日産:VR30DDTT型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2997cc]

ここでは日産のRV37型・スカイライン [400R|2019/09モデル] に搭載されているVR30DDTT型のツインターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

VR30DDTT型のツインターボエンジン諸元


RV37型 スカイライン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式5BA-RV37型
車名&グレードスカイライン
400R
エンジン型式VR30DDTT
種類V型6気筒
排気量2997cc
内径×行程86.0mm×86.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積499.5cc
圧縮比10.3
吸気方式ツインターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力405PS/6400rpm
最大トルク48.4kgm/1600-5200rpm

まず基本的な成り立ちとして、VR30型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにてVR30DDTT型のツインターボエンジンを搭載している車種は、2014/02から発売された13代目スカイライン [RV37型|2019/09]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は2車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
VR30のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷108.1PS → 405PS
トルクの変遷48.4kgm → 45.3kgm
リッター馬力135.1PS/L
リッタートルク16.1kgm/L

今回の参考車両であるスカイラインのV型6気筒2997cc、圧縮比10.3でハイオクガソリン仕様のツインターボエンジンは、6400回転のとき最高出力405馬力を、6400回転のとき最大トルク48.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1600回転での馬力は108.1PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは45.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は135.1PS/L、トルクは16.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの馬力は67.5PS、トルクは8.1kgmです。

VR30型ツインターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 9 ]、換算トルクが[ 7 ]の「かなりの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、VR30DDTT型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはRV37型スカイラインの405PS/48.4kgm、最も小さかったのはRV37型スカイラインの305PS/40.8kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.086.02997cc10.31.00
ボアアップによる排気量拡大
86.586.03032cc10.40.99
87.03067cc10.50.99
87.53103cc10.60.98
88.03138cc10.70.98
88.53174cc10.90.97
89.03210cc11.00.97
ストロークアップによる排気量拡大
86.087.03032cc10.41.01
88.03067cc10.51.02
89.03102cc10.61.03
90.03137cc10.71.05
91.03172cc10.91.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで89.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。VR30型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

VR30型エンジンのピストン径86.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが6件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
VG30型
87.0mm
[+1.0mm]
3067cc
[+70cc]
日産
RB-X GT2型
87.0mm
[+1.0mm]
3067cc
[+70cc]
マツダ
L3型
87.5mm
[+1.5mm]
3103cc
[+106cc]
いすゞ
4ZC1型
88.0mm
[+2.0mm]
3138cc
[+141cc]
マツダ
PY型
89.0mm
[+3.0mm]
3210cc
[+213cc]
日産
YD25型
89.0mm
[+3.0mm]
3210cc
[+213cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:GCZ32型フェアレディZに搭載されるVG30型2960ccの87.0mm、日産:BCNR33型スカイライン クーペに搭載されるRB-X GT2型2771ccの87.0mm、マツダ:GG3P型マツダスピード アテンザに搭載されるL3型2260ccの87.5mm、いすゞ:JR120型ピアッツァに搭載される4ZC1型1994ccの88.0mm、マツダ:KF5P型CX-5に搭載されるPY型2488ccの89.0mm、日産:VNC24型セレナに搭載されるYD25型2488ccの89.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1600rpm
最高出力
6400rpm
86.0mm4.6m/s18.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは18.3m/sとなり、これは1秒間に18.3メートル(時速にすると65.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1600回転では4.6m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.8m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのVR30型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


VR30DDTT型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日産
RV37
2019/09
スカイライン
400R
[5BA-RV37]
405PS
48.4kgm
10.0km/L
4.35kg/PS
ターボ
FR/7AT
セダン
5人乗り

スカイライン
[400R]
2019/09モデル
車両型式5BA-RV37
最高出力405PS
最大トルク48.4kgm
WLTCモード燃費10.0km/L
パワーウェイト4.35kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日産
RV37
2019/09
スカイライン
GT
[5BA-RV37]
305PS
40.8kgm
10.0km/L
5.57kg/PS
ターボ
FR/7AT
セダン
5人乗り

スカイライン
[GT]
2019/09モデル
車両型式5BA-RV37
最高出力305PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費10.0km/L
パワーウェイト5.57kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

日産製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】