オペル:C30型エンジンの諸元と性能まとめ [直列6気筒 2968cc]

ここではオペルのXB301型・オメガ [3000-24V|1993/11モデル] に搭載されているC30型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

C30型の自然吸気エンジン諸元


XB301型 オメガ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-XB301型
車名&グレードオメガ
3000-24V
エンジン型式C30
種類直列6気筒
排気量2968cc
内径×行程95.0mm×69.8mm
ボアストローク比0.73
単気筒容積494.7cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力200PS/6000rpm
最大トルク27.5kgm/3600rpm

まず基本的な成り立ちとして、C30型エンジンはボア(内径)95.0mm、ストローク(行程)69.8mm、ボアストローク比0.73のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、C30型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1990/12から発売された2代目セネター [XA300型|1991/12]、最も新しい車種は1990/12から発売された初代オメガ [XB301型|1993/11]となっており、NA車は3車種、ターボ/SC車は0車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
C30のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷138.2PS → 200PS
トルクの変遷27.5kgm → 23.9kgm
リッター馬力67.4PS/L
リッタートルク9.3kgm/L

今回の参考車両であるオメガの直列6気筒2968ccでハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力200馬力を、6000回転のとき最大トルク27.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3600回転での馬力は138.2PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは23.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は67.4PS/L、トルクは9.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積494.7cc)あたりの馬力は33.3PS、トルクは4.6kgmです。

C30型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、C30型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはXB301型オメガの200PS/27.5kgm、最も小さかったのはXA300型セネターの175PS/24.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
95.069.82968cc-0.73
ボアアップによる排気量拡大
95.569.83000cc-0.73
96.03031cc-0.73
96.53063cc-0.72
97.03095cc-0.72
97.53127cc-0.72
98.03159cc-0.71
ストロークアップによる排気量拡大
95.070.83011cc-0.75
71.83054cc-0.76
72.83096cc-0.77
73.83139cc-0.78
74.83181cc-0.79

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の95.0mmから0.5mm刻みで98.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の69.8mmから1mm刻みで74.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.73からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。C30型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.73から0.71に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

C30型エンジンのピストン径95.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが4件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
ZD30型
96.0mm
[+1.0mm]
3031cc
[+63cc]
トヨタ
3L型
96.0mm
[+1.0mm]
3031cc
[+63cc]
スバル
EJ22型
96.9mm
[+1.9mm]
3088cc
[+120cc]
スバル
EG33型
96.9mm
[+1.9mm]
3088cc
[+120cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:CWMGE25型キャラバンコーチに搭載されるZD30型2953ccの96.0mm、トヨタ:LN131V型ハイラックスサーフに搭載される3L型2779ccの96.0mm、スバル:BG7型レガシィ ツーリングワゴンに搭載されるEJ22型2212ccの96.9mm、スバル:CXD型アルシオーネSVXに搭載されるEG33型3318ccの96.9mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3600rpm
最高出力
6000rpm
69.8mm8.4m/s14.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.7m/s17km/h
4000rpm9.3m/s33km/h
6000rpm14.0m/s50km/h
8000rpm18.6m/s67km/h
10000rpm23.3m/s84km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが69.8mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは14.0m/sとなり、これは1秒間に14.0メートル(時速にすると50.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3600回転では8.4m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.1m/sとなっています。

参考までにストロークが69.8mmのC30型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8600回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


C30型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
オペル
XB301
1993/11
オメガ
3000-24V
[E-XB301]
200PS
27.5kgm
-
7.55kg/PS
自然吸気
FR/4AT
セダン
5人乗り

オメガ
[3000-24V]
1993/11モデル
車両型式E-XB301
最高出力200PS
最大トルク27.5kgm
パワーウェイト7.55kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
オペル
XB301W
1993/11
オメガ
Wagon-24V
[E-XB301W]
195PS
27.0kgm
-
7.95kg/PS
自然吸気
FR/4AT
ワゴン
5人乗り

オメガ
[Wagon-24V]
1993/11モデル
車両型式E-XB301W
最高出力195PS
最大トルク27.0kgm
パワーウェイト7.95kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
オペル
XA300
1991/12
セネター
CD
[E-XA300]
175PS
24.5kgm
-
8.69kg/PS
自然吸気
FR/4AT
セダン
5人乗り

セネター
[CD]
1991/12モデル
車両型式E-XA300
最高出力175PS
最大トルク24.5kgm
パワーウェイト8.69kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

オペル製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】