ルノー:M5P型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1798cc]

ここではルノーのBBM5P型・メガーヌ [Renault-Sport CUP|2019/03モデル] に搭載されているM5P型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

M5P型のターボエンジン諸元


BBM5P型 メガーヌ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-BBM5P型
車名&グレードメガーヌ
Renault-Sport CUP
エンジン型式M5P
種類直列4気筒
排気量1798cc
内径×行程79.7mm×90.1mm
ボアストローク比1.13
単気筒容積449.5cc
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力279PS/6000rpm
最大トルク39.8kgm/2400rpm

まず基本的な成り立ちとして、M5P型エンジンはボア(内径)79.7mm、ストローク(行程)90.1mm、ボアストローク比1.13のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、M5P型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2018/06から発売された2代目アルピーヌ A110 [DFM5P型|2018/06]、最も新しい車種は2017/11から発売された4代目メガーヌ [BBM5P型|2019/03]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は3車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
M5Pのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷133.3PS → 279PS
トルクの変遷39.8kgm → 33.3kgm
リッター馬力155.2PS/L
リッタートルク22.1kgm/L

今回の参考車両であるメガーヌの直列4気筒1798ccでハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、6000回転のとき最高出力279馬力を、6000回転のとき最大トルク39.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2400回転での馬力は133.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは33.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は155.2PS/L、トルクは22.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積449.5cc)あたりの馬力は69.8PS、トルクは9.9kgmです。

M5P型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
79.7mm90.1mm1798cc-1.13
ボアアップによる排気量拡大
80.2mm90.1mm1821cc-1.12
80.7mm1843cc-1.12
81.2mm1866cc-1.11
81.7mm1889cc-1.10
82.2mm1913cc-1.10
82.7mm1936cc-1.09
ストロークアップによる排気量拡大
79.7mm91.1mm1818cc-1.14
92.1mm1838cc-1.16
93.1mm1858cc-1.17
94.1mm1878cc-1.18
95.1mm1898cc-1.19

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の79.7mmから0.5mm刻みで82.7mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の90.1mmから1mm刻みで95.1mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。M5P型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.13から1.09に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

M5P型エンジンのピストン径79.7mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが9件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
KJ-ZEM型
80.3mm
[+0.6mm]
1825cc
[+27cc]
トヨタ
2ZR-FE型
80.5mm
[+0.8mm]
1834cc
[+36cc]
三菱
4D65型
80.6mm
[+0.9mm]
1839cc
[+41cc]
トヨタ
4A-GZE型
81.0mm
[+1.3mm]
1857cc
[+59cc]
三菱
6A13型
81.0mm
[+1.3mm]
1857cc
[+59cc]
三菱
4G93型
81.0mm
[+1.3mm]
1857cc
[+59cc]

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2400rpm
最高出力
6000rpm
90.1mm7.2m/s18.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s22km/h
4000rpm12.0m/s43km/h
6000rpm18.0m/s65km/h
8000rpm24.0m/s86km/h
10000rpm30.0m/s108km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが90.1mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは18.0m/sとなり、これは1秒間に18.0メートル(時速にすると64.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2400回転では7.2m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.5m/sとなっています。

参考までにストロークが90.1mmのM5P型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.00m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6660回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


M5P型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ルノー
BBM5P
2019/03
メガーヌ
Renault-Sport CUP
[ABA-BBM5P]
279PS
39.8kgm
12.6km/L
5.23kg/PS
ターボ
FF/6MT
ハッチバック
5人乗り

メガーヌ
[Renault-Sport CUP]
2019/03モデル
車両型式ABA-BBM5P
最高出力279PS
最大トルク39.8kgm
JC08モード燃費12.6km/L
パワーウェイト5.23kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
ルノー
BBM5P
2018/08
メガーヌ
Renault-Sport
[ABA-BBM5P]
279PS
39.8kgm
13.3km/L
5.30kg/PS
ターボ
FF/6AT
ハッチバック
5人乗り

メガーヌ
[Renault-Sport]
2018/08モデル
車両型式ABA-BBM5P
最高出力279PS
最大トルク39.8kgm
JC08モード燃費13.3km/L
パワーウェイト5.30kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
ルノー
DFM5P
アルピーヌ A110
Premiere-edition
252PS
32.6kgm
14.1km/L
4.40kg/PS
ターボ
MR/7AT
クーペ
2人乗り

アルピーヌ A110
[Premiere-edition]
2018/06モデル
車両型式ABA-DFM5P
最高出力252PS
最大トルク32.6kgm
JC08モード燃費14.1km/L
パワーウェイト4.40kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機MR/7AT
車体形状&乗車定員クーペ/2人乗り