光岡:VQ35DE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 3498cc]

ここでは光岡のPJ32型・ガリュー [35LX|2010/11モデル] に搭載されているVQ35DE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

VQ35DE型の自然吸気エンジン諸元


PJ32型 ガリュー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式CBA-PJ32型
車名&グレードガリュー
35LX
エンジン型式VQ35DE
種類V型6気筒
排気量3498cc
内径×行程95.5mm×81.4mm
ボアストローク比0.85
単気筒容積583.1cc
圧縮比10.3
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力252PS/6000rpm
最大トルク34.2kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、VQ35型エンジンはボア(内径)95.5mm、ストローク(行程)81.4mm、ボアストローク比0.85のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
VQ35のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷210.1PS → 252PS
トルクの変遷34.2kgm → 30.1kgm
リッター馬力72.0PS/L
リッタートルク9.8kgm/L

今回の参考車両であるガリューのV型6気筒3498cc、圧縮比10.3でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力252馬力を、6000回転のとき最大トルク34.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は210.1PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは30.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は72.0PS/L、トルクは9.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積583.1cc)あたりの馬力は42.0PS、トルクは5.7kgmです。

VQ35型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
95.5mm81.4mm3498cc10.30.85
ボアアップによる排気量拡大
96.0mm81.4mm3535cc10.40.85
96.5mm3572cc10.50.84
97.0mm3609cc10.60.84
97.5mm3646cc10.70.83
98.0mm3684cc10.80.83
98.5mm3722cc10.90.83
ストロークアップによる排気量拡大
95.5mm82.4mm3541cc10.40.86
83.4mm3584cc10.50.87
84.4mm3627cc10.60.88
85.4mm3670cc10.80.89
86.4mm3713cc10.90.90

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の95.5mmから0.5mm刻みで98.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の81.4mmから1mm刻みで86.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.85からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。VQ35型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.85から0.83に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

VQ35型エンジンのピストン径95.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが2件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スバル
EJ22型
96.9mm
[+1.4mm]
3602cc
[+104cc]
スバル
EG33型
96.9mm
[+1.4mm]
3602cc
[+104cc]

ピストン径が小さい 3500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
6000rpm
81.4mm11.9m/s16.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19km/h
4000rpm10.9m/s39km/h
6000rpm16.3m/s59km/h
8000rpm21.7m/s78km/h
10000rpm27.1m/s98km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが81.4mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは16.3m/sとなり、これは1秒間に16.3メートル(時速にすると58.7km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では11.9m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.6m/sとなっています。

参考までにストロークが81.4mmのVQ35型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.43m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7370回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


VQ35DE型エンジンを搭載する車種の例

全1車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりVQ35型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
光岡
PJ32
2010/11
ガリュー
35LX
[CBA-PJ32]
252PS
34.2kgm
10.0km/L
6.27kg/PS
自然吸気
FF/CVT
セダン
5人乗り

ガリュー
[35LX]
2010/11モデル
車両型式CBA-PJ32
最高出力252PS
最大トルク34.2kgm
10-15モード燃費10.0km/L
パワーウェイト6.27kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
VQ35型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全38車種

その他のVQ35型エンジン型式と代表的な車種

VQ35DE型
全21車種
日産:エルグランド [350X]
最高出力240PS/最大トルク36.0kgm|2009/10モデル
VQ35DE型
全21車種
日産:エルグランド
[350X]
240PS/36.0kgm|2009/10
VQ35HR型
全11車種
日産:フーガ [350GT type-S]
最高出力313PS/最大トルク36.5kgm|2007/12モデル
VQ35HR型
全11車種
日産:フーガ
[350GT type-S]
313PS/36.5kgm|2007/12
VQ35HR型
全4車種
光岡:ガリュー リムジンS50 [350LX]
最高出力313PS/最大トルク36.5kgm|2009/05モデル
VQ35HR型
全4車種
光岡:ガリュー リムジンS50
[350LX]
313PS/36.5kgm|2009/05
VQ35HR型
全1車種
三菱:ディグニティ [VIP]
最高出力306PS/最大トルク35.7kgm|2012/07モデル
VQ35HR型
全1車種
三菱:ディグニティ
[VIP]
306PS/35.7kgm|2012/07