ルノー:K4M型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1598cc]

ここではルノーのENK4M型・ウィンド [Wind-Collection|2011/07モデル] に搭載されているK4M型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

K4M型の自然吸気エンジン諸元


ENK4M型 ウィンド
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-ENK4M型
車名&グレードウィンド
Wind-Collection
エンジン型式K4M
種類直列4気筒
排気量1598cc
内径×行程79.5mm×80.5mm
ボアストローク比1.01
単気筒容積399.6cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力134PS/6750rpm
最大トルク16.3kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、K4M型エンジンはボア(内径)79.5mm、ストローク(行程)80.5mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、K4M型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1996/09から発売された初代メガーヌ [AK4M型|1999/09]、最も新しい車種は2009/09から発売された2代目カングー [KWK4M型|2011/09]となっており、NA車は16車種、ターボ/SC車は0車種の全16車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
K4Mのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷100.1PS → 134PS
トルクの変遷16.3kgm → 14.2kgm
リッター馬力83.85PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両であるウィンドの直列4気筒1598ccでハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6750回転のとき最高出力134馬力を、6750回転のとき最大トルク16.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は100.1PS、最高出力が発生する6750回転でのトルクは14.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は83.85PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.6cc)あたりの馬力は33.5PS、トルクは4.1kgmです。

K4M型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 8 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、K4M型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはENK4M型ウィンドの134PS/16.3kgm、最も小さかったのはKCK4M型カングーの95PS/15.1kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
79.580.51598cc-1.01
ボアアップによる排気量拡大
80.080.51619cc-1.01
80.51639cc-1.00
81.01659cc-0.99
81.51680cc-0.99
82.01700cc-0.98
82.51721cc-0.98
ストロークアップによる排気量拡大
79.581.51618cc-1.03
82.51638cc-1.04
83.51658cc-1.05
84.51678cc-1.06
85.51698cc-1.08

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の79.5mmから0.5mm刻みで82.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の80.5mmから1mm刻みで85.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。K4M型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.98に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

K4M型エンジンのピストン径79.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが34件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
2ZR型
80.5mm
[+1.0mm]
1639cc
[+41cc]
トヨタ
3ZR型
80.5mm
[+1.0mm]
1639cc
[+41cc]
トヨタ
M15A型
80.5mm
[+1.0mm]
1639cc
[+41cc]
レクサス
M20A型
80.5mm
[+1.0mm]
1639cc
[+41cc]
スバル
Z18型
80.5mm
[+1.0mm]
1639cc
[+41cc]
トヨタ
5K型
80.5mm
[+1.0mm]
1639cc
[+41cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:ZSP110型ヴォクシーに搭載される2ZR型1797ccの80.5mm、トヨタ:ZRR70W型ヴォクシーに搭載される3ZR型1986ccの80.5mm、トヨタ:MXPH10型ヤリスに搭載されるM15A型1490ccの80.5mm、レクサス:MZAA10型UXに搭載されるM20A型1986ccの80.5mm、スバル:XM182型トラヴィックに搭載されるZ18型1795ccの80.5mm、トヨタ:KM30G型ライトエースに搭載される5K型1486ccの80.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
6750rpm
80.5mm11.8m/s18.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19km/h
4000rpm10.7m/s39km/h
6000rpm16.1m/s58km/h
8000rpm21.5m/s77km/h
10000rpm26.8m/s96km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが80.5mmのエンジンが最高出力を発生する6750回転での平均ピストンスピードは18.1m/sとなり、これは1秒間に18.1メートル(時速にすると65.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では11.8m/s、最高出力が発生する6750回転より500回転高い7250回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.5m/sとなっています。

参考までにストロークが80.5mmのK4M型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.35m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7450回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


K4M型エンジンを搭載する車種の例

全16車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりK4M型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ルノー
ENK4M
2011/07
ウィンド
Wind-Collection
[ABA-ENK4M]
134PS
16.3kgm
-
8.881kg/PS
自然吸気
FF/5MT
オープンカー
2人乗り
車両型式:ABA-ENK4M

ウィンド
[Wind-Collection]
2011/07モデル
最高出力134PS
最大トルク16.3kgm
吸気方式自然吸気
車体構成2人乗りオープンカー
FF/5MT
ルノー
NK4M
2011/06
トゥインゴ
Gordini Renault-Sport
[ABA-NK4M]
134PS
16.3kgm
-
8.358kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
4人乗り
車両型式:ABA-NK4M

トゥインゴ
[Gordini Renault-Sport]
2011/06モデル
最高出力134PS
最大トルク16.3kgm
吸気方式自然吸気
車体構成4人乗りハッチバック
FF/5MT
ルノー
KMK4M
2008/04
メガーヌ
Touring-Wagon 1.6
[ABA-KMK4M]
113PS
15.5kgm
12.0km/L
11.681kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ワゴン
5人乗り
車両型式:ABA-KMK4M

メガーヌ
[Touring-Wagon 1.6]
2008/04モデル
最高出力113PS
最大トルク15.5kgm
10-15モード燃費12.0km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りワゴン
FF/4AT
K4M型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全16車種

ルノー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】