している車種は、1996/09から発売された初代パークウォード [1998/03]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は2車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
L410MTのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷170.9PS → 305PS
トルクの変遷61.2kgm → 54.6kgm
リッター馬力45.2PS/L
リッタートルク9.1kgm/L

今回の参考車両であるパークウォードのV型8気筒6747cc、圧縮比8.0でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、4000回転のとき最高出力305馬力を、4000回転のとき最大トルク61.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は170.9PS、最高出力が発生する4000回転でのトルクは54.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は45.2PS/L、トルクは9.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積843.4cc)あたりの馬力は38.1PS、トルクは7.7kgmです。

L410MT型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 1 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
104.199.16747cc8.00.95
ボアアップによる排気量拡大
104.699.16812cc8.10.95
105.16878cc8.10.94
105.66943cc8.20.94
106.17009cc8.30.93
106.67075cc8.30.93
107.17142cc8.40.93
ストロークアップによる排気量拡大
104.1100.16816cc8.10.96
101.16884cc8.10.97
102.16952cc8.20.98
103.17020cc8.30.99
104.17088cc8.41.00

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の104.1mmから0.5mm刻みで107.1mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の99.1mmから1mm刻みで104.1mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.95からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。L410MT型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.95から0.93に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2000rpm
最高出力
4000rpm
99.1mm6.6m/s13.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.6m/s24km/h
4000rpm13.2m/s48km/h
6000rpm19.8m/s71km/h
8000rpm26.4m/s95km/h
10000rpm33.0m/s119km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが99.1mmのエンジンが最高出力を発生する4000回転での平均ピストンスピードは13.2m/sとなり、これは1秒間に13.2メートル(時速にすると47.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では6.6m/s、最高出力が発生する4000回転より500回転高い4500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.9m/sとなっています。

参考までにストロークが99.1mmのL410MT型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.60m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6050回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


L410MT型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ロールスロイス
-
1998/03
パークウォード
BaseGrade
[型式不明]
305PS
61.2kgm
-
8.85kg/PS
ターボ
FR/5AT
セダン
7人乗り

パークウォード
[BaseGrade]
1998/03モデル
車両型式
最高出力305PS
最大トルク61.2kgm
パワーウェイト8.85kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FR/5AT
車体形状&乗車定員セダン/7人乗り
ロールスロイス
-
1998/03
シルバースパーウィズディビジョン
BaseGrade
[型式不明]
305PS
61.2kgm
-
8.43kg/PS
ターボ
FR/4AT
セダン
5人乗り

シルバースパーウィズディビジョン
[BaseGrade]
1998/03モデル
車両型式
最高出力305PS
最大トルク61.2kgm
パワーウェイト8.43kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り