日産:SR16VE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1596cc]

ここでは日産のJN15型・パルサー セリエ [VZ-R N1|1998/10モデル] に搭載されているSR16VE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

SR16VE型の自然吸気エンジン諸元


JN15型 パルサー セリエ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-JN15型
車名&グレードパルサー セリエ
VZ-R N1
エンジン型式SR16VE
種類直列4気筒
排気量1596cc
内径×行程86.0mm×68.7mm
ボアストローク比0.80
単気筒容積399.1cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力200PS/7800rpm
最大トルク18.5kgm/7600rpm

まず基本的な成り立ちとして、SR16型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)68.7mm、ボアストローク比0.80のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、SR16VE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1995/01から発売された5代目パルサー [JN15型|1997/09]、最も新しい車種は1996/05から発売された初代ルキノ S-RV [JN15型|1999/01]となっており、NA車は8車種、ターボ/SC車は0車種の全8車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
SR16のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷196.3PS → 200PS
トルクの変遷18.5kgm → 18.4kgm
リッター馬力125.3PS/L
リッタートルク11.6kgm/L

今回の参考車両であるパルサー セリエの直列4気筒1596cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7800回転のとき最高出力200馬力を、7800回転のとき最大トルク18.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する7600回転での馬力は196.3PS、最高出力が発生する7800回転でのトルクは18.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は125.3PS/L、トルクは11.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.1cc)あたりの馬力は50.0PS、トルクは4.6kgmです。

SR16型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、SR16VE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはJN15型パルサー セリエの200PS/18.5kgm、最も小さかったのはJB15型サニーの175PS/16.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.068.71596cc11.00.80
ボアアップによる排気量拡大
86.568.71615cc11.10.79
87.01634cc11.20.79
87.51652cc11.40.79
88.01671cc11.50.78
88.51690cc11.60.78
89.01710cc11.70.77
ストロークアップによる排気量拡大
86.069.71619cc11.20.81
70.71643cc11.30.82
71.71666cc11.40.83
72.71689cc11.60.85
73.71712cc11.70.86

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで89.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の68.7mmから1mm刻みで73.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.80からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。SR16型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.80から0.77に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

SR16型エンジンのピストン径86.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが39件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
K24A型
87.0mm
[+1.0mm]
1634cc
[+38cc]
日産
VG30型
87.0mm
[+1.0mm]
1634cc
[+38cc]
トヨタ
5S型
87.0mm
[+1.0mm]
1634cc
[+38cc]
ホンダ
H22A型
87.0mm
[+1.0mm]
1634cc
[+38cc]
ホンダ
H23A型
87.0mm
[+1.0mm]
1634cc
[+38cc]
ホンダ
K24W型
87.0mm
[+1.0mm]
1634cc
[+38cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:CW2型アコード ツアラーに搭載されるK24A型2354ccの87.0mm、日産:Z32型マキシマに搭載されるVG30型2960ccの87.0mm、トヨタ:SXV25N型ハリアーに搭載される5S型2163ccの87.0mm、ホンダ:CL1型アコードに搭載されるH22A型2156ccの87.0mm、ホンダ:CH9型アコード ワゴンに搭載されるH23A型2258ccの87.0mm、ホンダ:RC1型オデッセイに搭載されるK24W型2356ccの87.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
7600rpm
最高出力
7800rpm
68.7mm17.4m/s17.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.6m/s17km/h
4000rpm9.2m/s33km/h
6000rpm13.7m/s49km/h
8000rpm18.3m/s66km/h
10000rpm22.9m/s82km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが68.7mmのエンジンが最高出力を発生する7800回転での平均ピストンスピードは17.9m/sとなり、これは1秒間に17.9メートル(時速にすると64.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する7600回転では17.4m/s、最高出力が発生する7800回転より500回転高い8300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.0m/sとなっています。

参考までにストロークが68.7mmのSR16型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.57m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8730回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


SR16VE型エンジンを搭載する車種の例

全8車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日産
JN15
1998/10
パルサー セリエ
VZ-R N1
[GF-JN15]
200PS
18.5kgm
11.2km/L
5.50kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

パルサー セリエ
[VZ-R N1]
1998/10モデル
車両型式GF-JN15
最高出力200PS
最大トルク18.5kgm
10-15モード燃費11.2km/L
パワーウェイト5.50kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
日産
JB15
1998/10
サニー
VZ-R
[GF-JB15]
175PS
16.5kgm
11.8km/L
6.74kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

サニー
[VZ-R]
1998/10モデル
車両型式GF-JB15
最高出力175PS
最大トルク16.5kgm
10-15モード燃費11.8km/L
パワーウェイト6.74kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日産
JN15
1997/09
パルサー
VZ-R
[GF-JN15]
175PS
16.5kgm
12.2km/L
6.51kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

パルサー
[VZ-R]
1997/09モデル
車両型式GF-JN15
最高出力175PS
最大トルク16.5kgm
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト6.51kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日産
JN15
1997/09
パルサー セリエ
VZ-R
[GF-JN15]
175PS
16.5kgm
12.2km/L
6.40kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

パルサー セリエ
[VZ-R]
1997/09モデル
車両型式GF-JN15
最高出力175PS
最大トルク16.5kgm
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト6.40kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
日産
JN15
1999/01
ルキノ S-RV
1600 VZ-R
[GF-JN15]
175PS
16.5kgm
12.2km/L
6.63kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ワゴン
5人乗り

ルキノ S-RV
[1600 VZ-R]
1999/01モデル
車両型式GF-JN15
最高出力175PS
最大トルク16.5kgm
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト6.63kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
日産
JB14
1997/09
ルキノ
VZ-R
[E-JB14]
175PS
16.5kgm
12.2km/L
6.34kg/PS
自然吸気
FF/5MT
クーペ
5人乗り

ルキノ
[VZ-R]
1997/09モデル
車両型式E-JB14
最高出力175PS
最大トルク16.5kgm
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト6.34kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員クーペ/5人乗り
日産
JN15
1999/01
パルサーセリエS-RV
1600VZ-R
[GF-JN15]
175PS
16.5kgm
12.2km/L
6.63kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ワゴン
5人乗り

パルサーセリエS-RV
[1600VZ-R]
1999/01モデル
車両型式GF-JN15
最高出力175PS
最大トルク16.5kgm
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト6.63kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
日産
JN15
1997/09
ルキノハッチ
VZ-R
[E-JN15]
175PS
16.5kgm
12.2km/L
6.40kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ルキノハッチ
[VZ-R]
1997/09モデル
車両型式E-JN15
最高出力175PS
最大トルク16.5kgm
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト6.40kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り

日産製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】