日産:KA24DE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2388cc]

ここでは日産のPNN30型・ルネッサ [X-Aero|2000/01モデル] に搭載されているKA24DE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

KA24DE型の自然吸気エンジン諸元


PNN30型 ルネッサ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-PNN30型
車名&グレードルネッサ
X-Aero
エンジン型式KA24DE
種類直列4気筒
排気量2388cc
内径×行程89.0mm×96.0mm
ボアストローク比1.08
単気筒容積597.2cc
圧縮比9.2
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力155PS/5600rpm
最大トルク22.0kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、KA24型エンジンはボア(内径)89.0mm、ストローク(行程)96.0mm、ボアストローク比1.08のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、KA24DE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1993/05から発売された3代目ラルゴ [NCW30型|1997/11]、最も新しい車種は2001/11から発売された4代目キャラバンコーチ [QE25型|2005/12]となっており、NA車は10車種、ターボ/SC車は0車種の全10車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
KA24のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷135.1PS → 155PS
トルクの変遷22.0kgm → 19.8kgm
リッター馬力64.9PS/L
リッタートルク9.2kgm/L

今回の参考車両であるルネッサの直列4気筒2388cc、圧縮比9.2でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力155馬力を、5600回転のとき最大トルク22.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は135.1PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは19.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は64.9PS/L、トルクは9.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積597.2cc)あたりの馬力は38.8PS、トルクは5.5kgmです。

KA24型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 5 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、KA24DE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはPNN30型ルネッサの155PS/22.0kgm、最も小さかったのはQE25型キャラバンコーチの140PS/20.6kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.096.02388cc9.21.08
ボアアップによる排気量拡大
89.596.02416cc9.31.07
90.02443cc9.41.07
90.52470cc9.51.06
91.02497cc9.61.05
91.52525cc9.71.05
92.02553cc9.81.04
ストロークアップによる排気量拡大
89.097.02414cc9.31.09
98.02439cc9.41.10
99.02463cc9.51.11
100.02488cc9.51.12
101.02513cc9.61.13

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.0mmから0.5mm刻みで92.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の96.0mmから1mm刻みで101.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。KA24型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.08から1.04に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

KA24型エンジンのピストン径89.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが21件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
2AR型
90.0mm
[+1.0mm]
2443cc
[+55cc]
マツダ
JE型
90.0mm
[+1.0mm]
2443cc
[+55cc]
ホンダ
C30A型
90.0mm
[+1.0mm]
2443cc
[+55cc]
ホンダ
C32A型
90.0mm
[+1.0mm]
2443cc
[+55cc]
ホンダ
J37A型
90.0mm
[+1.0mm]
2443cc
[+55cc]
トヨタ
T2型
90.0mm
[+1.0mm]
2443cc
[+55cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:AGH30W型クラウン ハイブリッドに搭載される2AR型2493ccの90.0mm、マツダ:HEEA型ルーチェに搭載されるJE型2954ccの90.0mm、ホンダ:NA1型NSXに搭載されるC30A型2977ccの90.0mm、ホンダ:KA8型レジェンド クーペに搭載されるC32A型3206ccの90.0mm、ホンダ:KB2型レジェンドに搭載されるJ37A型3664ccの90.0mm、トヨタ:TJG00型キャバリエに搭載されるT2型2392ccの90.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
5600rpm
96.0mm14.1m/s17.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.4m/s23km/h
4000rpm12.8m/s46km/h
6000rpm19.2m/s69km/h
8000rpm25.6m/s92km/h
10000rpm32.0m/s115km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが96.0mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは17.9m/sとなり、これは1秒間に17.9メートル(時速にすると64.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では14.1m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.5m/sとなっています。

参考までにストロークが96.0mmのKA24型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6250回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


KA24DE型エンジンを搭載する車種の例

全10車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりKA24型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日産
PNN30
2000/01
ルネッサ
X-Aero
[GF-PNN30]
155PS
22.0kgm
8.9km/L
10.450kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ミニバン
5人乗り

ルネッサ
[X-Aero]
2000/01モデル
車両型式GF-PNN30
最高出力155PS
最大トルク22.0kgm
10-15モード燃費8.9km/L
パワーウェイト10.450kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/5人乗り
日産
U30
2000/11
プレサージュ
Kid’s-Version
[GF-U30]
150PS
22.0kgm
9.2km/L
10.730kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ミニバン
8人乗り

プレサージュ
[Kid’s-Version]
2000/11モデル
車両型式GF-U30
最高出力150PS
最大トルク22.0kgm
10-15モード燃費9.2km/L
パワーウェイト10.730kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/8人乗り
日産
JU30
2000/11
バサラ
Axis
[GF-JU30]
150PS
22.0kgm
9.2km/L
10.867kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ミニバン
7人乗り

バサラ
[Axis]
2000/11モデル
車両型式GF-JU30
最高出力150PS
最大トルク22.0kgm
10-15モード燃費9.2km/L
パワーウェイト10.867kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り
KA24型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全12車種

その他のKA24型エンジン型式と代表的な車種

KA24DE型
全2車種
いすゞ:コモワゴン [LD]
最高出力140PS/最大トルク20.6kgm
2005/12モデル
いすゞ
KA24DE型
全2車種
コモワゴン
[LD]
140PS/20.6kgm

日産製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】