オペル:X20型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1998cc]

ここではオペルのXD202型・アストラ [Sport|1996/10モデル] に搭載されているX20型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

X20型の自然吸気エンジン諸元


XD202型 アストラ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-XD202型
車名&グレードアストラ
Sport
エンジン型式X20
種類直列4気筒
排気量1998cc
内径×行程86.0mm×86.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積499.5cc
圧縮比10.8
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力136PS/5600rpm
最大トルク19.2kgm/3200rpm

まず基本的な成り立ちとして、X20型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、X20型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1993/01から発売された初代アストラ [XD202型|1996/10]、最も新しい車種は1998/07から発売された2代目アストラ [XK200型|1999/10]となっており、NA車は6車種、ターボ/SC車は0車種の全6車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
X20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷85.8PS → 136PS
トルクの変遷19.2kgm → 17.4kgm
リッター馬力68.1PS/L
リッタートルク9.6kgm/L

今回の参考車両であるアストラの直列4気筒1998cc、圧縮比10.8でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力136馬力を、5600回転のとき最大トルク19.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3200回転での馬力は85.8PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは17.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は68.1PS/L、トルクは9.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの馬力は34.0PS、トルクは4.8kgmです。

X20型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.086.01998cc10.81.00
ボアアップによる排気量拡大
86.586.02021cc10.90.99
87.02045cc11.00.99
87.52068cc11.10.98
88.02092cc11.30.98
88.52116cc11.40.97
89.02140cc11.50.97
ストロークアップによる排気量拡大
86.087.02021cc10.91.01
88.02045cc11.01.02
89.02068cc11.11.03
90.02091cc11.31.05
91.02114cc11.41.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで89.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。X20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

X20型エンジンのピストン径86.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが39件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
K24A型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
VG30型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
トヨタ
5S型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
ホンダ
H22A型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
ホンダ
H23A型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
ホンダ
K24W型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:CW2型アコード ツアラーに搭載されるK24A型2354ccの87.0mm、日産:Z32型マキシマに搭載されるVG30型2960ccの87.0mm、トヨタ:SXV25N型ハリアーに搭載される5S型2163ccの87.0mm、ホンダ:CL1型アコードに搭載されるH22A型2156ccの87.0mm、ホンダ:CH9型アコード ワゴンに搭載されるH23A型2258ccの87.0mm、ホンダ:RC1型オデッセイに搭載されるK24W型2356ccの87.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3200rpm
最高出力
5600rpm
86.0mm9.2m/s16.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは16.1m/sとなり、これは1秒間に16.1メートル(時速にすると58.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3200回転では9.2m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.5m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのX20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


X20型エンジンを搭載する車種の例

全6車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
オペル
XD202
1996/10
アストラ
Sport
[E-XD202]
136PS
19.2kgm
9.4km/L
8.75kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

アストラ
[Sport]
1996/10モデル
車両型式E-XD202
最高出力136PS
最大トルク19.2kgm
10-15モード燃費9.4km/L
パワーウェイト8.75kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
オペル
XE200
1997/01
カリブラ
16V
[E-XE200]
136PS
18.8kgm
-
9.71kg/PS
自然吸気
FF/4AT
クーペ
4人乗り

カリブラ
[16V]
1997/01モデル
車両型式E-XE200
最高出力136PS
最大トルク18.8kgm
10-15モード燃費9.4km/L
パワーウェイト9.71kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
オペル
XK200
1999/10
アストラ
Wagon-Sport
[GF-XK200]
136PS
19.2kgm
9.8km/L
9.56kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ワゴン
5人乗り

アストラ
[Wagon-Sport]
1999/10モデル
車両型式GF-XK200
最高出力136PS
最大トルク19.2kgm
10-15モード燃費9.8km/L
パワーウェイト9.56kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
オペル
XF200W
1998/11
オメガ
Wagon-GL
[E-XF200W]
136PS
18.8kgm
10.6km/L
11.62kg/PS
自然吸気
FR/4AT
ワゴン
5人乗り

オメガ
[Wagon-GL]
1998/11モデル
車両型式E-XF200W
最高出力136PS
最大トルク18.8kgm
10-15モード燃費10.6km/L
パワーウェイト11.62kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
オペル
XF200
1998/11
オメガ
GL
[E-XF200]
136PS
18.8kgm
10.6km/L
11.18kg/PS
自然吸気
FR/4AT
セダン
5人乗り

オメガ
[GL]
1998/11モデル
車両型式E-XF200
最高出力136PS
最大トルク18.8kgm
10-15モード燃費10.6km/L
パワーウェイト11.18kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

オペル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】