オペル:X16型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1597cc]

ここではオペルのXD160型・アストラ [GL|1996/10モデル] に搭載されているX16型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

X16型の自然吸気エンジン諸元


XD160型 アストラ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-XD160型
車名&グレードアストラ
GL
エンジン型式X16
種類直列4気筒
排気量1597cc
内径×行程79.0mm×81.5mm
ボアストローク比1.03
単気筒容積399.5cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力100PS/6200rpm
最大トルク15.3kgm/3200rpm

まず基本的な成り立ちとして、X16型エンジンはボア(内径)79.0mm、ストローク(行程)81.5mm、ボアストローク比1.03のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、X16型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1993/01から発売された初代アストラ [XD160型|1996/10]、最も新しい車種は1995/03から発売された2代目ヴィータ [XG160型|1999/10]となっており、NA車は3車種、ターボ/SC車は0車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
X16のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷68.3PS → 100PS
トルクの変遷15.3kgm → 11.6kgm
リッター馬力62.6PS/L
リッタートルク9.6kgm/L

今回の参考車両であるアストラの直列4気筒1597cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6200回転のとき最高出力100馬力を、6200回転のとき最大トルク15.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3200回転での馬力は68.3PS、最高出力が発生する6200回転でのトルクは11.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は62.6PS/L、トルクは9.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.5cc)あたりの馬力は25.0PS、トルクは3.8kgmです。

X16型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 6 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
79.0mm81.5mm1597cc10.51.03
ボアアップによる排気量拡大
79.5mm81.5mm1618cc10.61.03
80.0mm1639cc10.71.02
80.5mm1659cc10.91.01
81.0mm1680cc11.01.01
81.5mm1701cc11.11.00
82.0mm1722cc11.20.99
ストロークアップによる排気量拡大
79.0mm82.5mm1618cc10.61.04
83.5mm1637cc10.71.06
84.5mm1657cc10.81.07
85.5mm1676cc11.01.08
86.5mm1696cc11.11.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の79.0mmから0.5mm刻みで82.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の81.5mmから1mm刻みで86.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。X16型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.03から0.99に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

X16型エンジンのピストン径79.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが50件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
MRA8DE型
79.7mm
[+0.7mm]
1626cc
[+29cc]
いすゞ
4XE1型
80.0mm
[+1.0mm]
1639cc
[+42cc]
日産
QG18DE型
80.0mm
[+1.0mm]
1639cc
[+42cc]
日産
QG18DE-EM2型
80.0mm
[+1.0mm]
1639cc
[+42cc]
マツダ
QG18DE型
80.0mm
[+1.0mm]
1639cc
[+42cc]
日産
QG18DD型
80.0mm
[+1.0mm]
1639cc
[+42cc]

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3200rpm
最高出力
6200rpm
81.5mm8.7m/s16.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19km/h
4000rpm10.9m/s39km/h
6000rpm16.3m/s59km/h
8000rpm21.7m/s78km/h
10000rpm27.2m/s98km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが81.5mmのエンジンが最高出力を発生する6200回転での平均ピストンスピードは16.8m/sとなり、これは1秒間に16.8メートル(時速にすると60.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3200回転では8.7m/s、最高出力が発生する6200回転より500回転高い6700回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.2m/sとなっています。

参考までにストロークが81.5mmのX16型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.45m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7360回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


X16型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
オペル
XG160
1999/10
ヴィータ
Sport-16V
[E-XG160]
106PS
15.0kgm
13.6km/L
9.43kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ヴィータ
[Sport-16V]
1999/10モデル
車両型式E-XG160
最高出力106PS
最大トルク15.0kgm
10-15モード燃費13.6km/L
パワーウェイト9.43kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
オペル
XD160
1996/10
アストラ
GL
[E-XD160]
100PS
15.3kgm
10.6km/L
11.30kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

アストラ
[GL]
1996/10モデル
車両型式E-XD160
最高出力100PS
最大トルク15.3kgm
10-15モード燃費10.6km/L
パワーウェイト11.30kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
オペル
XD160
1996/10
アストラ
GL
[E-XD160]
100PS
15.3kgm
11.8km/L
11.00kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

アストラ
[GL]
1996/10モデル
車両型式E-XD160
最高出力100PS
最大トルク15.3kgm
10-15モード燃費11.8km/L
パワーウェイト11.00kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り