日産:BR06-SM21型エンジンの諸元と性能まとめ [直3+モーター 659cc]

ここでは日産のB45W型・デイズ ハイウェイスター [Highway-Star G Turbo|2019/03モデル] に搭載されているBR06-SM21型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

BR06-SM21型のターボエンジン諸元


B45W型 デイズ ハイウェイスター
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式4AA-B45W型
車名&グレードデイズ ハイウェイスター
Highway-Star G Turbo
エンジン型式BR06-SM21
種類直3+モーター
排気量659cc
内径×行程62.7mm×71.2mm
ボアストローク比1.14
単気筒容積219.8cc
圧縮比9.2
吸気方式ターボ
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力64PS/5600rpm
最大トルク10.2kgm/2400-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、BR06型エンジンはボア(内径)62.7mm、ストローク(行程)71.2mm、ボアストローク比1.14のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてBR06-SM21型のターボエンジンを搭載している車種は、2019/03から発売された2代目デイズ ハイウェイスター [B45W型|2019/03]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は2車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
BR06のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷34.2PS → 64PS
トルクの変遷10.2kgm → 8.2kgm
リッター馬力97.1PS/L
リッタートルク15.5kgm/L

今回の参考車両であるデイズ ハイウェイスターの直3+モーター659cc、圧縮比9.2でレギュラーガソリン仕様のターボエンジンは、5600回転のとき最高出力64馬力を、5600回転のとき最大トルク10.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2400回転での馬力は34.2PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは8.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は97.1PS/L、トルクは15.5kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積219.8cc)あたりの馬力は21.3PS、トルクは3.4kgmです。

BR06型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、BR06-SM21型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはB45W型デイズ ハイウェイスターの64PS/10.2kgm、最も小さかったのはB47W型デイズ ハイウェイスターの52PS/6.1kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
62.771.2659cc9.21.14
ボアアップによる排気量拡大
63.271.2670cc9.31.13
63.7681cc9.51.12
64.2691cc9.61.11
64.7702cc9.71.10
65.2713cc9.91.09
65.7724cc10.01.08
ストロークアップによる排気量拡大
62.772.2669cc9.31.15
73.2678cc9.41.17
74.2687cc9.51.18
75.2697cc9.71.20
76.2706cc9.81.22

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の62.7mmから0.5mm刻みで65.7mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の71.2mmから1mm刻みで76.2mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。BR06型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.14から1.08に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

BR06型エンジンのピストン径62.7mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが6件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
R06A型
64.0mm
[+1.3mm]
687cc
[+28cc]
ホンダ
S07A型
64.0mm
[+1.3mm]
687cc
[+28cc]
日産
3G83型
65.0mm
[+2.3mm]
709cc
[+50cc]
マツダ
F6A型
65.0mm
[+2.3mm]
709cc
[+50cc]
スズキ
F6B型
65.0mm
[+2.3mm]
709cc
[+50cc]
日産
3B20型
65.4mm
[+2.7mm]
718cc
[+59cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:MG33S型モコに搭載されるR06A型658ccの64.0mm、ホンダ:JF1型N-BOXに搭載されるS07A型658ccの64.0mm、日産:H92W型オッティに搭載される3G83型657ccの65.0mm、マツダ:CY21S型セルボ クラシックに搭載されるF6A型657ccの65.0mm、スズキ:CP32S,CP31S型セルボ モードに搭載されるF6B型658ccの65.0mm、日産:B21A型デイズ ルークスに搭載される3B20型659ccの65.4mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2400rpm
最高出力
5600rpm
71.2mm5.7m/s13.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.7m/s17km/h
4000rpm9.5m/s34km/h
6000rpm14.2m/s51km/h
8000rpm19.0m/s68km/h
10000rpm23.7m/s85km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが71.2mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは13.3m/sとなり、これは1秒間に13.3メートル(時速にすると47.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2400回転では5.7m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.5m/sとなっています。

参考までにストロークが71.2mmのBR06型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8430回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


BR06-SM21型エンジンを搭載する車種の例

全4車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりBR06型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日産
B45W
2019/03
デイズ ハイウェイスター
Highway-Star G Turbo
[4AA-B45W]
64PS
10.2kgm
19.2km/L
13.44kg/PS
ターボ
FF/CVT
軽ミニバン
4人乗り

デイズ ハイウェイスター
[Highway-Star G Turbo]
2019/03モデル
車両型式4AA-B45W
最高出力64PS
最大トルク10.2kgm
WLTCモード燃費19.2km/L
JC08モード燃費25.2km/L
パワーウェイト13.44kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
日産
B48W
2019/03
デイズ ハイウェイスター
Highway-Star G Turbo
[4AA-B48W]
64PS
10.2kgm
16.8km/L
14.38kg/PS
ターボ
4WD/CVT
軽ミニバン
4人乗り

デイズ ハイウェイスター
[Highway-Star G Turbo]
2019/03モデル
車両型式4AA-B48W
最高出力64PS
最大トルク10.2kgm
WLTCモード燃費16.8km/L
JC08モード燃費22.8km/L
パワーウェイト14.38kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
日産
B47W
2019/03
デイズ ハイウェイスター
Highway-Star X
[5AA-B47W]
52PS
6.1kgm
18.8km/L
17.31kg/PS
自然吸気
4WD/CVT
軽ミニバン
4人乗り

デイズ ハイウェイスター
[Highway-Star X]
2019/03モデル
車両型式5AA-B47W
最高出力52PS
最大トルク6.1kgm
WLTCモード燃費18.8km/L
JC08モード燃費25.4km/L
パワーウェイト17.31kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
BR06型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全12車種

その他のBR06型エンジン型式と代表的な車種

BR06-SM21型
全4車種
三菱:eKクロス [T]
最高出力64PS/最大トルク10.2kgm
2019/03モデル
三菱
BR06-SM21型
全4車種
eKクロス
[T]
64PS/10.2kgm
BR06型
全2車種
三菱:eKワゴン [M]
最高出力52PS/最大トルク6.1kgm
2019/03モデル
三菱
BR06型
全2車種
eKワゴン
[M]
52PS/6.1kgm
BR06型
全2車種
日産:デイズ [S]
最高出力52PS/最大トルク6.1kgm
2019/03モデル
日産
BR06型
全2車種
デイズ
[S]
52PS/6.1kgm

日産製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】