日産:GA16DE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1596cc]

ここでは日産のEN15型・パルサー [X1R|1997/09モデル] に搭載されているGA16DE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

GA16DE型の自然吸気エンジン諸元


EN15型 パルサー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-EN15型
車名&グレードパルサー
X1R
エンジン型式GA16DE
種類直列4気筒
排気量1596cc
内径×行程76.0mm×88.0mm
ボアストローク比1.16
単気筒容積399.2cc
圧縮比9.9
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力120PS/6400rpm
最大トルク14.8kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、GA16型エンジンはボア(内径)76.0mm、ストローク(行程)88.0mm、ボアストローク比1.16のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、GA16DE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1994/01から発売された8代目サニー [EB14型|1997/05]、最も新しい車種は1995/01から発売された5代目パルサー [EN15型|1997/09]となっており、NA車は8車種、ターボ/SC車は0車種の全8車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
GA16のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷90.9PS → 120PS
トルクの変遷14.8kgm → 13.4kgm
リッター馬力75.2PS/L
リッタートルク9.3kgm/L

今回の参考車両であるパルサーの直列4気筒1596cc、圧縮比9.9でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6400回転のとき最高出力120馬力を、6400回転のとき最大トルク14.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は90.9PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは13.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は75.2PS/L、トルクは9.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.2cc)あたりの馬力は30.0PS、トルクは3.7kgmです。

GA16型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
76.088.01596cc9.91.16
ボアアップによる排気量拡大
76.588.01618cc10.01.15
77.01639cc10.11.14
77.51660cc10.21.14
78.01682cc10.41.13
78.51704cc10.51.12
79.01725cc10.61.11
ストロークアップによる排気量拡大
76.089.01615cc10.01.17
90.01633cc10.11.18
91.01651cc10.21.20
92.01669cc10.31.21
93.01688cc10.41.22

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の76.0mmから0.5mm刻みで79.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の88.0mmから1mm刻みで93.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。GA16型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.16から1.11に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

GA16型エンジンのピストン径76.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが27件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G32型
76.9mm
[+0.9mm]
1635cc
[+39cc]
いすゞ
4XC1型
77.0mm
[+1.0mm]
1639cc
[+43cc]
トヨタ
3A型
77.5mm
[+1.5mm]
1660cc
[+64cc]
スバル
EL15型
77.7mm
[+1.7mm]
1669cc
[+73cc]
日産
RB20型
78.0mm
[+2.0mm]
1682cc
[+86cc]
日産
HR15型
78.0mm
[+2.0mm]
1682cc
[+86cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:E31A型ギャランに搭載される4G32型1597ccの76.9mm、いすゞ:JT151F型ジェミニに搭載される4XC1型1471ccの77.0mm、トヨタ:AL21型コルサに搭載される3A型1452ccの77.5mm、スバル:GH2型インプレッサに搭載されるEL15型1498ccの77.7mm、日産:HR34型スカイライン セダンに搭載されるRB20型1998ccの78.0mm、日産:K13改型マーチに搭載されるHR15型1498ccの78.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
6400rpm
88.0mm12.9m/s18.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.7m/s42km/h
6000rpm17.6m/s63km/h
8000rpm23.5m/s85km/h
10000rpm29.3m/s105km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.0mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは18.8m/sとなり、これは1秒間に18.8メートル(時速にすると67.7km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では12.9m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.2m/sとなっています。

参考までにストロークが88.0mmのGA16型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6820回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


GA16DE型エンジンを搭載する車種の例

全8車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日産
EN15
1997/09
パルサー
X1R
[GF-EN15]
120PS
14.8kgm
15.4km/L
8.920kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

パルサー
[X1R]
1997/09モデル
車両型式GF-EN15
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費15.4km/L
パワーウェイト8.920kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日産
EN15
1997/09
パルサー セリエ
X1R
[GF-EN15]
120PS
14.8kgm
15.4km/L
8.750kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

パルサー セリエ
[X1R]
1997/09モデル
車両型式GF-EN15
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費15.4km/L
パワーウェイト8.750kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
日産
EN15
1997/09
パルサー セリエ
X1R
[GF-EN15]
120PS
14.8kgm
13.0km/L
8.920kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

パルサー セリエ
[X1R]
1997/09モデル
車両型式GF-EN15
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費13.0km/L
パワーウェイト8.920kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
日産
EB14
1997/05
サニー
Super-Touring
[E-EB14]
120PS
14.8kgm
13.0km/L
9.167kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

サニー
[Super-Touring]
1997/05モデル
車両型式E-EB14
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費13.0km/L
パワーウェイト9.167kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日産
EB14
1997/05
サニー
Super-Touring
[E-EB14]
120PS
14.8kgm
15.4km/L
8.830kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

サニー
[Super-Touring]
1997/05モデル
車両型式E-EB14
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費15.4km/L
パワーウェイト8.830kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日産
EN15
1997/09
パルサー
X1R
[GF-EN15]
120PS
14.8kgm
13.0km/L
9.083kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

パルサー
[X1R]
1997/09モデル
車両型式GF-EN15
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費13.0km/L
パワーウェイト9.083kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日産
EN15
1997/09
ルキノハッチ
RR
[E-EN15]
120PS
14.8kgm
15.4km/L
8.750kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ルキノハッチ
[RR]
1997/09モデル
車両型式E-EN15
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費15.4km/L
パワーウェイト8.750kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
日産
EN15
1997/09
ルキノハッチ
RR
[E-EN15]
120PS
14.8kgm
13.0km/L
8.920kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ハッチバック
5人乗り

ルキノハッチ
[RR]
1997/09モデル
車両型式E-EN15
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
10-15モード燃費13.0km/L
パワーウェイト8.920kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り

日産製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】