日産:LF-VE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1998cc]

ここでは日産のCWEAWN型・ラフェスタ [HighWay-Star|2011/06モデル] に搭載されているLF-VE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

LF-VE型の自然吸気エンジン諸元


CWEAWN型 ラフェスタ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-CWEAWN型
車名&グレードラフェスタ
HighWay-Star
エンジン型式LF-VE
種類直列4気筒
排気量1998cc
内径×行程87.5mm×83.1mm
ボアストローク比0.95
単気筒容積499.7cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力139PS/6500rpm
最大トルク17.8kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、LF型エンジンはボア(内径)87.5mm、ストローク(行程)83.1mm、ボアストローク比0.95のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
LFのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷99.4PS → 139PS
トルクの変遷17.8kgm → 15.3kgm
リッター馬力69.6PS/L
リッタートルク8.9kgm/L

今回の参考車両であるラフェスタの直列4気筒1998cc、圧縮比10.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6500回転のとき最高出力139馬力を、6500回転のとき最大トルク17.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は99.4PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは15.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は69.6PS/L、トルクは8.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.7cc)あたりの馬力は34.8PS、トルクは4.5kgmです。

LF型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
87.5mm83.1mm1998cc10.00.95
ボアアップによる排気量拡大
88.0mm83.1mm2022cc10.10.94
88.5mm2045cc10.20.94
89.0mm2068cc10.30.93
89.5mm2091cc10.40.93
90.0mm2115cc10.50.92
90.5mm2138cc10.60.92
ストロークアップによる排気量拡大
87.5mm84.1mm2023cc10.10.96
85.1mm2047cc10.20.97
86.1mm2071cc10.30.98
87.1mm2095cc10.41.00
88.1mm2119cc10.51.01

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の87.5mmから0.5mm刻みで90.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の83.1mmから1mm刻みで88.1mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.95からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。LF型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.95から0.92に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

LF型エンジンのピストン径87.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが38件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
2AZ-FXE型
88.5mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
レクサス
2AZ-FXE型
88.5mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
ダイハツ
2AZ-FE型
88.5mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
トヨタ
2AZ-FE型
88.5mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
トヨタ
2AZ-FSE型
88.5mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
マツダ
AJ-DE型
89.0mm
[+1.5mm]
2068cc
[+70cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6500rpm
83.1mm11.1m/s18.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm11.1m/s40km/h
6000rpm16.6m/s60km/h
8000rpm22.2m/s80km/h
10000rpm27.7m/s100km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが83.1mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは18.0m/sとなり、これは1秒間に18.0メートル(時速にすると64.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では11.1m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.4m/sとなっています。

参考までにストロークが83.1mmのLF型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7220回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


LF-VE型エンジンを搭載する車種の例

全1車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりLF型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日産
CWEAWN
2011/06
ラフェスタ
HighWay-Star
[DBA-CWEAWN]
139PS
17.8kgm
10.6km/L
11.37kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ミニバン
7人乗り

ラフェスタ
[HighWay-Star]
2011/06モデル
車両型式DBA-CWEAWN
最高出力139PS
最大トルク17.8kgm
JC08モード燃費10.6km/L
10-15モード燃費11.2km/L
パワーウェイト11.37kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り
LF型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全34車種

その他のLF型エンジン型式と代表的な車種

LF-VE型
全15車種
マツダ:ロードスター [RS-RHT]
最高出力170PS/最大トルク19.3kgm|2009/09モデル
LF-VE型
全15車種
マツダ:ロードスター
[RS-RHT]
170PS/19.3kgm|2009/09
LF-VD型
全8車種
マツダ:プレマシー [20S]
最高出力150PS/最大トルク19.0kgm|2010/07モデル
LF-VD型
全8車種
マツダ:プレマシー
[20S]
150PS/19.0kgm|2010/07
LF-DE型
全4車種
マツダ:プレマシー [20F]
最高出力145PS/最大トルク18.5kgm|2007/01モデル
LF-DE型
全4車種
マツダ:プレマシー
[20F]
145PS/18.5kgm|2007/01
LF-VE型
全3車種
光岡:ヒミコ [S-Premium]
最高出力170PS/最大トルク19.3kgm|2009/09モデル
LF-VE型
全3車種
光岡:ヒミコ
[S-Premium]
170PS/19.3kgm|2009/09
LF-VDS型
全2車種
マツダ:アクセラ スポーツ [20S]
最高出力150PS/最大トルク19.0kgm|2010/12モデル
LF-VDS型
全2車種
マツダ:アクセラ スポーツ
[20S]
150PS/19.0kgm|2010/12
LF-VDS型
全1車種
日産:ラフェスタ [HighWay-Star]
最高出力150PS/最大トルク19.0kgm|2011/06モデル
LF-VDS型
全1車種
日産:ラフェスタ
[HighWay-Star]
150PS/19.0kgm|2011/06