オペル:X12型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1198cc]

ここではオペルのXG120型・ヴィータ [GLS1.2-16V|1999/10モデル] に搭載されているX12型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

X12型の自然吸気エンジン諸元


XG120型 ヴィータ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-XG120型
車名&グレードヴィータ
GLS1.2-16V
エンジン型式X12
種類直列4気筒
排気量1198cc
内径×行程72.5mm×72.6mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積299.7cc
圧縮比10.1
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力65PS/5600rpm
最大トルク11.2kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、X12型エンジンはボア(内径)72.5mm、ストローク(行程)72.6mm、ボアストローク比1.00のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
X12のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷62.5PS → 65PS
トルクの変遷11.2kgm → 8.3kgm
リッター馬力54.3PS/L
リッタートルク9.3kgm/L

今回の参考車両であるヴィータの直列4気筒1198cc、圧縮比10.1でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力65馬力を、5600回転のとき最大トルク11.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は62.5PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは8.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は54.3PS/L、トルクは9.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積299.7cc)あたりの馬力は16.2PS、トルクは2.8kgmです。

X12型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 5 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
72.5mm72.6mm1198cc10.11.00
ボアアップによる排気量拡大
73.0mm72.6mm1215cc10.20.99
73.5mm1232cc10.40.99
74.0mm1249cc10.50.98
74.5mm1266cc10.60.97
75.0mm1283cc10.80.97
75.5mm1300cc10.90.96
ストロークアップによる排気量拡大
72.5mm73.6mm1215cc10.21.02
74.6mm1232cc10.41.03
75.6mm1248cc10.51.04
76.6mm1265cc10.61.06
77.6mm1281cc10.71.07

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の72.5mmから0.5mm刻みで75.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の72.6mmから1mm刻みで77.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。X12型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.96に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

X12型エンジンのピストン径72.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが44件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
QG15DE型
73.6mm
[+1.1mm]
1235cc
[+37cc]
マツダ
QG15DE型
73.6mm
[+1.1mm]
1235cc
[+37cc]
日産
GA15DE型
73.6mm
[+1.1mm]
1235cc
[+37cc]
マツダ
GA15型
73.6mm
[+1.1mm]
1235cc
[+37cc]
日産
GA15DS型
73.6mm
[+1.1mm]
1235cc
[+37cc]
ホンダ
D13C型
73.7mm
[+1.2mm]
1239cc
[+41cc]

ピストン径が小さい 1200ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1200ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1200ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1200ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1200ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1200ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
5600rpm
72.6mm9.7m/s13.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.8m/s17km/h
4000rpm9.7m/s35km/h
6000rpm14.5m/s52km/h
8000rpm19.4m/s70km/h
10000rpm24.2m/s87km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが72.6mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは13.6m/sとなり、これは1秒間に13.6メートル(時速にすると49.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では9.7m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.8m/sとなっています。

参考までにストロークが72.6mmのX12型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8260回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


X12型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
オペル
XG120
1999/10
ヴィータ
GLS1.2-16V
[GF-XG120]
65PS
11.2kgm
12.4km/L
15.54kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

ヴィータ
[GLS1.2-16V]
1999/10モデル
車両型式GF-XG120
最高出力65PS
最大トルク11.2kgm
10-15モード燃費12.4km/L
パワーウェイト15.54kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り