ルノー:E7J型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1389cc]

ここではルノーの57E7J型・ルーテシア [RN1.4|1995/11モデル] に搭載されているE7J型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

E7J型の自然吸気エンジン諸元


57E7J型 ルーテシア
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-57E7J型
車名&グレードルーテシア
RN1.4
エンジン型式E7J
種類直列4気筒
排気量1389cc
内径×行程75.8mm×77.0mm
ボアストローク比1.02
単気筒容積347.5cc
圧縮比9.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力79PS/6000rpm
最大トルク11.1kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、E7J型エンジンはボア(内径)75.8mm、ストローク(行程)77.0mm、ボアストローク比1.02のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
E7Jのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷54.2PS → 79PS
トルクの変遷11.1kgm → 9.4kgm
リッター馬力56.88PS/L
リッタートルク8.0kgm/L

今回の参考車両であるルーテシアの直列4気筒1389cc、圧縮比9.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力79馬力を、6000回転のとき最大トルク11.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は54.2PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは9.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は56.88PS/L、トルクは8.0kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積347.5cc)あたりの馬力は19.8PS、トルクは2.8kgmです。

E7J型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 2 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
75.877.01389cc9.51.02
ボアアップによる排気量拡大
76.377.01408cc9.61.01
76.81427cc9.71.00
77.31445cc9.81.00
77.81464cc9.90.99
78.31483cc10.10.98
78.81502cc10.20.98
ストロークアップによる排気量拡大
75.878.01408cc9.61.03
79.01426cc9.71.04
80.01444cc9.81.06
81.01462cc9.91.07
82.01480cc10.01.08

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の75.8mmから0.5mm刻みで78.8mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.0mmから1mm刻みで82.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。E7J型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.02から0.98に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

E7J型エンジンのピストン径75.8mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが26件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G32型
76.9mm
[+1.1mm]
1430cc
[+41cc]
いすゞ
4XC1型
77.0mm
[+1.2mm]
1434cc
[+45cc]
トヨタ
3A型
77.5mm
[+1.7mm]
1453cc
[+64cc]
スバル
EL15型
77.7mm
[+1.9mm]
1460cc
[+71cc]
日産
RB20型
78.0mm
[+2.2mm]
1472cc
[+83cc]
日産
HR15型
78.0mm
[+2.2mm]
1472cc
[+83cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:E31A型ギャランに搭載される4G32型1597ccの76.9mm、いすゞ:JT151F型ジェミニに搭載される4XC1型1471ccの77.0mm、トヨタ:AL21型コルサに搭載される3A型1452ccの77.5mm、スバル:GH2型インプレッサに搭載されるEL15型1498ccの77.7mm、日産:HR34型スカイライン セダンに搭載されるRB20型1998ccの78.0mm、日産:K13改型マーチ NISMOに搭載されるHR15型1498ccの78.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6000rpm
77.0mm9.0m/s15.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.1m/s18km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.4m/s55km/h
8000rpm20.5m/s74km/h
10000rpm25.7m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.4m/sとなり、これは1秒間に15.4メートル(時速にすると55.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では9.0m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.7m/sとなっています。

参考までにストロークが77.0mmのE7J型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7790回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


E7J型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ルノー
57E7J
1995/11
ルーテシア
RN1.4
[E-57E7J]
79PS
11.1kgm
-
12.025kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り
車両型式:E-57E7J

ルーテシア
[RN1.4]
1995/11モデル
最高出力79PS
最大トルク11.1kgm
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りハッチバック
FF/4AT

ルノー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】