日産:TB45E型エンジンの諸元と性能まとめ [直列6気筒 4478cc]

ここでは日産のWGY61型・サファリ [Granroad 7人乗り|1999/09モデル] に搭載されているTB45E型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

TB45E型の自然吸気エンジン諸元


WGY61型 サファリ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-WGY61型
車名&グレードサファリ
Granroad 7人乗り
エンジン型式TB45E
種類直列6気筒
排気量4478cc
内径×行程99.5mm×96.0mm
ボアストローク比0.96
単気筒容積746.4cc
圧縮比8.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力200PS/4400rpm
最大トルク35.5kgm/3600rpm

まず基本的な成り立ちとして、TB45型エンジンはボア(内径)99.5mm、ストローク(行程)96.0mm、ボアストローク比0.96のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
TB45のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷178.4PS → 200PS
トルクの変遷35.5kgm → 32.6kgm
リッター馬力44.7PS/L
リッタートルク7.9kgm/L

今回の参考車両であるサファリの直列6気筒4478cc、圧縮比8.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、4400回転のとき最高出力200馬力を、4400回転のとき最大トルク35.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3600回転での馬力は178.4PS、最高出力が発生する4400回転でのトルクは32.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は44.7PS/L、トルクは7.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積746.4cc)あたりの馬力は33.3PS、トルクは5.9kgmです。

TB45型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 1 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
99.596.04478cc8.50.96
ボアアップによる排気量拡大
100.096.04524cc8.60.96
100.54569cc8.70.96
101.04615cc8.70.95
101.54660cc8.80.95
102.04707cc8.90.94
102.54753cc9.00.94
ストロークアップによる排気量拡大
99.597.04525cc8.60.97
98.04572cc8.70.98
99.04619cc8.70.99
100.04665cc8.81.01
101.04712cc8.91.02

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の99.5mmから0.5mm刻みで102.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の96.0mmから1mm刻みで101.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.96からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。TB45型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.96から0.94に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3600rpm
最高出力
4400rpm
96.0mm11.5m/s14.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.4m/s23km/h
4000rpm12.8m/s46km/h
6000rpm19.2m/s69km/h
8000rpm25.6m/s92km/h
10000rpm32.0m/s115km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが96.0mmのエンジンが最高出力を発生する4400回転での平均ピストンスピードは14.1m/sとなり、これは1秒間に14.1メートル(時速にすると50.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3600回転では11.5m/s、最高出力が発生する4400回転より500回転高い4900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.7m/sとなっています。

参考までにストロークが96.0mmのTB45型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6250回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


TB45E型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日産
WGY61
1999/09
サファリ
Granroad 7人乗り
[GF-WGY61]
200PS
35.5kgm
5.5km/L
11.500kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
SUV
7人乗り

サファリ
[Granroad 7人乗り]
1999/09モデル
車両型式GF-WGY61
最高出力200PS
最大トルク35.5kgm
10-15モード燃費5.5km/L
パワーウェイト11.500kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/7人乗り

日産製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】