オペル:X18型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1798cc]

ここではオペルのXD180型・アストラ [CDX|1996/10モデル] に搭載されているX18型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

X18型の自然吸気エンジン諸元


XD180型 アストラ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-XD180型
車名&グレードアストラ
CDX
エンジン型式X18
種類直列4気筒
排気量1798cc
内径×行程81.6mm×86.0mm
ボアストローク比1.05
単気筒容積449.7cc
圧縮比10.8
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力115PS/5400rpm
最大トルク17.3kgm/3600rpm

まず基本的な成り立ちとして、X18型エンジンはボア(内径)81.6mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.05のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
X18のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷86.9PS → 115PS
トルクの変遷17.3kgm → 15.3kgm
リッター馬力64.0PS/L
リッタートルク9.6kgm/L

今回の参考車両であるアストラの直列4気筒1798cc、圧縮比10.8でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5400回転のとき最高出力115馬力を、5400回転のとき最大トルク17.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3600回転での馬力は86.9PS、最高出力が発生する5400回転でのトルクは15.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は64.0PS/L、トルクは9.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積449.7cc)あたりの馬力は28.8PS、トルクは4.3kgmです。

X18型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 6 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
81.686.01798cc10.81.05
ボアアップによる排気量拡大
82.186.01821cc10.91.05
82.61843cc11.01.04
83.11866cc11.21.03
83.61888cc11.31.03
84.11911cc11.41.02
84.61934cc11.51.02
ストロークアップによる排気量拡大
81.687.01820cc10.91.07
88.01841cc11.01.08
89.01862cc11.11.09
90.01883cc11.31.10
91.01904cc11.41.12

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の81.6mmから0.5mm刻みで84.6mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。X18型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.05から1.02に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

X18型エンジンのピストン径81.6mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが22件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
4S型
82.5mm
[+0.9mm]
1839cc
[+41cc]
日産
SR18型
82.5mm
[+0.9mm]
1839cc
[+41cc]
マツダ
J5型
82.7mm
[+1.1mm]
1848cc
[+50cc]
マツダ
FS型
83.0mm
[+1.4mm]
1861cc
[+63cc]
レクサス
4GR型
83.0mm
[+1.4mm]
1861cc
[+63cc]
マツダ
BP型
83.0mm
[+1.4mm]
1861cc
[+63cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:SV30型カムリに搭載される4S型1838ccの82.5mm、日産:HN15型ファミリアワゴンに搭載されるSR18型1838ccの82.5mm、マツダ:SG5W型ボンゴ フレンディに搭載されるJ5型2494ccの82.7mm、マツダ:CPEW型プレマシーに搭載されるFS型1991ccの83.0mm、レクサス:GSE20型マークXに搭載される4GR型2499ccの83.0mm、マツダ:NB8C型ロードスターに搭載されるBP型1839ccの83.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3600rpm
最高出力
5400rpm
86.0mm10.3m/s15.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する5400回転での平均ピストンスピードは15.5m/sとなり、これは1秒間に15.5メートル(時速にすると55.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3600回転では10.3m/s、最高出力が発生する5400回転より500回転高い5900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.9m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのX18型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


X18型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
オペル
XD180
1996/10
アストラ
CDX
[E-XD180]
115PS
17.3kgm
10.4km/L
10.35kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

アストラ
[CDX]
1996/10モデル
車両型式E-XD180
最高出力115PS
最大トルク17.3kgm
10-15モード燃費10.4km/L
パワーウェイト10.35kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り

オペル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】