ポルシェ:94442型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2990cc]

ここではポルシェの94442型・944 [944-S2|1991/02モデル] に搭載されている94442型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

94442型の自然吸気エンジン諸元


94442型 944
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-94442型
車名&グレード944
944-S2
エンジン型式94442
種類直列4気筒
排気量2990cc
内径×行程104.0mm×88.0mm
ボアストローク比0.85
単気筒容積747.5cc
圧縮比10.9
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力211PS/5800rpm
最大トルク28.5kgm/4100rpm

まず基本的な成り立ちとして、94442型エンジンはボア(内径)104.0mm、ストローク(行程)88.0mm、ボアストローク比0.85のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて94442型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1991/02から発売された初代944 [94442型|1991/02]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
94442のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷163.1PS → 211PS
トルクの変遷28.5kgm → 26.1kgm
リッター馬力70.6PS/L
リッタートルク9.5kgm/L

今回の参考車両である944の直列4気筒2990cc、圧縮比10.9でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5800回転のとき最高出力211馬力を、5800回転のとき最大トルク28.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4100回転での馬力は163.1PS、最高出力が発生する5800回転でのトルクは26.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.6PS/L、トルクは9.5kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積747.5cc)あたりの馬力は52.8PS、トルクは7.1kgmです。

94442型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
104.088.02990cc10.90.85
ボアアップによる排気量拡大
104.588.03019cc11.00.84
105.03048cc11.10.84
105.53077cc11.20.83
106.03106cc11.30.83
106.53136cc11.40.83
107.03165cc11.50.82
ストロークアップによる排気量拡大
104.089.03024cc11.00.86
90.03058cc11.10.87
91.03092cc11.20.88
92.03126cc11.40.88
93.03160cc11.50.89

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の104.0mmから0.5mm刻みで107.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の88.0mmから1mm刻みで93.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.85からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。94442型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.85から0.82に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4100rpm
最高出力
5800rpm
88.0mm12.0m/s17.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.7m/s42km/h
6000rpm17.6m/s63km/h
8000rpm23.5m/s85km/h
10000rpm29.3m/s105km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.0mmのエンジンが最高出力を発生する5800回転での平均ピストンスピードは17.0m/sとなり、これは1秒間に17.0メートル(時速にすると61.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4100回転では12.0m/s、最高出力が発生する5800回転より500回転高い6300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.5m/sとなっています。

参考までにストロークが88.0mmの94442型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6820回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


94442型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ポルシェ
94442
1991/02
944
944-S2
[E-94442]
211PS
28.5kgm
-
6.35kg/PS
自然吸気
FR/5MT
クーペ
4人乗り

944
[944-S2]
1991/02モデル
車両型式E-94442
最高出力211PS
最大トルク28.5kgm
パワーウェイト6.35kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5MT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
ポルシェ
94442K
1991/02
944
944-S2 Cabriolet
[E-94442K]
211PS
28.5kgm
-
6.59kg/PS
自然吸気
FR/5MT
オープンカー
4人乗り

944
[944-S2 Cabriolet]
1991/02モデル
車両型式E-94442K
最高出力211PS
最大トルク28.5kgm
パワーウェイト6.59kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5MT
車体形状&乗車定員オープンカー/4人乗り